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無色のカナコ1

番外編です、本作とはちょっとちがった感じになってますので、読み飛ばしていただいても話は繋がります。


アオミの新たな一面も見れるので、そこら辺も楽しみしにして下さい。

私の高校生活はマミコとの素晴らしい出会いで始まった、それだけじゃない、最初は怖かったアオミもマミコのお陰で友達になった、私の見てる未来は輝いてて、楽しいことばっかりと信じてた、そう、笑った分泣いた青春、それが私の3年間。


私は中学生の時には恋なんてしなかった、だから高校では恋多き乙女になるべく、毎日女に磨きをかけた。

当然体も心も乙女な私は近くに美人が二人もいたお陰で、男の子から注目を集めた。


私の最初の恋?は先輩、カッコイイ先輩に一目惚れして1週間で告白、しかも応えはOKだって!私の初恋は難なく成就した。


初デートはアオミとマミコにアドバイスを貰って、今私に出来る最大級のオシャレをして行った。


最初に行ったのはなんと紗早屋、なんという奇跡、私の一番大好きなケーキ屋さんをチョイスするなんて、相性バッチリとか?


「俺はクリームチーズケーキが好きなんだけど、カナコちゃんは何が好き?」

「私もクリームチーズケーキが大好きです!」

「何か嬉しいな」


彼は笑ってくれた、最高にカッコイイその笑顔にドキドキしっぱなし、爽やかだしこんなに幸せで良いのかな?

私達は意外に共通点が多く、会話は盛り上がった、その時はまだまだ幸せ、その時までは……………。



何も知らない私はすんなりと彼の家に上がった、彼の家に親はいないと聞いて、親にバレないで済むと思う馬鹿な私。

私は床に座ると、隣に彼が座ってきた、家に二人だけという不安よりも、彼が家に上げてくれたという喜びが強かった。


「カナコちゃん、俺カナコちゃんに告られた時本当に嬉しかったんだよ、3ヶ月も前から好きだったんだから」

「本当ですか?」

「コレって運命だと思うんだ」

「運命?」

「そう、運命………」


その瞬間、彼の顔が近付き初めてのキスをされた、でも私は全てに酔っていて喜びしかそこにはない、その長いキスにも不思議と不安は無かった。

段々脳が麻痺して正常に物事が考えられなくなってきた時、私の胸に彼の手が触れた。


「大丈夫、大丈夫だから」


何が大丈夫だか分からないけど、私は完全に彼に身を預けた。

彼は慣れた手つきで私の服を脱がせる、私は好きという理由だけで全てを彼に任せた。


彼の手つきは私を悦ばせるには十分だった、自分でも触った事無いようなところを触られ、私の体はみるみるうちにホテっていく。


「カナコちゃんだけじゃなくて、俺のも頼むよ」


‘彼’は私の前にいる、全く知識が無い私は首を傾げると、頭を持って無理矢理押し付けられた、最初は嫌がったけど、彼に嫌われるのが嫌で口に含んだ。

気持悪いって気持ちも彼のためならと押し殺し、彼の期待に応えるように必死に頑張った。

彼は私の頭を持ち、押さえ付けると生暖かいモノが口の中に広がり、慌てて吐き出すと、彼は怒りの表情に顔を歪めた。


「ご、ごめんなさい」

「良いよ、初めてなんだから」


そう言うと彼は私の股に押し付けてきた、今度は嫌われないように痛みを必死に我慢して、‘彼’を受け入れたけど、あまりの痛みで涙が出てきた、それでも彼は辞めない、私は彼に好かれたいあまりに全てを我慢して、彼を悦ばせた。


「中に良い?」


私は自分の耳を疑った、その意味を知らないわけがない、どうなるかも知ってる。

でも、その低い声に首を横には振れず、縦に振るしかなかった。

彼は耳元で『愛してるよ』と一言言って、私の中で果てた、お腹の辺りは熱いモノで満たされる、私は愛で満たされてるのと勘違いして、最高に幸せだった。


その日は彼の両親が帰って来るから早く帰った、急いで履いた下着は乙女じゃなくなった血と彼の痕で汚される。

家に帰ってすぐに着替えると、下着の生々しさであの痛みを思い出した、最初は痛いらしい、だから次は気持良くなれるはず、だって彼はあれだけ愛してくれたんだから。




昨日の事を早くアオミとマミコに報告しなきゃ、私はあんなに愛されたんだから、また喜んでくれるよね?


昼休み、いつもの校庭の隅に集まった時に昨日の事を言った、でもマミコの顔は曇ってるし、アオミの顔は本当に怖い、何で?


「カナコ、その彼氏ココに呼びなさい」

「何で?品定?」

「良いから早く呼びなさい!」


アオミが大きな声を張り上げたのは初めて、それが何を指すのかは分からないけど、今はアオミの言う通りにした方が良さそう。

それにアオミだって実物を見れば応援してくれるよ、毒舌だけど最後は笑ってくれたもん、今度も笑ってくれるよ。


彼はアオミが呼んでるって伝えたらあっという間に来てくれた、昨日の事もあるから彼は爽やかな笑顔。


「アオミ、これが私の彼で――――」

「カナコと別れて」


アオミは私を無視して彼を睨んだ、でも何で彼と私が別れなきゃいけないの?いくらアオミでもそれは許せない。


「アオミ!意味が分かんない、何で別れなきゃいけないの!?」

「そうだよ、四色さん、俺はカナコちゃんの事を本気で好きなんだよ」

「私に嘘が通じると思ってるの?女で遊びたいなら風俗でも行きなさいよ、カナコはあんたが知る通り馬鹿よ、だからカナコからは手を引いて、カナコがぼろ雑巾になる前に」


アオミの目から涙が流れた、でもおかしいよ、何でアオミにそんなに反対されなきゃいけないの?私はこんなに幸せなのに。


「分かったよ、カナコと別れる」

「えっ?何で?」

「その代わり、今度は四色さんが相手してくれる?」


おかしい、何かがおかしい、私と彼が別れてアオミは彼の相手?何が何だか分からない。


「あなたみたいな浅はかな生き物、死んでも相手したくない」

「………んだと?下手に出てればいい気になりやがって!」


彼は右手を振り上げた、アオミが殴られちゃう、でも私の混乱した頭じゃ次の動作に移る程の思考がない。

目を瞑ったアオミの頬は彼によって叩かれ……………ない?私達3人は彼の腕が誰かに掴まれてる、彼の後ろからは樹々下君が少し困ったような笑顔で顔を出した。


「何か穏やかじゃないねぇ?どうしたのぉ?」


私達が答える前に彼が樹々下君の腕をふりほどいた、樹々下君の隣にはサッカー部の林君がいる。


「君達には関係無いだろ」

「そうだけどさぁ、俺のお友達が泣いてるのに放って置けないよぉ、それにさぁ……………、女の子に手を出す野郎を見過ごせるわけないだろ」


樹々下君が怒った顔を初めて見た、いつもヘラヘラして力が抜けた感じなのに、今は低い声で威圧してる。


「樹々下、その人女遊びで有名な先輩だぞ」


女遊び?でも彼は私の事を好きって言ってくれた、私の事は好きなはず。


「確か5組の坂下も、2組の下柳も、うちのクラスの二見もやられたらしいよ」

「チッ、一年のクセに生意気だな、調子乗るんじゃねえぞ」


彼は樹々下君と林君を突き飛ばして去って行った、私はまだ理解出来ないけど、フラれたって事だけは分かる。

でも、何で私がフラれなきゃいけないの?彼はあんなに好きだったのに、おかしいよ。


バチン!!


整理がつかない私の頬をアオミが思いっきり叩いた、私を含め全員が理解出来てない。


「何で?」

「何でじゃないわよ!あんたあの男に遊ばれたのよ、初めてのデートでヤるわけないじゃない、あの男はあんたの体目的で近寄ったのよ!」

「でも、好きって言ってくれたよ?愛してるって言ってくれたよ?」

「嘘に決まってるでしょ!本当に好きだったら避妊だってする、何も知らないあんたをアイツは玩具としか見てないのよ!」


私の目からは熱いモノが流れ落ちた、それはアオミも同じ、段々アオミの言ってる事が理解出来たけど、まだ信じたくない。


「まだ分からないの?あの男はカナコの事を好きじゃないのよ、ただヤれると思って近付いたのも分からないの?」

「でも彼は紗早屋のクリームチーズケーキが好きなんだよ」

「それが何なのかは知らないけど、カナコのケーキ好きは有名だから、誰かに聞いて合わせたんでしょ?用意周到なゲスね」


嘘だよ、そんなの嘘だよ、だって、彼はあんなに優しいのに、信じたくない、私そんな初恋嫌だよ。


「大丈夫だよ、カナコなら彼氏もすぐに出来るよ」

「でも、でも、私、まだ好きだし………」

「それならコレなんかどう?」


アオミは樹々下君の隣にいた林君を私の前に差し出した、後ろの方にいたから分かんなかったけど、近くで見たら超イケメンじゃん。

彼よりも優しそうだし、笑顔も素敵だし、何よりその整った顔。


「付き合って下さい」

「早いでしょ?それに俺、好きな人いるし」

「残念だったわね」

「アオミちゃんもカナコちゃんも近場で済まそうとしないでよ、それにカナコちゃんも立ち直り早すぎ」


確かに初恋の失恋のショックは大きかった、でもアオミとマミコがそばにいたから、私はメイクを涙で崩しながら笑えた。

そしてちゃっかりアオミのせいで失恋2回目、この頃から始まったのかもしれない、私の馬鹿みたいに惚れやすい性格が始まったのは。






アオミ、それにマミコ、私汚れちゃったよね?でもね、二人がいたから笑ってられるんだよ、一人だったら馬鹿で楽天家な私でも、立ち直れなかった。

つまらなかった方には申し訳ないんですが、3まで続きます、そしてもっと生めかしくなるので、苦手な方は控えて下さい。

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