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第6話

「ここから先の捜査は、本部の管轄だ。結果なんて、俺たちには求められてもしなければ、そうすることも許されない」


竹内といづみは静かに聞いていた。


「俺たちに与えられた指示は、今回は『輸送物の回収』それだけだ。その結果がどうなったのか、なんの意味があるのか、分かることもあるがそのままのことも珍しくはない」


沈黙が流れる。


次に口を開いたのは俺だった。


「あの、思ったんですけど、だったら最初っから、毎日駅舎の空気環境チェックしたらいいんじゃないですか?」


「おい。いくら金がかかると思ってるんだ」


竹内の体が怒りに震えている。


「言っとくけどな、この支部の活動資金にだって、本部全体の活動資金だって限界はあるんだ。今回の作戦だけでいくら経費かかってると思うんだよ。それをいちいち後から申請して許可もらって、予算残高とにらめっこしてる俺の気持ちもちょっとは考えろ! 公務員ナメんなよ! 大体お前はもう少し新入隊員としての自覚と心構えをだな……」


竹内の愚痴が始まると、とても長いんだということは、ここへ来て一番に知った。


竹内はこの支部の事務も担当している。


「まぁまぁ、もういいだろ。彼はよくやってるよ」


飯塚さんはにっこりと微笑んだ。


「それと、任務の時には自分の乗車IDを消しておくことも忘れずに」


全自動のサポートロボが、デザートとお茶を運んでくる。


表がコンビニな分、そういうところは優遇されていた。


伸縮する棚のような形状のロボット本体の扉が開くと、それぞれのカップにあらかじめセットされた飲み物がトレイに乗って差し出される。


それを受け取る俺の隣で、竹内は食べ終わった弁当のカラを付属したゴミ箱に放り込んだ。


台拭きが出てきて、そこを拭く。


「今日はもうこれでおしまいにしよう。明日はみんな、遅めの出勤でいいよ。飲み終わったら解散だ」


温かな湯気が、地下室に立ちこめる。


俺はミルク入りのホットコーヒーに息を吹きかけた。


竹内はため息をついて立ち上がる。


彼はここのコンビニ支部店舗の二階に、一人で住んでいた。


そこに引っ込んでしまったのだろう。


「私も先に帰るわね」


いづみも出て行く。


飯塚さんは自分のテーブルに移った。


「帰らないんですか?」


「まだ少し、やることが残っているんだ」


その画面には、複雑な何かの設計図が表示されていた。


俺は熱いコーヒーを一気に流し込む。


それを食洗機に放り込むと、帰宅の途についた。


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