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黄と海

わいらは大会が終わり、湘南の海に遊びに行った、カイはんとチカはんは色々と用事があって帰ったらしい、理由が理由や、しゃあないけど、残されたコガネはんやツバサ、ヒノリはんが可哀想やな。

サッカー部は最後のPKまで行ったんやけど、最後の最後でカイはんの代わりがミスったらしい、バレー部は当然の如く惨敗や、わい?わいは当然優勝、同じ条件で試合して高校生相手に負けるわけないやろ。


やっぱり湘南の海は人だらけや、ホンマによくココまで集まるなぁ、わいらもその内の一人なんやけどな。

わいとコガネはんは場所取り、ツバサとヒノリはんは着替えに行っとる。


「人多いな」

「当たり前やろ、海言うたら湘南か久里浜や」

「チッ、人がうぜー」


わいにはコガネはんの人嫌いの理由が分からん、皆別々で楽しいと思うんやけどな、まぁコガネはんの人嫌いは並やないからな、しょうがない。


「コテツ!コガネん!」


振り向くと後ろには水着姿のツバサとヒノリはんが、とりあえず凄い、凄いのはツバサやないで、当然ヒノリはんや。

ツバサはピンクの花柄タンキニ、確かにツバサらしいっちゃあツバサらしいな。

問題はヒノリはんや、コガネはんが顔を真っ赤にしてフリーズしとる、ヒノリはんの水着は真っ黒なビキニ、胸が大きいからそれだけで様になる、わいやコガネはんを始め男の目が釘付けや。


「どう?」

「そりゃヤバいで、ヒノリはん」

「そう?」

「そうやで、ホンマに高校生か?ちゅうくらい綺麗や」

「僕は!?」

「めちゃめちゃ可愛いで」

「綺麗って言ってよぉ」

「ツバサは綺麗には程遠い」


ツバサは顔を膨らましながら、自分の水着とヒノリはんの水着見比べてる、完璧にツバサの負けやで、水着はスタイル重視やろ?

それにしても、コガネはんは何時までフリーズしとるんやろ?放って置いたらこのまま日が暮れるんとちゃう?


「コガネはん!起きろ」

「ん?あ、あぁ」

「どう?コガネ」

「い、良いと思うよ」

「本当?」


コガネはんは耳まで真っ赤にしながら頷いた、ヒノリはんは満面の笑みになりながら、コガネはんに近寄り、コガネはんの腕を抱いた。

ツバサはわいの後ろから覆い被さった、小さくても胸って柔らかいんやな、とか思ってみたりする。


「五百蔵先輩!」


遠くから近寄るチビ3人組、リコはんにハルキはんにユウキはんや、ホンマにユウキはんが馴染んどるな。

リコはんはハイビスカス柄のワイヤーブラのビキニ、ハルキはんはオレンジ色のビキニに下はパレオ。

こっちの問題はユウキはんや、普通のハーフパンツの水着に上はTシャツ、問題はそこやない、ヘアピンで留めた前髪や、前髪を上げたユウキはんが1年の頃のチカはんにそっくりや。

ユウキはんを見たわいらは完璧に固まった、ヒノリはんのビキニよりも衝撃映像や。


「みんなどうしたんですか?」

「多分皆はんわいと同じ事考えとると思うんやけど」

「僕は分かるよ、何を考えてるか」

「俺もそれしか見当が付かない」

「……………私も」


チビ3人組は全く理解出来てない、でもこの似方は犯罪レベルやで、カイはんが見たら襲うんとちゃう?

ツバサは昔の写真を持ってきて比べとる、わいやコガネはん、ヒノリはんからハルキはんリコはんに至るまでが見比べる。


「凄い、チビちゃんだ……」

「こりゃ奇跡だな」

「な、なんだよ?教えてよ」

「コレだよ」


ツバサが昔撮った写真をユウキはんに渡した、ユウキはんはそれを見ると、口を大きく開けて写真を食い入るように見てる。


「これ、潤間さん?」

「そうだよ、チカチカの1年生の頃」

「ユウキさんにそっくりでしょ?」

「カイはんにも見せたいなぁ」

「チカちゃんに似てる奴見てカイが平静を保ってられるかね?」

「あのクソ、ユウに手を出してみろ、ぶっ殺してやる」

「ハルキ、女の子なんだからもうちょっと言葉遣い考えようよ、それに四色先輩はそんなことしないって」


分からんで、部屋で二人だけになったら襲うな、カイはんの仮面の下の性欲は半端なもんや無いで、カイはん観察してると衝動抑えてるのが丸わかりや、特にチカはんが甘えた時とかはかなりヤバいらしいで。

ツバサは携帯のカメラでユウキはんの事を撮ってる、ホンマにユウキはんは男か?流石に男子高校生にしては可愛すぎやろ、妹のハルキはんより女やないか。


「そういえば昼からビーチバレー大会やるらしいっすよ」

「ハルちゃんそれ本当!?」

「はい、さっきチラシ見ましたし」

「ヒノノ出ようよ、負けっぱなしじゃつまんないよ」

「別に良いけど…………」


ヒノリはんはコガネはんの顔を見た、わいとコガネはんはお互いの顔を見る、まぁ観戦者っちゅうのも乙やけど、出るのもええかもな。


「じゃあわいとコガネはんで、ええよなコガネはん?」

「俺は構わない」

「じゃあ私とリコも出るぞ!」

「僕は?」

「ユウはバレー下手くそだろ」

「僕も出たいなぁ」

「じゃあ良いよ、チビちゃん私の代わりに出て」


ユウキはんの顔は明るくなる、あかん、一度チカはんに見えたら、丸っきりチカはんにしか見えへん。



午前中は海に入りながら暇つぶしをした、午後のビーチバレーに備えてやな。

ユウキはんはハルキはんのスパルタを受け取ったけど、あまりの下手さにハルキはんが放棄しよった。

ユウキはんは凹みながらもバレーボールでリフティングしとる、リフティングの方はありえへんくらい上手い。


「ユウちゃん凄いね」

「手よりも上手くボールを使えとるんとちゃう?」

「お兄ちゃんよりも上手だよ」


ちゅう事はコガネはんよりも上手っちゅう事か、ホンマにあれ足で上げとるんか?って思うくらいや。


「ユウ!テメェバレーボールを蹴ってんじゃねぇよ!」

「ご、ゴメン」


まぁ確かにバレーボールは蹴るもんとちゃうからな、ユウキはんがハルキはんにバレーボールを蹴り返すと、空かさずそのボールをハルキはんがアタックした、アタックしたボールをユウキはんがヒールで上げて蹴り返す。

そのやり取りが暫く続いて思った、ユウキはんって手でバレーするよりも足でした方が上手いんとちゃう?


「だから蹴るな!」

「だって蹴らなきゃ何処に行くか分からないんだもん」

「バレーボールは蹴るもんじゃねぇんだよ!殴るもんだ!」


それもちゃうと思うんやけど、しかも完璧二人の性別が逆転して見えるのはわいだけやないと思う。

ハルキはんの女とは思えないような暴言や、ユウキはんの男とは思えないような弱々しさ、完璧逆やな。


「二人共終わり、もう始まるわよ」

「止めないで下さいよボイン先輩」


ハルキはんの怖いもの知らずも天下逸品やな、ヒノリはんにボイン先輩やって、誰も怖くて言えないような事を言ったで。


「そんなに私の胸が好きなの?ホレホレ」

「うわ!……や、やめ、……死ぬ!」


ヒノリはんは自分の胸にハルキはんの顔を押し付けとる、天国やな、むしろ犯罪やな、男の視線を独り占めやんか。

後ろにいたコガネはんは鼻を押さえて座りこんどるし、リコはんは笑っとる、こっちも怖いもの知らずや。


「今年の1年はチャレンジャーばっかりやな」

「楽しくて良いじゃん、僕は楽しくて好きだよ」


なんか全員がツバサみたいなノリやな、ヒノリはんの胸に埋めるのも、コガネはん笑うのも全部ツバサがやってたような気がする。


「ほらコガネはん、一回戦はわいらやで」

「あ、あぁ」


わいは先にコートに行くと、水で顔を洗って来たコガネはんがコートに立った。

わいらの相手は……………、何か明らかにビーチバレーやってます見たいなお人なんやけど、真っ黒な体にサングラス、ブーメランパンツ。


「負けやな」

「やってみるまでは分からないだろ?」

「いつになく燃えてるんやな」

「当たり前だ、ヒノ達にリベンジのチャンスだろ?」


そういえば1年の頃負けたんや、接戦やったんやけどやっぱり経験者には勝てんかった、そやさかい今回は勝ちたいな。


「しゃあない、意地でも勝つで!」

「当然だ」




試合は終わってみれば負けや、最後の最後まで粘ったんやけど、やっぱり経験者には勝てん。

ちゅうか普通に考えて無理やろ、ぼろ負けしなかっただけでも奇跡や。


「負けや負け!」

「コテツは頑張ったよ、ただ相手が強すぎただけ」

「絶対に勝てた」

「負け惜しみ」

「う、うるさいヒノ!」


確かにヒノリはんの言う通りやな、負けは負けや。

それよりも今やっとるユウキはんとハルキはんの試合や、相手のサーブをレシーブするハルキはん、そのボールをやっぱり足で上げるユウキはん、最後にハルキはんのありえへんジャンプ力からのアタック、ぼちぼちええ感じの試合や。

それにしてもハルキはんのジャンプ力半端やないな、鳥人間や。



確かにハルキはんとユウキはんは頑張ったんやけど、小さいしユウキはんが素人やさかい、ミスが目立って負けた。

相手は大人の男やから負けて当たり前やけど、ハルキはんはありえへんくらい悔しがってる。


「ユウ!テメェがいけねぇんだぞ!」

「クリコでも勝てなかったよ」

「うるせぇ!全部ユウのせいだ!」

「僕達ちっちゃいから無理なんだよ」

「私は小さくない!」


二人の無茶苦茶なコントはおもろいな、完璧にユウキはんの言い分が正しいのに、ハルキはんの威圧感がそれを無に帰す。


「ハルキさん、私とツバサが勝って来るから、ユウキさんをいじめないで」


ハルキはんは渋々ユウキはんを虐めるのを辞め、砂浜に腰を下ろした、コートではツバサが跳び跳ねながらヒノリはんを呼んでる。

ツバサとヒノリはんの相手は、またもやいかにもビーチバレー選手っちゅう人、もしかしてわいら場違いだったんとちゃう?


相手のかなり速いサーブをヒノリはんが受けるが、男子のサーブがまともに返るはずが無く大きく逸れた。

でもツバサがギリギリのところで追い付くと、アンダーでトスを上げる、それが上手い具合に上がりヒノリはんのアタック、丁度隅を突いたアタックは見事に決まった。






確かに頑張ったんやけど女子高生が大人相手に勝てる訳が無い、結果は負けや、ツバサはめちゃめちゃ悔しがっとるけど、それが当たり前や、ヒノリはんは当然の結果っちゅう顔をしとる。

わいら海に来るとビーチバレーばっかりやっとるな、楽しいからええんやけど、あんまり海で遊んだ記憶があらへん、普通にキャイキャイ騒ぎたいキモチもあるんやけどな。






ツバサ、来年こそは一緒に来よう、笑って来年の夏もバレーしたいな、二人だけでやで。

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