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赤と沖縄

文化祭で見事に売り上げで一番になったアタシたちは、今飛行機に乗って沖縄に向かってる。

ジャンボジェットの2階にある席はアタシ達で貸しきってる、一番前ではお決まりとなったコテツのお喋り。

ツバサとコテツは別れたけど関係意外は何も変わってない、でもお互いに口を聞こうとはしない、6人でいる事があってもコテツとツバサの間には大きな壁がある、アタシ達はそれを気にしないように話てるけど、やっぱり違和感がある。


好きだから別れるそんな事ってあり得るの?アタシはこのままカイといれば凄く幸せになれる、でもそれじゃあアタシは人間と成長出来ない、それでもアタシはカイと別れる未来をまだ想像出来ずにいる。


「おいチカ、沖縄が見えて来たよ」


アタシがせっかく悩んでたのにカイは明るい声でアタシに話しかける、もうそうなったらアタシの思考はカイに占領される、アタシの悩みって本当にちっぽけだな。


「沖縄暑そうだな」

「サーフィン出来るかな?」

「ボードが無いだろ」

「ジョニーの友達とかいないの?」

「聞いたけどいないって」


それじゃあつまんない、暑いのにサーフィン出来ないじゃ意味ないよ。







アタシ達は沖縄に着くとホテルに荷物を送って自由行動、アタシ達はいつもの6人で海に向かった。


海はアタシ達の島よりも透き通ってる、確かに綺麗だけどボードも波もない、これじゃあただの海だよ。

海は寒くないかと気にするヒノリ、確かに東京は涼しいけど沖縄は暑いから大丈夫だと思う。

それよりもアタシが気になるのはヒノリの胸、何この大きさ、前に見た時よりもずっと大きくなってる。


「ち、チカ、そんなに胸ばっかり見ないでよ」

「うわぁ、ヒノノのおっぱい大きくなってる!」

バタン!


隣の男子更衣室から誰かが倒れる音がした、その後にカイとコテツのコガネと連呼する声、コガネはヒノリで変な想像しちゃったんだ、誰よりも見てるのに。

そしてその瞬間、ツバサの顔が危険な顔に変わった、何か良からぬ事を考えてる。


「こんなに大きかったらどんな感触なんだろぉ!?」


わざと隣に聞こえるように言ってる、ツバサはそのままヒノリの胸を鷲掴みにした。


「うわぁ!両手でも納まりきらないよ!」

「ちょ、ちょっと、つば、さ、やめな、さい」

「凄い柔らかい!気持良いなぁ!」


ツバサが暴走してる、そして隣の更衣室はかなり騒がしい、理性と戦う男達の音だ、ツバサの言葉一つ一つにも問題はあるけど、甘い声で反応するヒノリにも問題がある。


「僕の顔が埋まっちゃうよ!」

「つばさ、もうやめて、おおきく、なっちゃう」


その瞬間何かが壊れる大きな音が聞こえた。


「カイはぁぁぁぁん!」


カイに何があったの!?映画やドラマのワンシーンみたいなコテツの叫び、そして外から聞こえるカイの唸り声、多分理性の歯止めが利かなくなったんだ。


「男の子って簡単だね」

「ツバサ、覚えてなさいよ」

「僕おっぱい小さいから揉めないも〜ん」


そのまま下着姿のツバサはトイレに行った、その瞬間ヒノリが子供なら泡を吹いて気絶しそうな顔で笑う、これはあのヒノリなの?ってか人間ってこんな顔出来るの?

そんなアタシの不安をよそにヒノリはツバサの水着を自分のバッグに入れた、そしてヒノリのバッグから紺色の水着が、………スクール水着?何でヒノリがそんな物を持ってるの?

丁度ツバサがトイレから出てくると隅では悪魔ヒノリが笑ってる、そしてツバサは着替えようと水着を取り出す、ツバサは一瞬スクール水着を見て固まるが、何事も無かったかのように着始めた。

着替え終わると満面の笑みで私の腕にツバサの腕が絡まる。


「行こう、チカチカ、………ヒノノ」


ツバサのその勝ち誇った笑み、そしてヒノリは両膝と両手を着いて敗者と化した、怖い、女の戦い。


砂浜に行くとカイはうつ伏せに倒れてた、コガネは体育座りで黄昏てる、コテツがアタシ達に気付いて駆け寄って来た。


「皆はん水着似合ってるでぇ」


その瞬間遠くにいたコガネがゆっくりとヒノリを見た、ヒノリは笑顔で近寄るとコガネは目を反らす。

アタシは倒れてるカイの所に行き、カイに跨った、その瞬間カイは物凄い勢いで引っくり返り、アタシに覆い被さる形になる。


「チカぁ、人肌が恋しいよ」

「カイの変態!」


アタシはカイの下から殴り上げた。


「お兄ちゃん、僕なら良いよ」

「ツバサは却下!」

「何で?こんな可愛い格好してるのに」

「そういえば何でそんな格好してるんだよ?」


ツバサは再び勝者の笑顔でコガネと腕を組んでるヒノリを見た、ヒノリは唇を噛んで物凄い悔しそうな顔をする。


「チカ、何があったんだよ?」

「ヒノリの計算不足」

「違うよ、僕の可愛さの勝利だよ」


カイは理解出来てない、そして何故か辺りを見回してる、そっかぁ、コテツがいない。

アタシもコガネを探すと屋台を発見、誰がやってるかは人混みで分からないけど、関西弁のところから容易にコテツだって分かる。


「お兄ちゃん泳ごうよ」

「そうだな、チカはどうする?」

「サーフィンがしたい」

「出来ないよ、だから泳げ」

「アタシはまだいいよ、見てるから」

「寂しくなって泣くなよ?」

「泣かないよ!」


カイはアタシの頭を撫でて海に入って行った、サーフィンしたいよぉ、海に来たのに何で泳がなきゃいけないの?せっかく綺麗な海なんだからサーフィンしたい。


しばらく海をぼーっと見てたアタシの隣にコテツがいきなり座ってきた、コテツはアタシにお好み焼きを差し出す、お好み焼きの屋台やってたんだ。


「いやぁ、ボロ儲けやで、これは奢りや」

「ありがとう」

「海には入りまへんの?」

「サーフィン出来ないんだもん、それじゃあつまんないよ」

「カイはんはあんな楽しそうやで」

「アタシには関係ないよ」


コテツは糸目の目尻を少し下げた、アタシ何か変な事言ったかな?


「何かチカはん変わったんやな」

「何が?」

「今までならカイはんが楽しければチカはんも楽しそうやった、せやけど最近カイはんと違うところで楽しもうとしとるように見える、まるで一人で大丈夫って言っとるみたいやで」


確かにカイと違ったところで自分を見付けようとしてたけど、それが表に出てるとは思わなかった、しかもコテツは全部お見通しみたいだし。


「ほれ、カイはんが戻って来たで」

「コテツ、俺の女をナンパするなよ」

「あまりに可愛いんで声をかけずにいられなかったんや」

「俺のチカに手を出すなよ」


カイはアタシを抱き締めながらコテツを見た、濡れてるけど温かいカイの体、こういう時にアタシは小さな幸せを感じる。


「わいにも別けて――」


コテツは笑いながら海に視線をやった瞬間、いきなり走り出した、それを見てアタシもカイも海を見る、そこには明らかに溺れてるツバサがいた。


「コガネ!」


カイは走り出すと同時にコガネの名前を叫んだ、コガネはカイを見て異様な光景に驚き、海を見て立ち上がった。


「何でアイツに行かせるんだよ」


コガネはコテツの事を言ったんだ、コテツは誰よりも早くツバサの所に行った。

恐らく足が攣ったであろうツバサを抱き上げようとするけど、並程度しか泳げないコテツじゃ持ち上がらない、でもカイがたどり着きツバサを抱いて背泳ぎの状態になる、そして左右を支えるようにコテツとコガネ。

浜にいる人は心配しながらカイ達を見てる、ライフセーバーが気付いた時にはもうカイがツバサ抱いて浜に上がってた。


「ツバサ!おい、大丈夫か!?」

「カイ、ツバサ君水飲んでる」


カイは舌打ちをして人工呼吸をしようとするが、妹だからか女だからかは分からないけど躊躇って一瞬止まった。

その時、コテツがカイを突き飛ばしてツバサに人工呼吸をしはじめた、その光景にアタシ達は言葉をが出なくなった、カイも波打ち際で両手を後ろに着きながらコテツを見てる。

コテツはツバサの唇に自分の唇を合わせ、息を吹き込んで心臓マッサージをする。


「…………ゲホッ!ゲホッ!」


ツバサが水を吐いて息をしはじめた、それを確認するとコテツは立ち上がる、ツバサはうっすらと目を開けてコテツを見ると、コテツは悲しそうな顔でツバサを見下ろした。


「もう2度と助けん」


コテツはそのまま帰って行ってしまった、カイはそのままツバサを抱き上げて医務室に向う、取り残されたアタシとコガネとヒノリはうつ向くしか無かった。


「アイツ、本当にツバサ君の事が好きなんだな、アイツツバサ君抱えて泳いでる時に泣いてた、水に濡れてて分からなかったと思うけど、アイツの目からは確かに涙が出てた。

それにカイでも躊躇ったのにアイツは何の躊躇もなくしやがる、本当にスゲェよ」




その後の沖縄旅行は何事も無く終わった、ツバサが溺れた時の事が衝撃的過ぎてそう思えただけかもしらない。

そして何も変わらないコテツとツバサ、怖いくらいに関わろうとしない、それが良いのか悪いのかアタシには分からない。

でもコテツがまだツバサの事を好きだってのは分かった、そして、ツバサを捨ててでもコテツが選んだ今の彼女、多分カイのアタシに対する愛より深いかもしれない。






カイ、アタシはカイがツバサに人工呼吸をしようとした時、たまらなく嫌だった、親友の命よりも自分の彼氏が他の女と、しかも妹と唇を合わせるのすら拒否した、薄情だよね。

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