その㉜~ある夜の食卓にて~
レッスンを終えて帰宅したのは、夜の9時を過ぎていた。
玄関を開けると、リビングから温かい匂いが漂ってくる。
「翔太、おかえり!」
お母さんの声に、少しホッとした。今日は家族5人で、少し遅い夕食だ。
テーブルには、お父さん、お母さん、姉の美和、そして弟の太輝が座っていた。
ぼくの帰りを待っていてくれた。
「レッスン?」とお姉ちゃんが笑顔で聞く。
「うん、ちょっと長引いちゃって」
ぼくは席に着き、箸を手に取った。
食事が始まってすぐ、お姉ちゃんがふとぼくに視線を向ける。
「翔太、La♪Ra・RISE!(ララライズ)ってどうなってるの?」
その言葉に、ぼくは一瞬手を止めた。
「え?」
「実はね、今日、大学の友達とLa♪Ra・RISE!の話になって…」
お姉ちゃんは少し照れたように笑う。
「まさかLa♪Ra・RISE!のメンバーの一人が私の弟です、なんて言えなかったわよ」
「そりゃ言えないよな…」
ぼくは苦笑しながら、ご飯を口に運んだ。
お姉ちゃんは続ける。
「LoHiだっけ?まさか翔太が、SKYGODの真くんと同じステージに立つなんてね~」
まだ遠い存在である名前を聞いて、他人事のように僕は答えた。
「いや、まだLoHiの出場が決まったわけじゃなくて、その前に参入バトルがあるんだ」
「そうなの…なんだか複雑ね…」
お姉ちゃんの声には、心配と期待が入り混じっていた。
その時、母がふと思い出したように言った。
「そういえば、翔太もうすぐ誕生日じゃない?ほしいものある?」
「もう親から誕生日プレゼントをもらう歳でもないよ」
ぼくは笑って答えた。
「あら、そう…いらないの?でも当日は少し夕食がんばっちゃおうかな!」
「ありがとう。でも誕生日もレッスンがあるんだ」
「まぁ…みんなに祝ってもらえるといいわねぇ」
母の言葉に、ぼくは心の中で小さくため息をついた。
――メンバーはぼくの誕生日、知らないんじゃないかな…。
今年は無理でも、いつかメンバーやファンの人たちに誕生日を祝ってもらえる日がくるのかな…。
そんなことを考えながら、ぼくは箸を動かした。
食卓の笑い声を聞きながら、ぼくは心の奥で決意を固めていた。
――もっと頑張ろう。
いつか、胸を張って「La♪Ra・RISE!の翔太です」って言えるように。
*La♪Ra・RISE!キャラクター原案者*
英賀田 雪雄 :日花子
根古島 カノン :日花子
京極 真秀 :茶ばんだライス
折原 千鶴 :夏也 すみ
狭山 那音 :ギフカデ
Daz・Garcia :HUNGRY
赤河 辰煌 :ウニヲ
佐藤 翔太 :niko




