翠と雷雨
体育の授業って損だよな、何でわざわざ天気に合わせなきゃいけないんだ、生徒達だって体育が無くなって喜ぶのはほんの一握りなのに。
11時くらいから降ってる雨のせいで6時間目の体育の授業は見事に潰れた、体育館は他のクラスが使っているために2年の体育は教室で自習と化した。
当然の事ながら自習してる生徒は皆無に等しい、イヤホンを付けて寝てる生徒、集まって騒いでる生徒、マンガを読んでる生徒、携帯をいじってる生徒、私はどれも注意はしない、どうせ言ってもやらないだろ?
「ミドリちゃん、ミドリちゃん、隣は潤間先生の授業だよ、気になる?」
臨海学校以来、私とコウは付き合ってるという噂が学校中に広まった、実際は付き合ってはいないが、部活の事で話てるだけで騒ぐ女子生徒達、まぁ女子高生にとっては先生と先生が恋してるなんて最高に面白いんだろうな。
「気にはならないだろ」
「何でぇ?好きなんでしょ?」
それはまだ分からない、本当に好きなのかどうなのかは、でも嫌いなタイプという事だけは分かる。
「良いよねミドリちゃん、私も狙ってたんだよ潤間先生の事」
「だから付き合ってない」
「でも好きなんでしょ?」
「自己チューな人間は嫌いだ」
「でもさぁ、あんなかっこいいなら振り回されても良いって感じだよね?」
「ねぇ、もう好きにして、って感じ」
確かに顔だけは良いと思う、でも肝心な性格があれだとね、面食いでもない限りそうそう寄り付かないよ。
まぁ多少釣られそうになってる私が言っても説得力が無いけど。
「妹さんはミドリちゃんのクラスだよね?」
「まぁね」
「しかもあの四色さんの彼氏、妹さんもかなりの美人、なんか未知の世界」
コウはしょっちゅう四色の事でイライラしてるけどな、恨み半分の信頼半分って感じかな、四色と一緒にいれば潤間は絶対に安全だし、教師の私から見ても四色は良い男だ、コウにも見習ってほしいくらいに。
「しかも生徒会役員が全員そろってるんだって」
「あの過去最強との呼び声も高いあの生徒会役員が全員も!?」
この学校の校風的に生徒会には美男美女が集まる、その厄介者達をわざわざ一つのクラスにまとめたのが私、内心後悔してる、あの四色の頭と烏丸の行動力が合わさると無敵の何者でもない、担任を持つのがこんなにキツイ事だとは思わなかった。
「夢のクラスだよね」
「私はやっぱり五百蔵さんかな、クールだしハーフで凄い綺麗な顔してるんだもん」
「五百蔵さんって怖くない?私は烏丸さんだな、私が転んで膝を擦り剥いた時に抱きかかえて保健室まで運んでくれたんだよ、チョー優しいよ」
多分五百蔵はシャイで話せないだけだな、烏丸は半分優しさで半分はイメージ作りだろ、なんでアイツらはどんな事でもプラスになるんだ、男子からしたら羨ましい限りだな。
何かさっきから隣のクラスが騒がしいな、コウの授業にしては珍しい。
ガラガラ!
前の入口が勢いよく開いた、そこには隣のクラスの生徒が泣きそうな顔で立ってる。
「み、ミドリちゃん!潤間先生が!」
「こ………、潤間先生がどうした?」
「た、倒れたんです」
私は勢いよく立ち上がって教室を出た、ギャラリーが出てきたけど私が一喝すると渋々教室に戻った。
隣の教室は騒がしく教壇の周りには生徒が集まってる、私は掻き分けて中心に行くとコウが倒れてた。
内心泣きそうだったけど生徒の前では平静を装った。
「全員席に座れ!代理の先生が来るまで大人しくしてろ!」
生徒達はグチりながらも席に着いた。
私は騒ぎを聞き付けた男の先生と一緒にコウを保健室に運んだ、コウを一緒に運んだ先生は生徒を抑えに教室に向かった。
コウは疲労で倒れただけらしい、保健の先生はそのまま出張とのことでいなくなった、この保健室にいるのは私とコウだけ。
私のクラスの帰りのホームルームは他の先生が請け負ってくれた、誰もいない保健室で私は涙を必死に堪えてた。
多分コウの疲労は顧問と慣れない生活からだ、コウは男だからという理由で色々と部活の事をやってくれる、私はそんなコウに甘えて任せてるけど、それがいけなかったんだ。
でも何でこんなにコウの事心配してるんだろ、部活の事押し付けたから?それならコウは『ミドリは関係ない、俺がやりたくてやった事だ』とか言いそうだし。
コウの寝顔?可愛いな、いつもの冷たい感じとは違って暖かそう、写メっとこ。
パシャッ
また私の宝物が増えた、待ち受けにしようかどうしようか迷ったけど辞めた、メールの受信画面にはしたけど。
「う、うぅん」
コウの顔がムズムズと動き出して目を開いた、フラフラしながら頭を押さえて上半身だけ起こし、私の顔を見てまた冷めた目をする。
「何してるんだ?」
「コウが倒れたから私が看病してたの」
「そんなの木田先生に任せろ」
木田先生は保健室の先生の事。
「出張だって、誰もいないのは可哀想だから私が看病してやったんだ、感謝しろ」
コウは鼻で笑うとベッドから降りようとした、でも体がダルいらしく動くスピードが遅い、私はコウを無理矢理ベッドに押し付けるた。
「疲労で倒れたんだから大人しくしろ」
「仕事が残ってるんだよ」
「それなら明日から私が付き合うから、今日は休め」
「チッ、しょうがねぇな」
コウはゆっくりと仰向けになった、本来なら生徒がうるさいはずなんだけど今日は雷雨で早く帰らせたから、校内はいやに静まりかえってる、先生達も早めに帰ってるし、静かな学校も良いかも。
「何か静かだな」
「生徒も先生も雷雨で帰った、もう暗くなったし私達も帰るぞ」
そう言って外を見ると地面が軽く水に覆われてた、洪水になったら帰れない、でもコウは動けないし、私は車運転出来ないし、どうしよう。
「ってか今何時?」
「え〜と、5時過ぎたくらいかな」
コウはふ〜んと言って目を瞑った、寝るな、私が帰れないだろ、誰のせいでこんな時間まで学校に残ってると思ってんだ、でもこんな事本人に言っても『帰れば良かっただろ』とか言われるだけ、雨が降った時からコウの車に乗って帰る予定だから帰るに帰れないんだよ。
「体動くから帰るか?」
「遅い、どれだけ待ったと思ってんだ」
「帰れば良かっただろ………」
やっぱり、何でコイツは憎まれ口しか言えないんだよ、だから彼女が出来ないんだ(勝手な憶測)。
「…………何てな、待たせて悪かったな」
あれ?何だか素直だ、コウの素直発言は初めて聞くかも、それだけコウって生き物は最低なんだ、コウが紳士なら申し分無いんだけどな。
職員室の前に着いて職員室に入ろうとした時、コウはドアに手をかけたまま動かない、何してんだよ使えない。
「おい、みんな早く帰ったって言ったよな?」
「言った、それがどうかしたか?」
「俺の考えが間違ってなきゃ多分俺らは閉じ込められた」
「えっ!?」
「職員室の鍵が閉まってる、携帯も車のキーも全部職員室だ、たとえ電話したところで誰も来ないぞ」
最悪だ、私は食堂の戸締まりの当番だから今日は食堂の鍵を持ち歩いてたけど、それいがいは持ってない、ってか食堂の鍵だけあっても何の役にも立たない。
「ミドリがちんたら看病してるからこんな事になったんだぞ」
「それが看病してくれた恩人に言うセリフか!?感謝の一つでもしろ!」
「感謝してほしければ完璧にこなせ」
コイツはどこまで自己チューなんだ、窓から抜け出せるけどそれじゃあびしょびしょで帰る羽目に、コイツは女一人すら守れないダメ男だな。
「とりあえず今使えるのは保健室だけだな」
「食堂の鍵もあるぞ」
「本当か!?ミドリにしては使えるな!食料は確保だ」
コウは私の頭をクシャクシャにして保健室に向かった、何だか馬鹿にされたみたいだけど嬉しい、コウは人を浮き沈みさせるのが得意らしい、ムカつくけど私はその得意技の絶好のカモ。
私がコウの後ろを追って保健室に入るとコウはパソコンを勝手にいじってる、ここのパソコンは木田先生なのに……、自己チューだ。
「何してるんだよ?」
「チカにメールだ」
「妹には優しいんだな」
「ミドリも優しくしてほしいのか?」
「どうせ言ってもしないだろ」
私が挑発するとコウは口角を上げて立ち上がった、コウはゆっくり近寄ってくると私を抱き寄せた、コウに初めて包まれた感覚は暖かい、コウも暖かいんだ、と当然の事を思ってみたりする。
「俺が守るから、安心しろ、俺の優しさはミドリだけのモノだ」
私の顔がみるみる内に熱くなる、普段のコウからは想像出来ないほど優しい口調とセリフ、でもいつもよりも妖しく艶をおびてる、私の体はコウの一部になったかのような錯覚すら覚えた。
コウはゆっくり私を離すといつもの笑顔に戻る。
「何本気にしてるんだ、ミドリがやってみろって言ったんだろ」
「……………最っ低!」
バチン!
私はコウの頬を叩いて保健室を出ようとしたけど、コウに後ろ手を掴まれてそのままベッドに押し倒された。
私はビックリしてコウの顔を見てると、コウはベッドの隣に椅子を置いて座った。
「別に帰るのは良いけどこのままじゃ俺が悪者のままだろ」
「悪者じゃないのか?」
「ミドリがやってみろって言ったんだろ」
「やれって言われたら誰でもやるんだ」
「誰でもなわけ無いだろ………」
その言葉に不覚ながらドキドキした、私の妄想急速に膨らみ次に出る言葉を予想した。
「ミドリだからだよ」
そんな事言うはずが無いから却下だな、じゃあ。
「ブスにはしない」
これはあり得る、男としては言っちゃいけないけど、コウならあり得る、優しさの欠片も無い男だからな。
他にあるとしたら。
「生徒にはしないだろ」
これもあり得る、でも最初以外なんだろうな、多分、コウも男だし耳元で好きって囁くくらい社交辞令だよな。それじゃあ本当はなんなの?
「ミドリだからだよ………」
「えっ?」
凄い、嘘、コウからこんな言葉が聞けるなんて。
「ブスはあり得ないだろ、生徒もだな」
そういう事、答えは全部なんだ、ある意味期待を裏切らない男だな。
でも未だに頭の中で最初の言葉が鳴り響いてる、本意は違うにせよ嬉しかった、私には他の言葉は無くなって『ミドリだからだよ』だけが記憶に深く刻まれた。
「何顔を真っ赤にしてるんだよ」
「うるせぇ」
「もしかしてドキドキしてるのか?ガキじゃあるまいし」
「いけないのかよ!?」
「別に良いんじゃない」
クソ、また予想外の反応だ、何か今日のコウは調子が狂う、いつもみたいに軽くあしらってくれれば私もドキドキしないのに。
ってか私はいつまでベッドで横になってるんだろ、本当はコウを寝かせとかなきゃいけないのに。
私はゆっくり起き上がるとコウは立ち上がりパソコンの方に向かう、だからそのパソコンは木田先生のだって、いくら同じ教師でもパソコンだけはダメだろ、それを言って分かるような男じゃないんだろうけどな。
「何してるんだ?」
「メールチェック」
「そんなに妹が好きなら縛り付けとけよ」
「誰がチカって言った」
「えっ?」
私はベッドから降りてパソコンを覗き込むとそこにはビッシリと英語が、そっかぁ、コウは仮にも英語の教師なんだよな。
「フッ」
うわぁ、英語読みながら笑ってるよ、しかも目の動きが速い、これはもう私達が日本語を読むような感じなんだ、少し羨ましい。
コウは返信メールを打ってる、物凄い速いブラインドタッチで英文を打ち込む、私は日本語ですらそんなに速く打てないのに。
「誰にメール送ってるんだ?」
「留学してる奴だ」
私は宛先を見て後悔した、宛先には‘裕美’と書いてある、そうだよな、コウはこんだけかっこいいんだから彼女の一人や二人、性格悪くても許せる何かを持ってる不思議な奴、私は何決めつけてたんだろ。
「何年くらい行ってるの?」
「大学卒業からだからもう4年近くになるかな、向こうで就職するらしいけど」
「じゃあコウはどうするんだ?」
「どうするって?」
「彼女なんだろ?」
コウは腹を抱えて笑い始めた、机を思いっきり叩きながら目に涙を浮かべてる、所々で『死ぬ死ぬ』とか言ってるし、そのまま死ね。
「ハァハァ、馬鹿だろ」
「何がだ、こんなわざわざ外国に行ってもこうやってメールするくらいだから、それなりの仲なんだろ?」
「このメールの始まりはネイティブな文法が知りたかったからだ、コイツが留学するって言ったから最初は論文みたいな感じでメールしてたんだけど、今は俺の英語のチェックも兼ねてメールしてる。
それにもし彼女だったらこんなメール送るか?」
コウはコウが送信してメールを見せてくれた、へぇ、こんなメール送ってたんだぁ…………。
「読めない」
「だろうな、読めたら英語の教師になれるぞ、まぁ俗語とか向こうの言い回しとか色々使ってるから普通の英語教師でも読めないけど。
今は前話した馬鹿な先輩教師のせいで学校に閉じ込められてる、大雨だし帰るに帰れないからこの教師の世話ついでに泊まる事にした、みたいな事が書いてる」
馬鹿な先輩教師?しかも前に話したってどんな事書いたんだろ、コウが書く事だからろくな事書いてないんだろうけど。
「メール来たぞ」
「本当だ」
コウはメールを開いて読んでる、私には何が書いてあるかは分からない、英語なんて中学生レベルだし、自分でも何で教師になれたのかが疑問なくらい体育以外は馬鹿。
「あのクソが!」
コウは顔を真っ赤にしながらパソコンの画面を消して強制終了、だからそれは木田先生のパソコン、ただでさえ借り物(無断で)なんだから丁寧に使えよ。
「何が書いてあったんだ?」
「別に、何でもない」
コウは顔を真っ赤にしながらベッドに横になった、そして思い立ったかのように飛び起きる。
「飯だ、飯食うぞ、鍵よこせ」
私はコウに鍵を手渡すと奪うように取って保健室を出た、もしかしてこれってコウの手料理作ってくれるのかな?なんか手先が器用そうだし、料理なんてお手の物とか?
キッチンに立つ男の人の姿って想像するだけでかっこいいよな、実際に見たこと無いから楽しみだな。
コウは食堂の鍵を開けて中に入ると近くにあったテーブルに鍵を置き椅子に座る、顎に手を置きながら考えてる、献立考えてるんだ、楽しみだな。
「何見てるんだ?早く作れ」
「え?」
「もしかして作れないのか?」
「料理くらいは出来るけど、コウが作ってくれるんじゃないのか?」
「馬鹿言え、別にミドリが料理に自信が無いなら俺がやるけど」
「やるって!やれば良いんだろ!?」
コウは鼻で笑って私を見てる。
私はイライラしながらキッチンに入った、学食だから色々あるからそれなりのモノは作れるけど、…………ご飯が余ってるし面倒だからチャーハンでいいや、どうせ食べさせる相手はコウだし、スープでも付ければ満足だろ。
私はコウを見ないようにしながら料理をした、コウは品定をするように私を睨んでくるし、何なのアイツは。
「チャーハンか」
「うわ!いつの間に!?」
「いつでも良いだろ」
ムカつく、しかも先に出来上がったスープを飲んでるし、ガキじゃないんだから待つって事が出来ないのかコイツは?
「ふ〜ん」
「何だよ?飲んだんだから何か言えよ」
「美味いんじゃない?」
何その曖昧な答えは、でも一応美味しいって言ってくれた、多分素直じゃないコウなりの誉め言葉だな、私はそう信じたい。
「おい、焦げ付くぞ」
「えっ?うわっ、えぁ、うぇ?」
私の意味分からない奇声を見かねてコウが私から中華鍋を取り上げた、コウは適当に皿を取り出してチャーハンを盛った、最初に盛ったチャーハンはいたって普通、次に盛ったのは焦げばっか、まずそう。
「早くスープ持ってこい」
コウは先にチャーハン二つを持って行った、私は後ろから追うけど、やっぱり凹むな、本当は料理下手じゃないのに、何でこういう時に失敗するんだろ。
テーブルに行くとコウは既に食べてる、しかも焦げてる方を。
「コウ、そっちは私が食べるから」
「何?俺からお焦げを奪うつもり?食わせないぞ」
違う、こんなのお焦げでもなんでもない、不味くて食べれる物じゃないだろ、それなのにコウは美味しいふりをして、これはコウの優しさ?
「お焦げは美味いな」
「他は?」
「まぁまぁかな」
何で私はこんなにコウに気を使わせてるんだろ、本当なら心から美味しいって言ってほしかったのに、コウなら憎まれ口言いながらも言ってくれると思ったのに。
私は保健室に行くとすぐにベッドに横になった、にあんな小さな失敗だけど私にとってはかなり大きな事、コウは隣のベッドで横になってる、謝った方が良いよな。
「コウ―――」
「いちいちグダグダ引きずるな、失敗した飯を食うのはチカで慣れてる」
「やっぱり不味かったんだ?」
「当たり前だろ、折角俺があそこでフォローしたのに、ミドリが引きずったら俺の努力が無駄になる」
コウって本当は優しいんだ、それなのに私は自分の失敗ばっかり悔いてコウの優しさを受け止められなかった、私の方が自己チューだ。
「でもチャーハンは美味かった、これは世辞でも慰めでもない、本心だ」
「あ、ありがとう」
私の目からは自然に涙が流れてた、声も鼻をすする音もコウには聞こえてるはず、何泣いてるんだろ。
「飯が失敗したくらいで泣くな」
「だって、折角コウを見返せると思ったのに、女っぽいところを見せられると思ったのに、これじゃあダメだろ」
「誰がミドリの事を女っぽくないって言った?俺は良い女だと思うぞ」
コウが誤魔化しもふざけもしないで私を誉めてくれた、しかも女として、私ダメだ、もうコウの手の平で踊ってる、今の私はコウを中心に回ってる。
「俺はミドリの事好きだぞ」
「冗談言うな」
「こう言わなきゃ元気出ないだろ?」
「そうだな」
今のコウの好きは本当か嘘かは分からない、でも私は本心って受け止めたい、信じたらコウに笑われるかもしれないけど、確かにコウは私の事を好きって言ってくれた、一人の女としてじゃなくて一人の人としてかもしれない、でもそれが一人の女になるために私は頑張る。
コウ、コウはやっと私の女心を呼び覚ましてくれた、私から好きになった初めての人。
コウ、好きだよ。