いざ!行かん!!
いよいよ!いよいよ!信長さまの元へ!
僕は進水式を終えて艤装も終えた魔術式潜水艦ヤマトに大量の物資や弾薬を積み込んでいた。僕たちの暮らす漁村はダッサイ村と言うらしい、比較的新しい漁村で現在の村長は14代目だとのことだ。
僕はナポレオンさんやメーカーズさんそしてロゼワイン先生ともちろん母さん。そして暖かく僕の成長を見守ってくれた漁村の村人一人一人に感謝の気持ちと謝罪の念を抱いていた。
たが!しかし!第六天魔王である織田信長さま!親方さまが魔大陸、通称魔王国にいると言う事実において是が非でも馳せ参じなければならないのだ!!
皆を騙すようで申し訳ないが、ここは明鏡止水の心持ちでジャック・ジュニアを演じきるしかあるまい!
『ジャック?この荷物はここでいいのかしら?』
ロゼワイン先生がとても積極的に荷積み作業を手伝ってくれて助かる。何せ魔術師の中でもロゼワイン先生はSSSランクというこの世界でも数人しかいないスーパーエリート魔術師なのだから!魔術で重たーい荷物もひょいっと積み込んでくれる。一家に一台ロゼワイン!
ちょっと言い過ぎたかな?
『はい!先生!そこで大丈夫です!』
村人の手の空いている幾人かを人足で雇っているが本当に良く働いてくれる。これは賃金に色を着けてあげなきゃな!
ナポレオンさんとメーカーズさんは魔術式潜水艦ヤマトにシステムエラーや物理的欠陥が無いか最終チェックを懸命にしてくれている!ありがたい!
そうこうしている内に陽も暮れ始め今日の作業は終了することになった。とは言え明日の午前には全ての作業を終えて、皆で昼食をとり午後にはテスト試験という名の出向と言うことになっている!
『母さんただいま!』
『あら?おかえりなさいジャック。いよいよ明日テスト試験の日ね?お昼のお食事は特別なごちそうを用意するからね?楽しみにしててね!』
『母さん!本当にありがとう!楽しみにしてるよ!』
あー、、、僕はこの人を騙すのか。。。
ちょっと罪悪感に苛まれながらも夕食を食べて明日に備えて早めにベッドに横になった。
荷積み作業で疲れたのか僕はあっという間に深海の底へ落ちるように眠りに着いた。
翌朝僕は太陽が昇るまえに目を覚ました、武者震いが全身を駆け巡る!!
僕は咄嗟にペンを手に取り母さん宛の置き手紙を書いた。今まで隠してたこと全てを打ち明ける為に!信じて貰えるかわからないけどね!
母さんは朝食も僕の大好物を用意してくれた!
ワイルドターキーの玉子焼きとホワイトホースの馬刺?朝から馬刺?すげーな!
僕はゆっくりと母さんとの時間を楽しみゆとりを持って造船ドックへと向かった。
午前中にするべき作業は全て終えた。
ほっと一息である。
今日はあれだけ手伝ってくれたロゼワイン先生が姿を現さない神殿の仕事が忙しいのかな?
テスト試験の時にはきっと来てくれるだろう。
母さんが豪華な腕によりをかけた昼食を持ってきてくれた!!
ワイルドターキーの丸焼き!
舌平目のような謎魚のムニエル!
海鮮サラダ!
魚介類のトマトスープ!
そして僕の大好物のおにぎり!
ナポレオンさんもメーカーズさんも作業を手伝ってくれた皆さんも大変喜んでくれた。
『おい!オーナーさんよテスト試験運航だから絶対に無理をするなよ?いいな?』
『はい!ナポレオンさん!安全第一でテスト運航します!』
『よしよし。』
ナポレオンさんは少しだけ安堵の表情を浮かべたのだった。
『ジャック!絶対に無理をするなよ?あと急浮上は絶対ダメだからな!』
そうだ。僕の父さんにあたる人は急浮上による潜水病で血液中の酸素が飽和してこの世を去ったのだ。僕には魔術という非常に便利な手段があるので潜水病の心配はいらない。大丈夫だ。
『ジャックさん!急浮上禁止ね!わかったよ!』
母さんは何も言わない。
ただただ僕のことを愛しい瞳で見つめるだけである!
昼食も終えた!
食休みもした!
いざ!行かん!我が主君織田信長さまの元へ!
僕は魔術式潜水艦ヤマトのハッチを開けて中へ乗り込む。
操縦室で舵を手に取り念話でロゼワイン先生に挨拶を送る。
『ロゼワイン先生!行ってきます!』
『ジャックくん?気を付けてね!』
即答である!早っ!
ドックへと再び海水が注水されてドックのハッチが開く!喫水線まで海水に魔術式潜水艦ヤマトがひたひたに鳴ったとき僕は警笛を鳴らす!
ボー-ッー!!
魔術式エンジン点火!
エンジンない圧力順調に上昇!
回転数以上なし!
スクリューへ接続完了!
ドックの海水が渦を巻き始める!
『微速前進ヨーソロー!』
魔術式潜水艦ヤマトはゆるりとドックから海原へとその第一歩を踏み出した!
後戻りの出来ない船出だ!
水と食料は一月分積み込んだ、2週間で魔王国に到着出来る予定だが念のために多めに用意したのだ。それもこれもロゼワイン先生の助言あってのことである。
兵法でも兵糧が最も大事とされているから実に理に叶った助言だと思う。
最後に先生に会いたかったな!
『ダウントリム20度潜航開始、速度巡航速度へ加速!ヨーソロー!』
独り言のように僕は叫んでいた。
全面の特製のガラスからは海の中がとても美しく見ることが出来る。
僕は陽の光が届く範囲で潜水をしばらくするつもりだ。決して無理はしない。
故郷である漁村から離れたら浮上し最大船速で魔王国を目指すのだ!
それにしても海中って美しいなあ。
『ほんと、とっても綺麗ね?』
『はい!先生!綺麗ですよねえ。。って?え?え?え?なんでおるん!?』
『てへっ♪』
『いやいや!てへっ♪じゃないでしょう!?』
『だって、神殿で毎日退屈だったのですもの。テスト運航にちょっと密航したっていいでしょ?』
うわあ!これは説明案件だわ!
僕は信長さまへの元へ駆け巡る計画の頓挫も念頭に置き、何はともあれロゼワイン先生への説明と説得を試みようとするのであった!!
でた!w
密航者発見!
て言うかどうしたものでしょうか?




