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第2話

「重人!」


竹内は叫ぶ。


あたりにはうっそうとした青黒い草がひしめく。


遠い外灯の明かりに、ぼんやりと白く浮かび上がる噴水とその枯れたプールをめがけて、手元の火は赤く揺れた。


「ここは火気厳禁ですよ」


その火を握り潰したのは、隊長だった。


腕に自治会役員の腕章を巻いている。


「なんだか騒ぎになっているようだし、念のために見回りに来てよかった」


隊長はすました顔で微笑む。


握りつぶされた炎は、簡単に崩れ落ちた。


「夜も遅い。野次馬みたいなことしてないで、早く帰りなさい」


「どうやって噴水を元に戻したんですか!」


「はは、何を言っているんだい。ネットの噂なんて、簡単に信じちゃいけないよ」


他人行儀な物言いに、隊長は手袋を外しそれをポケットに突っ込んだ。


簡単に俺に背を向けると、竹内を見下ろす。


「おい。片付けは終わったのか? だったら連絡くらいしろ。明日でもいいと思ったか」


俺に背を向けたまま、深いため息をつく。


「お前までがっかりさせないでくれ」


「隊長、お願いがあります。俺たちにも、飯塚さんを探させてください!」


竹内は声を振り絞る。


じっと見上げる隊長は、静かにそれを見下ろしていた。


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