表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/117

第2話

「ナンバー05、ここの片付けを任せる。その新人も早く何とかしておけ」


圧倒的威圧感。


これがこの部隊全体を率いる隊長か。


地下基地を眼球の動きだけで観察し、地上へと出て行く。


その背中を敬礼で見送って、竹内はようやく一息ついた。


「あ~ぁ、本当に隊長が出てきちゃったよ」


壁際のスイッチを押す。


モーターの駆動音がして、ゆっくりと水が引き始めた。


「さぁ、片付けようか」


「片付けようかじゃねぇだろ!」


俺と竹内は同い年だ。


竹内の方が遙かに所属歴の長い先輩だとか、そんなことは今は関係ない。


「なんで飯塚さんはいきなりこんなこと始めたんだ。意味が分かんねぇだろ」


「それを俺に聞いて答えられると思うか。隊長が言ってるのは、そういうことだ」


地下3階のサーバー保管室に下りる。


さっと辺りを確認してから、竹内は口を開いた。


「データに関しては問題ないと思う。ここはメインサーバーではないし、あくまでクラウドの中継基地の1つだ。全サーバーを同時攻撃されない限り、中のデータは失われないし、機能ダウンすることもない。つまり、どうしたって天命の完全消失なんて、不可能なんだよ」


「そんなこと、あの飯塚さんが分からないわけがないじゃないか」


「そうだよ。だから『意味が分からない』んだ」


緊急停止されたまま、足元を水につけた巨大ハードの群れを見下ろす。


「もうここはダメだな」


司令台のある地下1階に戻って、ぐしゃぐしゃにぬれた部屋を見渡した。


「物理的な攻撃を、どうクリアするかが問題なんだ。次は何でくるだろう」


「隊長より先に飯塚さんと接触しよう。そうすれば助けられるかもしれない」


「電力に関しては本部も敏感だからな。自家発電もあるし……」


「おいっ!」


何かを考え込んでいた竹内は、ようやく顔を上げた。


「飯塚さんを探しに行こう」


「は? どうやって?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ