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一話 マドノソトガワ


6時30分起床。


この日私は目覚ましを30分早くかけた。



制服に着替えた私は、階段を急いで降りて洗面所へ。



顔を洗って、髪をとかして、ブローをして、出来たら鏡の中の自分を確認。




前髪も真っ直ぐ整えなくちゃいけない。



リビングでは朝ご飯を作っているママと、新聞を読んでいるパパがいる。



私に気付いたパパは「菜々今日早いな〜」と声をかけてきた。




「ちょっと早起きしちゃった」



私とパパが少しの間テレビを見ていると、いつの間にかママのご飯が出来たみたい。




皆でご飯を食べ、ふと時計を見ると7時になりそうだった。



急がなくちゃいけない。



「行ってきます!」




食べ終わった私はお皿をさげ、鞄を持って玄関を飛び出した。



パパとママは顔を見合わせていたようだった。




急いで電車に飛び乗る。



中学生の時は一人で乗れなかった電車も、高校生にもなれば一人で乗れるようになる。



少しドキドキするんだけども。



少しスカートを上げたせいか、朝早いおじさん達の目が足にきてるような気もするけどもうすぐ着くから我慢しよう。



電車が止まった。



駅を出て、右へずっとずっと歩くと学校がある。今日は少しだけ早歩きで行こう。



学校に着いた。私のクラス、2-Aの教室は三階にある。小走りで階段を上ってく。




ドアを開けると数人のクラスメート達がこっちを向いた。




おはようと言ってくる女子達に笑顔で挨拶を返して、窓際の一番後ろの席に着く。



私だけの特等席。



深呼吸して、落ち着いてから窓の外を覗きこんだ。


ここ、三階のこの教室からはグラウンドがよく見える。



そこでは何人もの男子が一つのボールを追いかけ走り回っていた。


朝練をしているサッカー部の風景だった。




「ああ、直様!今日もなんて素敵なの....」



その中で一際目立った男の人、畑本直(はたもとなお)


サッカーが上手で、ピッチ(又はフィールド)の王子様と呼ばれるほどサッカーに長けた男の人。



女子の人気者で、中学の時からのファンも未だにいるくらいだった。




もう少し近くで見たいな。




コートの外側に女の子が数人いる。



あそこの女の子達は、きっと特等席では見られない直様を見ているんだろう。



応援してるのかな。いいよね、私も。



教室を出て階段を降りた。



サッカーコートの近くへ寄ってみたけど、全然入れる雰囲気じゃない。直様も見えない....



しばらく待っているとぞろぞろとこっちに来た。朝練が終わったよう。




「か、隠れなきゃ!」



私はすぐそばの柱の後ろに隠れた。



偶然、直が目の前を通ろうとしていた。



な、直様が、直様がすぐそこに...



「....しっかし、女共キャーキャーうるせー」



!!!????



ピシッと何かが崩れ落ちるような、そんな音がした。

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