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第3話

「片付けが終わったという報告がまだだ。さっさと自分の仕事を済ませろ」


沈黙がその場を支配する。


襟元のマイクだけが、常に何かを伝えていた。


隊長の細く鋭い眼光が、慎重にあたりを警戒している。


竹内はふいに頭を下げた。


「報告を怠り、すみませんでした」


「違います! 俺が勝手にわがままを……」


駆け寄って一緒に謝ろうとした俺を、彼は静かに、だけど力強く押しのける。


「お願いします。俺が探したいんです。どうして俺を置いていったのか、それが聞きたいんです」


「ダメだ。お前の居場所は、あのコンビニだ」


隊長は腕の自治会腕章を外した。


歩き出す。


口元が動いているのは、次の現場への指示を出しているからだろう。


竹内は動けなくなってしまった。


「待ってください! 隊長が見張りに来てるってことは、やっぱりこの噴水は再建されたってことじゃないんですか? 宣戦布告として破壊され、そのまま放置しているのであれば、こんなところに興味はないはずです」


地面から這い出してきたばかりの虫が鳴いている。


そう言った俺を、隊長はじっと見下ろした。


やがて、ふと視線をそらす。


「いいだろう。お前たちにも手伝わせてやる。正直、人手はいくらあっても足りない」


隊長は竹内を振り返った。


「ただし、他の部隊の手をわずらわせるな。03の一番近くにいた奴らに、何とも思わないのがいないわけではない」


「ありがとうございます」


俺が頭を下げると、竹内も一緒に頭を下げた。


「05、お前の悪いくせだ」


今度こそ本当に、隊長は歩き出した。


残された闇の中で、その姿を静かに見送る。


帰り道、深夜の幹線道路をぶっ飛ばした。


竹内は一言も口を利かなかった。

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