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第5話

「山? 山の方だな」


俺が初めての任務に関わった場所に近い。


移動する自販機が電線に絡みつき、辺り一帯を停電させた。


あの時はすぐこの後ろに、あの人がいたのに……。


竹内は首をかしげる。


「電波の届かないところ? だけど、今時そんなところなんて……」


「妨害電波を出しても、人がいなければ周囲に気づかれることもない。人気のないところを選んでいる可能性はある」


突然、隊長の位置を示す表示がマップから消えた。


「ん? これは自分で消した? それとも消された?」


竹内はシステム上での捜索を始めようとしている。


本部では特に騒いでいる様子もない。


隊長自身の特殊任務を考えると、こんな端くれの一般隊員から情報を秘匿することなんて、別に珍しいことでもなんでもないのだろう。


「待って。これは緊急事態だよ、使えるじゃないか」


突然そう言い放った俺を、竹内は不思議そうに見上げる。


「隊長が行方不明となった。我々は至急、救出作戦を実行する」


俺たちは飯塚さんを追うんじゃない、隊長を救出しに行くんだ。


それならば隊員行動規範にだって違反しない。


竹内は呆れたように頭を横に振った。


「そんないいわけ、通用するとは思えないけどな」


「どうせ俺たちは不出来なバカなんだから、バカでいいんだよ」


竹内はため息をついた。


ガタガタと立ち上がり、骨張った細い体で眼鏡ごしににらみつける。


「で、どうするつもりだ」


「……どうしよう」


竹内は空になったカップを洗い始めた。


その隣にカップを置くと、黙って一緒に洗ってくれる。


「お前お得意のノープラン作戦?」


「……ダメ、かな?」


「無理だろ。やめだ、やめ。もう少しちゃんと考えてから動こう。また失敗を繰り返したくはないだろ」


洗い終わったカップを水切り棚に並べる。


俺たちは同時にため息をついた。


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