プロローグ
黒い空に荒れた大地。
風が黒百合の花を舞い上がらせる。
黒百合の花言葉を知っているだろうか?意味は「呪い」「復讐」という意味だ。
今の状況はある意味呪いなのかもしれない。
ある意味復讐と言う意味で捉えられるかもしれない。
「あ”あ”あ”ーーー!!!」
狂気に叫ぶクラスメイト達の声。
恐怖に一色に染まった顔。
「――どうして、こんな事に」
理由なんてない。
意味なんて存在しない。
誰も分からない。
神様でも理解ができないだろう。
僕は、ただ狂った友人達をこうして跪いてみていることしかできない。
僕に皆を止められるような力は無い。
――僕も狂ってしまうのだろうか?
恐い。嫌だ。
嫌だ、友達を酷い目に合わせたくない。
友達を失いたくない。
『なら、力を使えばいい。お前ならできるんじゃないか…?』
力…。僕の力…。
でも、自信が…。
『自信?お前はそんな奴だったけ?自信位が取り柄じゃなかったか?』
そんな事言われると心外だけど…君がそういうならそうなのかもね…。
君は僕の一番の親友だったんだからね。
『そうだ!自信を持て!お前ならできる。頑張れよ』
そう、僕がやらなきゃいけない。
もう、彼はいないのだから。
この、状況を僕一人で変えなきゃいけないんだ。