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再会
みち子は雑多な新宿駅南口で、ある一人の男を待っていた。
周りを見渡せばいたるところにカップルがいる。
そういえば今日はクリスマスだったなと一人物思いに耽る。
『私だって男の子との待ち合わせじゃないか。』
そう心の中でつぶやきながら、小さく可愛げの感じられる腕時計に目を落とす。
待ち合わせの時間まではあと3分。
スマホでもう一度自分の顔を確認する。
「リップがちょっと濃かったかな....。」
そんなことを考えているうちに時間は刻一刻と近づいている。
ふと正面を向くとそこには彼がいた。
「久しぶり。」
「あ....久しぶり。元気だった?」
「まあ、無事就活も終わって何とか。」
「よかった。」
「じゃあ美味しいもんでも食べにいくか。なんか懐かしいなこの感じ。」
「....うん。」
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