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銀と肝試し

チカの悲鳴が凄い、その後に来るコガネの努声、この分だと安心だな、コガネも内心楽しんでるんだろうな、チカ、今日だけはコガネを貸してあげる。

コテツが無線で二人がゴールしたのを確認すると再び紙を引き始めた、私の相手は誰でも良いんだけど相手が可哀想、コガネに殴られちゃうんだもん、さすがにこればかりは私にはどうも出来ないよ。


私もカイもツバサも、コテツも参加してるの?まぁ一応コテツもまだまだ回って来ない、こんな山の散歩の何が怖いのか私には理解出来ない、ビックリもしないから早く終らしたい。


「次の女子は……………、春日氷乃梨はんや!」


やっとか、やっとコガネに会える、正直あっちでチカと二人だと不安、チカってコガネをからかうのだけは好きだし、コガネは案外Mだし、……………今の発言不純。


「皆はんが待ち望むヒノリはんのお相手は……………、……………わいや」


男子からのブーイングが酷い、でも私的には安心、コテツならコガネも安心してくれるでしょ、私自身も……………、コテツって暗いの怖いの嫌いなんだっけ?


「ヒノリ、コテツを殴らせないように頼んだぞ」


そうだ、コテツは怖いと殴るんだ。


「ヒノノ、コテツを誘惑しないでね!」

「大丈夫、騒がしいのを彼氏にする趣味は無いから」

「酷いなぁ、ヒノリはん」

「親友止まりね」


コテツみたいなタイプは好きだけど彼氏にはしたくない、騒がしいし恥ずかしいし。


「校長!後のくじ引き頼んだで」

「は、はい」


コテツのワンマンの理由が何となく分かった、校長の腰の低さだ、コテツも目の付けどころが違うな、って何関心してるんだろ。


「ほな、行くで」


コテツは私の手を掴んでグイグイと引っ張って行く、コガネの手より逞しい、空手やってるからかな?


「わいのお陰でコガネはんに殴られる奴が減って良かったな」

「コテツのせいで増えるけど」


コテツは腕をブンブン振って歩いてる、腕が外れる、もう少し大人しく出来ないの?私には荷が重い。


「わぁ!アカン!」


コテツが脅かして来たお化け役の人を殴ろうとしたから私は握ってる手を引いた、コテツはよろめきながら手を引く、結果オーライだよね。


「早く消えて、コテツに殴られるよ」

「ひぃぃぃぃぃぃ!」

「アカン、アカンて」


頼りない、しかもありえないスピードで殴ろうとしたし、ある意味コガネよりも危ないかも。


「何で自分がダメなのにこんな企画考えたの?」

「皆の怖がる顔が見たかったからや」

「自分が一番怖がってるじゃない」

「そやな」


私はコテツに先導させるのは危険と考えて、私が先導する事にした、本当はグイグイ引っ張られたいタイプなんだけどな。

にしても夜の山って真っ暗、そういえば一年の頃ツバサが山から落ちてコテツが助けたんだっけ、こんな暗い山を歩いてたんだ、今もそれくらい頼りになれば良いんだけどね。


「アカン!アカン!」


また脅かされて殴ろうとした、私は仕方なく腕を抱いてコテツを止めたけど、胸がコテツの腕に当たってる、これはちょっとヤバいかな。


「毎日コガネはんこないな事してるん?」

「なっ!?」

「顔真っ赤やで、可愛いなぁ」


可愛いって、あんまり言われた事が無いから嬉しい、コテツは普通に言ったんだと思うけどね、意外にコテツがモテる理由はこれか。


「これならコガネはんもパラダイスやな」

「……………不純」

「男なんてみんなそんなもんや、カマトトぶってるコガネはんやって心の奥底ではそうやで」


そうなんだ、でもコガネなら良いかも、私的には女の子の前で平気でそういう事を言うコテツのほうがどうかと思うけど。


「今頃コガネはんとチカはんは境内の裏で…………」

「えっ?」

「そないな悲しい顔するな、大丈夫や、二人とも一線越える勇気もなければ理由もない、それはヒノリはんが一番分かっとるやろ」


確かに、コガネは私が泊まっても何もしない、私を大事にしてるって言われればそれまでだけど、中学校から進展したのといえば二人の関係だけ、キスもまだなんだよね。


「わぁ!近寄るな!」


またコテツが殴ろうとしたから止めた、私にはお化けが脅かすその行為の何が怖いのか理解出来ない。


「ホラ、行くよ」

「わいが可哀想やないんか?こない怖い思いして」

「お化け役の人の方が可哀想だよ、コテツに命令されて脅かしてるのに仕事したら殴られるんだよ、可哀想すぎ」

「まぁ確かにそうやな」


私はコテツの手を引いて歩いた、懐中電灯で色々な所を照らさないと危なくて歩けない、あれ目の前に小さな影、何これ?………………。


「キャー!」

「どないしたん!?」

「クククク、クモクモ!」

「クモ?あぁ、これか」


クモがいる、コテツは楽しそうに見てるけど私には理解出来ない、何あのおしりから出す糸、気持悪い。


「ホレ、クモも近くで見ると可愛いやろ」


コテツがクモの糸を掴んで私の目の前にぶら下げる、ダメ、怖いよ、何か目の前が歪んできた、何か頬を流れてる。


「すまん!泣く程嫌いとは知らんかったんや、もういないから許してや」

「ほ、ホント?クモ、いない?」

「あぁいないで、今頃山の下まで落ちてるころや」

「うわぁぁぁぁ!」


いつの間にかコテツに抱きついて泣いてた、クモだけはダメ、あんな気持悪いモノ一生見たくない。


「ホラ、もう立って行くで」

「立てない」

「はっ?」

「怖くて立てない」

「あぁもう!しゃあないな、コガネはんに怒られるがな」


コテツは私を抱き上げてくれた、これは俗に言うお姫様抱っこ?コガネとはまた違うな、コガネの方が100倍嬉しいけど。




私達は何とかゴール出来た、コテツは脅かされても両手が塞がってて何も出来ないままここまで来た、一応結果オーライ?

神社に着くとコガネが血相を変えて走って来た。


「大丈夫か?ヒノ」

「クモがいただけ」

「クモか、怖かっただろ?ゴメンな、いてあげられなくて」


コガネは人前って事を忘れて私を抱き締めてくれた、ありがとう、コガネ、大好きだよ。

先ずはヒノリからです、夕方頃には2話目も投稿するんで待ってて下さい。

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