青とその他大勢
更新が遅れてすみません、言い訳を言わしてもらいますと、最近いろいろ忙しくて暇がありません、なるべく早く投稿できるようにがんばるのでよろしくお願いします。
最近俺の気になる事、それはコガネとクリコ、滅多に笑わないコガネがクリコの前だとあり得ないくらい笑ってる、コガネにその気があるなら少し説教しないとな、ヒノリがあれだけ心配してくれてるのに他の女なんかに手を付けやがって。
でもなんかコガネとクリコを見てても、ムカつきはしないんだよな、浮気とかだったらその影だけでも説教したくなるのに。
「四色先輩、どうしたんですか?」
「ん?あぁ、何でもない」
今はチビの個人レッスン中だってのを忘れてた、最近チビの様子もおかしいんだよな、いやに他人行儀な時がある、俺はチビが俺を見てる目を何回も見てきた、だから何となく分かる、チビがヤバいって事が。
「チビ、今日はこれくらいにしとくか」
「はい!ありがとうございました!」
チビは一礼すると走ってどっかに行った、いつもの事だけどまだ慣れない、何でチビが俺達と一緒に着替えないのかが。
俺とコガネは部室で二人だけでいつものように着替えてる、でもやたらと外がうるさい。
ガチャッ!
「おら!早く帰るぞ!」
そこにいるのはチビの妹の遥希、通称チビ子(俺が命名)、コイツは男だけの部室に堂々と入って来るとは、後ろでは慌てるチカ達、その隣で見なかった事にしようとしてるクリコ。
「少しは戸惑って入って来い」
「うるせぇな!早く帰るぞ、いつまで潤間先輩を待たせるつもりだ?」
「だからって普通男子の部室に問答無用で入って来るか?」
「別に見られて困るようなもんはないだろ、テメェなんかの下着姿くらいなんとも思えないし」
いやいや、一応君は女の子でしょ、後ろにはチカ達がいるし、チカは顔を真っ赤にしてツバサはキャーキャー騒いでる、ヒノリは呆れてそっぽ向いてるし、クリコは…………、鼻血出して固まってる。
俺はとりあえずチビ子を蹴りだして着替えた、外は騒がしくクリコの声でチビが来たのが把握出来た。
「女の子は元気やなぁ」
「「コテツ!?」」
何でコテツがサッカー部の部室に?ってかいつの間に入って来たんだよ、空手で鍛えた忍び足とか?
「いつ入って来たんだよ?」
「そりゃまぁ、ハルキはんが入って来た後や」
「気付かなかった」
「それよりはよ行くで、皆が待っとる」
俺達はコテツに促されて部室を出た、女の子が5人と男?が一人、もしかしてこんな大所帯で帰るの?めんどくさいなぁ。
「ハルが何でココにいるの?」
「うるせぇな!私がココにいちゃいけないのかよ!?」
「何でいるのか聞いただけなのに…………」
「先輩達に着いてきただけだよ、ユウに会いに来たわけじゃないから安心しろ」
こうやってチビとチビ子を見てると双子って実感する、別々に見るとそうでも無いけど並べると似てるし、男と女の双子でここまで似れるなんて凄いな。
「ほら、チビちゃんもハルキも喧嘩しないで」
「クリコはメスチビの事知ってるのか?」
「知ってるも何も同じクラスですから」
そうなんだ、意外なところで繋がってるんだ、でもこうやって3人集まってるのにチビが違和感なく女の子に見えるのが怖い。
最近チビには幅広いファンが付いてきた、お姉さん系の女子や、ちょっと痛い男子、よりどりみどりだよな。
「ほな帰りましょか!こないな所で話してたら邪魔や」
コテツとツバサが歩き出したのを皮切りに皆がぞろぞろと歩き出した、俺はチカの手を掴みコガネとヒノリの後ろを歩いてる、後ろではチビ達がうるさい。
「一年生に慕われてるな」
「お守り係だから」
「可愛い女の子のマネージャーもいるしね」
チカはクリコを見ながら言った、そういえばクリコとチカはあんまり面識が無いんだよな。
「やきもち?」
「何で一年生なんかに、釘を刺しただけ」
「俺はチカ一筋だよ、それにチカ以外は女じゃないし」
「何潤間先輩とイチャイチャしてるんだよ!?」
「特にコイツとか」
チビ子が俺とチカの間から顔を出してきた、本当にコイツは邪魔しか出来ないんだな、帰りくらい二人の世界に入らせろ。
「駄目だよハル、二人の邪魔だって」
「うるせぇな!コイツの笑顔見てるとムカつくんだよ!」
「ハルキ、もしかしてやきもち?」
「リコは黙ってろ!」
チビ子は誰にでも噛みつく狂犬だな、保健所にでも送って保護してもらうか、じゃないとこっちの身が持たない。
「ハルキはモテるのに勿体無いよ、彼氏でも作りなよ」
「チビ子がモテるの!?」
「何だよ?私がモテちゃいけないのか?」
「いやぁ、可愛げが無いし口が悪いしうるさいし、チビの方がまだ可愛いよ」
「もしかしてカイってホモ?」
「たまには可愛い男を相手にするのも良いかもな」
俺はチビの肩を引き寄せた、当然冗談で、チカは呆れて頭を押さえてる、チビ子はしゃがんで吐く真似を。
「ダメです四色先輩!」
「何でクリコが?それに冗談だよ」
「いやそうですけど………」
「良いじゃねぇかリコ、見栄えは悪くないんだし」
「そうじゃなくて!ダメなモノはダメなんです!」
クリコが泣きそうになりながら叫んでたからチビを離した、そういえばクリコって………、こりゃ悪いことしたな、ちょっと行動が軽率過ぎた。
「カイ、行くぞ」
「はいは〜い、やっぱりチカが一番だわ」
「口説いても何も出ないよ」
「大丈夫、チカの愛があればそれだけで良いから」
「………………馬鹿」
チカの顔が若干赤くなった、これは夕焼けだけのせいじゃない、恐らくチカの赤面性のせいだな、髪の毛も夕日に染まって燃えてるみたいで良い。
「やっぱりチカは可愛いな」
「皆の前では辞めて」
「何を?」
「恥ずかしい」
「会話になってないよ」
「か、可愛いとか」
更に赤くなった、夕日とチカの髪の毛と顔、どれが一番赤くなれるか勝負だな、まぁどっちにしろチカが可愛くなるのに変わりないんだけどね。
「じゃあ何て言えば良いの?」
「何も言わなくて良い」
「やだよ、チカの事を可愛いって言わなきゃ俺の心に溜って苦しくなるんだもん、可愛いが駄目なら‘愛してる’とか‘好きだよ’とかは?」
「もう可愛いで良いよ」
やっぱり自分に嘘は付けないよな、どうにかしてこの気持ちをチカに伝えないと苦しくなる、でも伝えると更に好きになって更に辛くなる。
チカは俺を縛り付ける荊のように俺の心に住み着いてる、痛みであがいても、苦しくてほどこうとしても、じっとしてても、荊の刺は心を容赦無く突き刺す、そうやってチカは着実に俺の心を蝕んでいく、この痛み、つまり愛に屈伏した時、俺はどうなるんだろ。
俺達は一年達を送って行く事にした、コガネとヒノリはクリコを、俺とチカはチビとチビ子を、コテツとツバサはいつの間にか消えてた。
本当の目的はチカと一秒でも長くいたいから、マンションに着けばチカはコウさんの支配下に置かれる、だから帰りくらいはゆっくりさせろと。