絶許と書かれたプレートカードをみると精神が不安定になるって話
エルにル○ンジャンプを決めようとしてゴッドロリブローを食らわされ、
ヨシの前から消えたエル。
尻に刺さったフォークの傷が癒えぬうち、ちゃぶ台に食事と渾身のデザートを
捧げるが帰ってくるのは、絶許と書かれたプレートカードのみ。
そして駄目おっさん化するヨシ、それにイラッとしてついに力(鎖)を解放する
魔道書さん、よくやったもっとやれ!
ちょっとヨシがうっとおしくなってますがよろしくお願いします!
あの日、エルのゴッドロリブローを受けた日から一週間、三食デザート付きを
供物として捧げ続けたが、エルは帰ってくる事は無く、手元にある絶許カードは
すでに20枚を超えた。
今日も今日とて女神に許しを請い供物を捧げる、今日の供物はデミソースの
花咲きオムライスと3種の缶詰具沢山ゼリー、いつものようにちゃぶ台に奉り、
土下座スタイルで待機する。
そして、ポトっカタン、いつもの様にちゃぶ台一枚のプレートが置かれていた。
捲る、『絶 許』 まだ許してもらえないらしい、もう22枚目、
しかしそろそろヨシは、我慢の限界だった。
結局理想の羽であるエルの羽を触ることが出来ず、中毒爆発し、エルに殴られ、
お預けを食らってる状態、正直またあの羽をみて我慢できるか分からない。
そんなをヨシの思考読み取った魔道書さんがこいつまだ懲りてないと、
こっそりとエルにリークしていることなど露知らず、ヨシは今回もダメか、
といつの間にか置かれている食器を洗い、特に何もすることなく布団に入り、
また供物の土下座の儀の時間まで寝るのだった。
そんな生活が1週間続いたある日、いつもエルへの供物を作る時間になっても
ヨシは起きてこず、布団が小刻みに揺れていることに気づいた魔道書さんは
そっとヨシの思考を読むと、
((捨てられた捨てられた捨てられた捨てられた捨てられた捨てられた‥‥))
深く暗く黒い思考の濁流に流されそうになった魔道書さんは慌てて接続を切った。
なにやらヤバイと感じた魔道書さんはすぐにエルへ連絡したのだが、
仕事中なのか返事は無かった。
その後しばらく震えていた布団が大人しくなると、のろのろと布団から出てきた
ヨシは、お茶漬けをもそもそと食べるとまた布団に戻って動かなくなった。
そうして魔道書さんがどうすれば良いか分からないまま時間が経ち、昼の供物を
捧げる時間になっても動かないヨシを見ていると、魔道書さんにエルから
今日の昼ご飯は?と連絡が来た。
一通り朝の捧げ物から今までの様子を話すと、何やら元の世界でのトラウマか
何かを思い出してしまったのではないかという話になったが、
二人ともどうして良いのか分からず、エルはエルで2週間は経ったとしても、
少し気を許していたヨシのル○ンジャンプ事件ショックから立ち直れておらず、
駆けつけることも、話しかけることも躊躇してしまう。
魔道書さんも自我の様なものを獲得したといっても未だ人格や人の思考など
まだ把握できておらず、どうして良いのか分からないまま、数日が更に過ぎた。
そこから数日、ヨシはあれから布団から一切出なく、時おり震えたり、
泣くような声と嗚咽が漏れてくるだけとなった。
いくらここが転移や転生の為の魂準備室で食べたりする必要も無いといっても、
剥き出しの魂の状態でこのままでは魂が弱りきってしまい、最悪消えてしまう、
その可能性すら出てくる。
さすがにと思い魔道書さんとエルは、意を決してヨシと接触することにした。
「ヨ、ヨシさん? 私まだ許してないんですけど、」
エルが話しかけてもヨシ入り布団が一度 ビクンッと大きく震えその後も
小さくプルプル震えるばかりで、何も言わないまま数分経っても震えるばかり、
そんなヨシにイラッときつつも、静かに、そっとエルは布団の近くに座り、
布団を少し捲り、優しく声をかける。
「あ~、もう怒ってませんからね? とりあえず出てきてください」
もう聖母のように優しくめそめそ布団に引篭もる30過ぎのおっさんに語り掛け、
笑顔で対応する幼女神。
バブミレベルはもう振り切ってるだろう、しかしヨシは
本当? 怒ってない? 捨てない?と繰り返すばかりで出てこない。
数分そのやり取り続くがいつまで経っても出てこない、聞いてるだけでも
イライラするやり取りに我慢できず行動した、魔道書さんが。
魔道書さんは未だうじうじ布団に引篭もるヨシの足元に鎖を巻きつけると、
そのまま一気に引きずり出し、尻を一回薙ぐ様に叩きつけた、よくやった!
ヨシは、ひぃぃと、啼いたあとヒギィィ! と叫び、うつ伏せのまま
土下座スタイルにフォームチェンジしてびくびくしたまま泣いてる様だ。
エルはそんな駄目おっさんに歩み寄り座ると もう怒ってませんから、
許してあげます、と言いながら震えるヨシの頭をぽんぽんなでなですると、
触れられた瞬間はびくりとしたが、次第に震えは止まり落ち着いたヨシは、
涙で濡れた顔で すまなかった、と更に泣きながら謝り出した。
その姿にエルは、ル○ンジャンプの毒気も、怒りも消し飛んでなぜかキュンとした。
まて早まるな!
「もういいですよ、私も殴ったりしてすみませんでした。突然だったのでちょっと
ビックリしちゃったんですよ、今度から我慢できなくなる前に言ってくださいね?
どうしてもというならブラッシング位はさせて上げてもいいですよ?」
「ありがとう、ごめんよ、エル、もう二度としないから。」
「ええ 次したら許しませんからね? さて、そろそろ久しぶりにヨシさんの料理
食べたいです作ってくれますか?」
「ああ! もうしない! ちょっとまっててくれ!すぐ何か作る! うわぁっ」
そう言ってヨシは立ち上がりキッチンに向かおうとしたが、左足に絡みついた
ままの鎖に引っ張られ、そのままエルに覆いかぶさるように倒れこんだ。
と思ったら押し倒される前に、エルのゴッドロリブロー(弱)がそのまま横っ面に
叩きこまれてちゃぶ台にぶつかりヨシはそのまま気絶した。
「はぁ、まったく、いい歳したおじさんがこんなに泣き腫らして、ヨシさんは
私達が居ないと駄目みたいですね」
そういって優しい光を点滅させる魔道書さんと、
そっとヨシの頭を膝に乗せ髪をなでるエル。
なにこいつ死ねば良いのに見たいなシチュだが、当の本人は翌日起きると
ル○ンジャンプ事件の期間中の記憶がすっぽり抜け落ちていたのである。
魂の衰弱したところにゴッドロリブロー(弱)を食らい更にちゃぶ台の角に運悪く
ぶつかってしまったのが原因かもしれない。
その後すっかり元通りになったヨシ、ル○ンジャンプ事件で至高の羽が
失われたエル、ヨシの知らぬうちに進化した魔道書さん、
そして26枚の絶許カードだけが残された。
なお絶許カードをみるとヨシが不安定になるので大事に魔道書さんの中に
収納されることになった。
=====
そしてなぜか時たまエルの羽のブラッシングがヨシの仕事として加わったことに
喜びいつもの様に、三食デザートを作る日々が数ヶ月続き、艶々し出したヨシ。
数日後、チーズハンバーグを作っていると、チョコクッキーを摘みながら
モニターを見てたエルが思い出したかのように言った言葉に固まってしまった。
「そういえばもうすぐショウさんが生まれますよ~」
「え?」
まて、ショウがもうすぐ転生ってあっちの世界じゃ3年も経ったってことか!?
「ほ、ほう もう向こうでは三年たったのかぁ どこに生まれたんだ?」
もう数年単位で時間が経ってると動揺し、それを隠そうと質問を返してみたが、
「そうですね~ あの日ショウさんが旅立ってもうすぐ1年過ぎてますね、
詳しい生まれは言えませんけど、ちゃんと冒険者家族の息子で年上の幼馴染が
隣に住んでますよ」
「そうか、っとハンバーグソースなにかける?」
「んー、おろしもいいけど、やっぱりデミかなぁ」
俺いつ異世界往こうか、とソースの作りながら考えたけど焦げそうになって
思考から消え失せた。
その後、ハンバーグ食べてデザート貪るエルを眺め、洗い物を済ませ、
エルの羽をブラッシングし、その日は布団に入った。
布団に入ってふと、転生するときのショウの会ったら冒険しようという約束を
思い出したが、まだショウ赤ちゃんだし、スキルもあと3つ決めてないしなぁ、
まぁそのうち決めて行けばいいか~、と思い明日ちゃんと考えるかと決意すると
その日は眠る。
‥‥が、
そんな次の日決めれるくらいなら前世界で30歳までニートしていなかった。
その後もエルの三食デザート作りゴロゴロしてモニターで異世界の様子を
お菓子片手に見たり、魔道書さんに分からないことを聞いたりしながら、
エルの帰りを待つ、どう見ても幼女神にくっついたヒモニート生活を続けた。
そうしてる間にも異世界の時間は急速に経過し、今モニターにはどこかの
学園に入学した明るい茶髪のショタっ子を取り合う二人の少女が映っていた、
ほどよく育った赤っぽい茶髪の女の子と金髪ふわふわ系の女の子、
それを羨ましさと妬みと嫉妬で遠巻き見てる学生達の学園生活を
ちょくちょく見たりしていた。
その歳でハーレムか!? シュラバハヨ!
そしてモニターに映る異世界のお菓子を見てはエルに食べたいといわれ、
めんどくさいというと、「絶許」と書かれたカード取り出し見せられる、
なぜかとても不安な気持ちになる。
結局の魔道書さんにお願いしてレシピを調べてもらうということを三年間も
繰り返していた。
そう、ヨシはさらに三年もだらだらと、もうヨシの部屋と言っていいほどに、
カスタマイズされた白い空間で暮していた。
三年のうち、エルの天翔コンテスト優勝は7連勝し、ヨシは美しい理想の羽を
見れ、ブラッシングでき、エルは毎日美味しい食事とデザートを食べれ、
二人でのんびり過ごすのが心地よく、二人して異世界に行くことなんて微塵も
考えなくなっていた。
そんな日々も唐突に終わりを告げる。
その日もご飯とデザートを作りエルの帰りを待ちながら最近いつも見てる
ショタっ子周りの様子をモニターで見ると、今日は学校の野外実習なのか多くの
生徒達が街外れの森に集まったあと3~4人で別れ森を探索している所だった。
ショタっ子のPTはやはり前衛職っぽい軽装の赤っぽい茶髪の女の子と、
金髪のふわふわ系の神官服を着た女の子と、あとおまけの様に弓をもった
軽装の金髪エルフっぽい少年が一緒に居た。
森に入る前はショタっ子の配置でもめてるのか騒いでいたが一度森に入ると、
その顔つきは真剣なものに成り、襲ってくるゴブリンやコポルト、さらには
オーガやでかい猪のような動物までサクっと倒し引き上げていった。
赤茶髪っ子とショタっ子が前衛かと思ったら、4人全員が魔物が見えると魔法を
放ち、近づかれる前に片付けていた。
どう見ても過剰戦力、オーバーキルだろ。
そうして倒して消し炭になってない猪のような動物をエルフの少年が捌いて
調理している所を見て、明日は豚ステーキか、トンカツにするかと思っていると、
エルがどんよりとした空気を纏って帰って来た。
どうした? とヨシが声をかけると、
「今日から一週間以内にヨシさんを異世界に送り出しなさい、と上司に言われました、
ついでに私もこんなに長引かせた罰で一緒に異世界で反省して来いといわれました。」
「え‥‥そんな突然、スキルも決まってないのにどうすればいいんだよ。」
突然ってお前、約4年間も時間あっただろ、と思いつつも、
はぁ、うちのマスターは仕方ないなぁ、
という感じで、ヨシに合いそうそうなスキルのピックアップを始め、
できる魔道書さんはそれぞれの絶望を抱えたエルとヨシを冷たく光る水晶で見ながら
鎖をヨシの足に巻きつけるのだった。
次でちょっと早いけどやっと異世界転移する準備終わらせて一章終了の予定です!
やっと異世界転移しそうです、長かった!書いてる途中何度あく行けよっておもったことか。
でも幼女とだらだらおっさん書きたかったんれす‥‥。
しかし量少なかったので肉付けしてたら思った以上にヨシが情くイラットする
おっさんになってしまった、許してくださいなんでもしま(r
しっかし、梅雨も終わりこれから本格的な夏が来るそうで、
今でも暑いぃって言ってるのにどうなることやら。
皆様も夏の病にはお気をつけください、 でわ ノシ
暇つぶしぐらいの気持ちで生暖かい目で流し見てくださるとうれしいです!
誤字脱字等あったらどんどん教えてください~
今後ともよろしくお願いします~!
異世界に行った(転生した)ニートのお話 ~明日もきっと働くでしょう~
http://ncode.syosetu.com/n8551eb/
こちらも良かったら読んでみてください(/ω\)
どっちから入っても読めるようにもうしばらく似たような内容になってます!
ご意見感想お待ちしております!