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Mは"休憩をしろ"と命令のような依頼を受けたが、むごたらしい事件が起きた学校だと聞いてからは、学校の近くでゆっくり休めないことが分かった。
それで少しは離れた所を探すために動いた。 彼が学校から遠ざかったとき、Mの前にWが現れた
「逃げるつもり?」
Mの前に突如現れたWは言った。
「逃げるつもりなら、僕が楽に殺してやる。 どうせ僕達が必要なのは君の皮脂。 君じゃない。」
「はい…?ぼくはDさんが休め…」
言葉が終わる前にWはMに向かって跳躍した。 人間の跳躍から外れた彼女の動きは、100メートルほど離れていたのに、あっという間に距離を縮めてきた。
Mが後ずさりして倒れなかったら、Wの攻撃にすでに死んでいただろう。
しかし、Wはすでに倒れたMの上に立ち、彼女はそんな彼を見て嘲笑しながら言った。
「運もいいね…? まぁ痛くないから 少しは痛いのかな…? まぁいいじゃん。 君が痛くても。」
Mは、目の前にあるWの手が、不思議な異形の存在だと思うほど歪んでいることに気がついた。 そして、その巨大な腕が近づくと、もう自分が死ぬと思って両目をぱちくりと閉じた。
「止まれ!!!!!"
Mが自分の人生について走馬灯を経験していたとき、遠くからDが駆けつけた。 DはWの行動に腹を立て、それはWもまた同じであった
「この馬鹿め! どうして殺そうとするんだ。 私たちはこの子が必要だと言ったじゃん!」
「私たちが必要なのは、このフィジー。 この子じゃないじゃん。」
「お前また説明ちゃんと聞いてないのか。 天使を顕現するのに必要なのは特定の人間の血とその人間の願いだと。」
「あ…」
「だから君の頭が古くなったんだ。 ほんの数分前に話したんだけど、話しちゃんと聞いてないの? なんでまた忘れるんだ!」
Wはそのまま何も言わずに頭を下げた。 そんなWの行動を見て、Dはさらに腹を立て、Wに説教を続けさせた。
見守るMにとってもWが気の毒に思えるほど、おびただしい説教が続いた。 そして説教が終わった後、WはMに向かって話した。
「ごめん…」
ほとんど泣き声と反強制的な行動のためか、Wはそのことを言ってまた学校の方に走っていった。
瞬く間に遠くへ消えたWの姿を後にし、Mは自分の命が先ほど消えそうになったことに気づき、足の力が抜けてしまった。
そんな少年の様子がわからないのか、Dは言った。
「少年の準備がほとんどできた。 そろそろ行こう。」
MがDと一緒に行ったところには、自分の描いたものを含め、100個を超えて見える模様には、何かが繋がっていた。
透明そうなあの"糸"は、お互いに出会い、一カ所に繋がっていた。 そのつながりの先には不思議なテーブルが存在した。 おかしいと言うか、ただ廃墟になった教室から取り出したような古びたテーブルだった。 そんなテーブルには何もなく鋭い刃物が置かれていた.
「そこに立っていなさい。 そしてD君が説明して。 僕はもっと準備するものがある。」
「はぁ…Jさんの話は聞くべきですね。」
MはJの言うとおりに糸を通り過ぎてそのテーブルの前に立っていた そして、DはMがすべきことについて説明した。
「少年、君はここのテーブルの上にあるナイフを使って血を出さなければならないんだよ。 多い必要はないよ。 ただ適当に、死なないくらいの血は必要だよ。」
「あなたの血が十分流れていればこれらの糸が赤くなり始めるだろう. そうなると、君はまた刀を下ろして。 ただ願い事をすればいいんだ。 切に祈る必要はないよ。 ただ願い事の後に '天使のため'という言葉だけ付け加えれば良い。 私が知っているにはね…」
「僕らは後ろに隠れているよ。 現れた天使が私たちを見て逃げたら駄目だから。 あなたが成功すれば、天使は降りてくる。 しかし、私たちは天使の通る門が閉まるまでは待たなければならない。 だから少年、それまでは時間を稼ぐようにしなさい。」
DはMにその言葉を最後に彼をおいて行ってしまった。 Mの目の前にはテーブルとその前に廃墟と化した学校だけ。
静かだった。 暗くて静かなこの場所には、以前住んでいた家にいた気持ちが感じられた。 彼はそのような気持ちと雰囲気に押される前に、早くDがさせた仕事を遂行することにした。 一方では自分がなぜこのような状況に陥ったのか後悔した。
Mは鞘から刀を抜き取った 鋭いナイフが彼の目の前にあった。 刃には自分が映っており、MはDの言葉から逃れられなかったため、やむを得ず刃に手を突っ込んだ。 小さな傷をつけてみたが、あまり反応がなかった。
最初は何かが間違っているのではと周りを見回したが、遠くに見えるWはMに向かって"早くしろ"と叫んでいた。 MはDが"死なない血"と言っただけで、少ない量の血とは言わなかったことが分かった。
結局は血が足りないのだ。
Mは今自分がやっている状況が理解できなかった。 どうして私が血を出さなければならないのか、ナイフで自分の手を切るのか、しかしどうしようもなかった。 Dの言葉に逆らうと自分が死ぬと思ったので、結局Mは目を盗んで、手をテーブルの上に乗せ、ナイフで切りつけることを決心した。 深呼吸をして自分の状況について後悔したが、今になってどうしようもなかった。
「くそ!」
カタナを手にとった瞬間、ものすごい苦痛がMに包まれた。 そしてDが言ったように透明だった"糸"たちに自分の血が染み込んで真っ赤な色を照らした。 その"糸"たちは伸び続け、Mが描いた文様に向かった。 模様は鳴り始め、MはこれがDの言った瞬間だと気づいた。
何十回も痛みを和らげようとしたが、手から流れ出る血が彼の心をくらくらした。 頭はめまぐるしく、世の中が回り続ける気持ちをMは引き続き感じた。 ああしてもこうしても同じだという気がしたころ、Mは自分がその古い邸宅に来たきっかけについて考えた。
自分は今の生活から抜け出すためにその家を探し、今の生活よりもっと満足な生活を望んでいたし、何よりも死にたくなくてその家を見つけたのだと。
「こんな所で死ぬものか」
Mは鋭い刃物を投げて願い事をした 頭がくらくらしたが、彼はしっかりと心を引き締めて、祈りを始めた.
「今よりもっと良い生活があるように、 どぶろくのようなそこから抜け出すことを、 死から抜け出すことを」
「天使のために」