その㊷~あれから、、颯太の密着計画のその後~
颯太の「密着計画」が正式に動き出してから、もう2ヶ月が経った。
最初のころは──正直言って、落ち着かなかった。
普段通りにしているつもりでも、どこかで「あ、撮られてる……」と意識しちゃうし、鏡越しにカメラを構える颯太が見えると、変に姿勢を伸ばしたりしてしまう。
でもそんな落ち着かなさも、今ではすっかり薄れた。というより、
颯太が撮影にだいぶ慣れてきて“カメラが空気化してきた”というのが正しい。
レッスンの最中も、休憩時間も、移動中も。
ぼくたち8人の“今”が、いつの間にか自然とカメラの中に収まっていく。
最初はぎこちなかった颯太のカメラワークも、いまでは完全に板についている。
カメラ越しにぼくたちの動きの“芯”を捉えるあの目は、プロのカメラマンみたいだ。
メンバーの普段の姿。その一挙手一投足を、颯太は見逃していない。
あの企画提案の日の熱……「みんなの“今”を残したい」と言ったあの言葉……
あれを本気で形にしようとしているのが伝わってくる。
そして当然、撮影した動画もかなりの量になっているらしい。
(どんな動画、撮れてるんだろうな……)
だって、ほとんど全部をさらけ出している。
もちろん、変に取り繕ったりしても意味がないから、ありのままを見せているけど……
それでも・・・
どんな形で、どんな“僕たち”が残っているんだろう?気になる・・・
颯太には、“俺を信じて”って強い意思を感じて、不思議と安心させてくれる。
ぼくは密かに思っている。
未熟で、未完成で、迷ってばかりのぼくたちだからこそ──
記録する価値がある。
完璧じゃないけど装わない。
曖昧さや悔しさも含めて、全部が“今のLa♪Ra・RISE!(ララライズ)”なんだと思う。
撮った動画が、いつ公開されるのか。
どんな編集の仕方なのか。
SNSなのか、まとめ映像なのか。
知らないけど、不安はない。
だって颯太が撮っているのは、
「ぼくたちが確かに“そこにいた証拠”」だから。
たとえまだ半人前でも。
どれだけ形になっていなくても。
“今”は一度しかない。
その瞬間を誰より近くで見ているのが颯太だと思うと、少し誇らしい。
(……今度、颯太に頼んでみようかな)
どんな風にぼくたちを見ているのか。
どんな瞬間にシャッターを切っているのか。
どんな“La♪Ra・RISE!(ララライズ)”を残したいと思っているのか。
ぼく自身の目で、確かめたい。
「颯太、今度ちょっと見せてよ。……撮ったやつ」
そう言ったら、きっとあいつは照れた顔で笑うんだろうな。
ぼくたちの“未完成の今”を、ちゃんと受け止めてくれている人がいる。
そう思うだけで、今日のレッスンも、少しがんばれる。
*La♪Ra・RISE!キャラクター原案者*
英賀田 雪雄 :日花子
根古島 カノン :日花子
京極 真秀 :茶ばんだライス
折原 千鶴 :夏也 すみ
狭山 那音 :ギフカデ
Daz・Garcia :HUNGRY
赤河 辰煌 :ウニヲ
佐藤 翔太 :niko




