プロローグ!
異世界イグドラ。
星が瞬く闇夜の帳に1つの彗星が降る。
玉虫色に輝く珍しい彗星を見た人々は、家族で家屋の屋根に登り、手を合わせて願いを唱える、また思いを寄せ合う恋人達はこれから共に歩む誓いを立てた。
しかし、ある大国だけは状況は違った。
その国はアトラス帝国。
栄華帝と呼ばれる初代アトラス帝が建国した国である。
その国は科学、魔法、魔導、魔術、異能全ての力の技術を他の国々に追随を許さないスピードで研究・開発しついには大陸全土を統一する一歩手前まで国力の差はついていた。
しかしアトラス帝国はその一歩手前で最悪の一手をしてしまう。
神力の発見である。
イグドラの創造神、ムシュの神力を手にすれば世界の改変さえも容易にできる。故に恩恵は想像もできないほどの力だった。
欲に駆られた帝国に対してムシュは天罰を返答とした。
そう。彗星は帝国への天罰である。
玉虫色に輝く彗星は大気圏でも燃え尽きず、帝国頭上に展開する防御結界を突き破り、現皇帝ジニア・フォン・オリ・アトラスが眠る寝室を目指して落ちていったのである。
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「キミが桐生優星クンだね?」
ゆったりとしたまどろみの中で俺は誰かに質問されたようだ。今は眠たいが返事はしなきゃいかん。俺・・俺の名はキリウユウセイだ・・・うん。何だかぼんやりして頭が動いてくれない。
「キミはね事故によって死にかけた、そしてちゃんと助かる運命だった。なのに死んでしまった。原因不明のイレギュラーってやつだ。プログラムも出力も完璧だったのにだよ?いやぁ参っちゃったよ。」
死にかけたけど死んでしまった?・・・どういうことだよ?
「イレギュラーで死んだ君はイレギュラーな存在なんだよね。死んでも君のイレギュラーな魂は残る。それが世界に溶けて1つとなるとイレギュラーを含む世界になっちゃう。だから君の魂はあの世界から摘出しちゃって今ここに持って来たんだ。」
イレギュラーがイレギュラーだからイレギュラーになっちゃうイレギュラーってどうゆうこと?何を言ってんだお前、ってかお前だれ?
「ああ、なんかバカっぽいなって思ってたけどスリープモードに不活性化モードにがオンになっていたののか。んーホイホイっと。どう?意識がはっきりしてきたでしょ?」
バカっぽいって煽ってん・・・・んぉ?意識がはっきりぃ?ああ〜ほんとだわー、あっそうそう俺は桐生優星、桐生優星だってかここドコ?何にも見えないんだけど!
「えーもっかい説明しなきゃいけないの?ソレはめんどくさいなぁ。あーじゃあ直接伝えよっか!」
直接伝えるってどうゆう?あっ!ああああああ!!あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーー!!!!!!!
「よし!今のキミの状況、これから君が行く世界、そしてボクからのお願い。全部伝わったよね?ハイ復唱してみ?」
ええ〜っと私、桐生優星は前世でイレギュラーで死んでしまったけど、その代わりに異世界のイグドラで生きて行くことになりました。そしてイグドラでのムシュ様に牙を剥く存在を排除もしくは不能状態にすることが私のやる事であります!!
「うむうむよろしい!!まぁ気ままにやってくれていいからね!お使いを頼まれてくれる優星クンには豪華なチートを前払いであげちゃおう!ホイホイっと!よしっキミの名は・・・オブザーブをもじってオブゼルブにしよう!今日からオブゼルブだぞ!よし行けオブゼルブ!あのクソ生意気な皇帝に最高な寝起きドッキリで起こしてやれぇー!!!」
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緊急自体のサイレンが鳴る中、帝国の人々は頭上の景色の大半を占める彗星を見て、混乱と絶望に放心し、泣き崩れる。
そして彗星は帝国の全てを無にし大きなクレーターを作りその場に鎮座する。
こうして世界イグドラではアトラス帝国がモルト大陸の地図から消えた年から彗星紀何年と数えるようになった。
読破ありがとうございます!!
拙作ですが面白く書けるように頑張ります!