表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

62/117

第2話

IF03。


このアカウントが飯塚さんであると、隊長は絶対に気づいている。


俺と竹内はもう何度もこのアカウントに接触を試みては、失敗していた。


どうすればあの人を救えるのだろう。


「もしさん……か」


黒いレースの人形の目が、ぐるりと動いたような気がした。


入隊試験のパスワードを解いた瞬間、部隊から直接送られて来たものだ。


この人形は、いつも飯塚さん側から発信した電波をキャッチしていて、俺からかけてみたことはない。


もちろんそのやり方は知っているけれども……。


再起動したばかりのパソコンを操作する。


回線は、ふいにつながった。


「飯塚さん!」


「やぁ重人、元気にしてたか?」


何度も何度も打診しては切られていたアクセスが、ようやくつながった。


飯塚さんの生の声が、久しぶりに鼓膜をくすぐる。


俺は人形に向かって話しかけた。


「なにやってるんですか、帰ってきてくださいよ!」


「はは、俺に直接連絡しようなんて、相変わらずお前らしいな」


その声は、何一つ変わっていないのに……。


「みんな待っています。心配しています。飯塚さんのいない久谷支部だなんて、コンビニとしても役に立ちません」


「そうやって言ってくれるのは、重人、お前くらいだよ」


音声が乱れる。


通信は傍受されている。


そんな危険は、お互いに百も承知だ。


「待ってください!」


このままでは通話は途切れてしまう。


言いたいことも聞きたいことも、山ほどあった。


「飯塚さん。さっき支部PCの……」


「常識を疑え。あらゆる可能性を想定しろ。世界は想像を以上に不思議なことであふれている」


息が詰まる。


今はそんな話で、貴重な時間を無駄にしたくはない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ