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第11章 第1話

コンビニ出入り口のガラスに「閉鎖中」の文字を貼り、目の前で吹き出し続ける水をながめながら、俺たちは為す術もなくぼんやりと座っていた。


地下で浴びたスプリンクラーの霧をたっぷりと吸い込んだ制服は、もたれたタイルの冷たさで余計にひんやりとする。


誰が通報したのか、水道局の作業車が一台、駐車場に停車した。


「先に元栓を閉めさせてもらってもよろしいでしょうか」


「あぁ、どうぞ」


そう言った作業員は、制服の帽子のつばを持ち上げた。


背の高い、細身だががっちりとした体格に焼けた肌。


少し骨張った長い頬に、鋭い眼光が光る。


「隊長!」


竹内は慌てて起立した。


「ナンバー05、状況説明を」


この声には、確かに聞き覚えがある。


カーブミラーの中にいた人物だ。


竹内の報告に一つうなずくと、隊長はまだ座り込んでいる俺を見下ろした。


「で、お前たちは何をしていた。すでに水は抜いたのか」


「いえ、まだです」


竹内は答える。


ここにいる水道局員たちは、みな部隊本部の人間なのか? 


テキパキと作業を進め、あっという間に道路からの噴水は姿を消した。


「08、何をやっている。お前も動け」


「動けと言われても、何をしていいのか分かりません」


「動くなと言われても動いたお前が、動けと言われて動けないとは滑稽だな」


長身が目の前を横切る。


隊長は俺には目もくれず、地下へと下りた。


慌てて後を追いかける。


止水と水抜き、機材の搬送が進む地下で、竹内はモニターを立ち上げた。


「相手は飯塚さんです。そう簡単には……」


「そんなことは分かっている。だから警戒していた」


隊長は制服の襟元に向かって、何かをささやいた。


次の瞬間、画面に飯塚さんの運転するトラックと、その横に座るいづみの姿が写る。


「こちらでも発信器を用意しておいた。それが生きている限り、望みはある」


「目的はなんですか? それが分からないことには、対策のしようが……」


そう言った俺を、隊長は鼻息一つで見下ろす。


「お前と話すのは、時間の無駄のようだ」


隊長は背を向け、水道局員の作業服を脱いだ。


その下から大手運送会社配達員の制服が現れる。

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