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その⑮~ひとりのスタジオで~
7月17日、夕方。
明日はいよいよ、キャラランドGENSEKIオーディションの最終合格者が発表される。
選ばれる7人と、ぼくはユニットを組むことになる。
スタジオには、ぼくだけ。
誰もいない鏡の前で、ぼくはひとり、歌っていた。
「誰かのために歌いたい」
その気持ちは、ずっと変わらない。
でも今は、それに加えて「仲間と一緒に輝きたい」って思ってる。
オーディションを経て選ばれる7人。
その過程で、みんなはきっとたくさん悩んで、努力して、成長してきた。
ぼくは、オーディションを受けていない。
椿社長は「翔太には、誰にも負けない輝きがある」と言ってくれた。
でも、その言葉を信じるには、ぼく自身が変わらなきゃいけない。
誰かに認められるだけじゃなく、自分で自分を認められるようにならなきゃ。
だから、ぼくは今日も歌う。
ひとりでも、誰も見ていなくても。
ぼくにしか出せない声で、ぼくにしかできない表現で。
不安がないわけじゃない。
でも、それ以上に、ワクワクしてる。
明日、どんな仲間と出会えるんだろう。
どんなユニットになるんだろう。
そう思えるようになったのは、颯太やカメリアがいてくれたから。
ぼくのことを、ちゃんと見てくれて、支えてくれて。
ぼくも、誰かの支えになれるような存在になりたい。
鏡の中のぼくは、まだ未完成だ。
でも、目は前を向いている。




