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Mは初めて見る天使のしぐさに驚いていた。
自分の身長より数十倍も大きく見える巨体の人間が空を裂いて出て自分の目の前に立っているなんて…。
きらびやかな光を後ろに広がる真っ白な翼は、Mにはじめて見る光景だった。 Mは天使と呼ばれる存在を多く聞いてみたが、実際に見ることになるとは予想もしなかった。
自分が感じた苦痛はある瞬間消えていてただ驚きと感嘆。 驚異だけが彼の感情に残っていた。 地球を守る守護者を見るような気がして、気持ちが激高した。
その気持ちも一瞬だった。 その巨体の人間はMに近づいてきた。 Mは、いつもの通りなら驚いて後ずさりしたはずだが、何か天使に自分が捕らえられたように、思わず天使に向かって一歩ずつ近付いていた。
近づくと天使の姿はMが首を持ち上げてやっと見えるほどの巨体だった。 天使はMに向かって手を渡した その手は二本に分離し、引き続いて大きな根のような形を描いてきており、そうして続く真っ白で長い手の道はMの目の前に迫ってきた。
Mの目の前には自分の手をのせるほどのちっぽけな天使の手があった 白色の形をしたその手前で、Mは説明がいらなかった。 この天使の手を握れば、自分の願いが叶うだろうし、自分のこの幸せな気持ちが永遠に続くことが分かっていた。 Mは手を握ると決心した
彼が手を握ろうと自分の手を伸ばすその瞬間。
空が閉じた。
「死ね!!!!!!!!」
Wは大きな声で泣き叫び、天使に向かって体を飛ばした。
数百メートルの距離だったが、あっという間に追いつき、彼女は天使の角に向かって拳を突きつけた。 彼女の速度は秒単位で配属され、天使の持っていた角は真っ二つに折れてしまった。 その光景をMはただ眺めていた あの高いところにあるWの姿を。 そして、角が折れる姿を…。
角が折れると天使は泣き叫び、天使の背後からおかしなことが出てきた。 天使ほど真っ白だが、天使より奇妙な形をしたそれらは、片手の長い槍を持っていた。
「W! 君はいつも仕上げが中途半端だってば!」
Jはある瞬間Mの後ろに立っており、彼女は地面を踏んで跳躍し、天使の残りの角を足で蹴った。 彼女の足と角がぶつかる音は非常に大きく、衝撃波となってmにまで感じられた。 そして、天使の角はそのまま折れ、床に大きな音をたてて落ちてしまった。
天使の角が折れた瞬間、雄大だと思っていた天使の巨大な姿にノイズが動き出した。 ノイズが寄り添った天使の姿は、まるでコンピューターがエラーでもしたかのように、奇妙な姿に変わっていた。
「一体あれは何?」
「少年!!」
遠くからDがmに向かって走ってくるのを見て、mは体を起こして彼のところへ行った。
「Dさん、一体あれは何ですか? あれが天使ですか? いままで私が見たのは何ですか。」
「少年。そう、聞きたいことも多いだろう。 しかし、ここでは危険だ。とりあえず私たちは逃げよう。 私たちはできることがない。」
Dは手をつないでMを引っ張って行った MはDを追っている最中にも、自分の後ろにある光景に目が離せなかった。 天使と見えた存在と少女と見えた怪物は乱暴に戦っていた。
Wの大きさが天使に比べて圧倒的に小さかったが、彼女が持っている殺気は遠く離れているmにまで感じられた。
Jは天使を数十回攻撃し、それを牽制しながら天使の背後から出てくるおかしなものと乱闘を繰り広げ、自分の武力を見せていた。
Dは遠くまでではないが、それでも脅威になれない距離に来たと思ったのか、引き止めていたMの手を放した。