格闘令嬢vs紙飛行機殺法
なろうラジオ大賞用小説第四弾
「我が名は命の御使いダヌア! 異端の転生者よ、そのお命頂戴致す!」
ある日私とジュリアさんの前に。
かつて、ジュリアさんの知り合いを死に追いやったらしい御使い――私の敵でもある存在の仲間が出現。
敵は己の周囲に多くの、刃物がついた紙飛行機を出現させ、
「天技:裂翔殺!」
どういう理屈かそれらを浮かせると、なんと目にも留まらない超高速で紙飛行機が飛んできた!?
「我が力は無生物に命を吹き込む力。かつて泥に命を吹き込み人間を生んだのも我だ。そしてなぜ今、紙飛行機に命を吹き込んだかと言えば……貴様らがかつていた世界に存在するバトル漫画の中に、折り紙を使った美しい奥義があったからだ!」
まさかの美的センスからのチョイス!?
私には全然意味が分からないけど、刃物がついた紙飛行機が超高速で飛んできてジュリアさんを切り刻む!
「じゅ、ジュリアさん!」
すぐに魔法で援護しようとする私。
しかしジュリアさん――今まで身体強化魔法以外の魔法を絶対使わずに、多くの戦いを乗り越えてきた彼女は手で私を制す。
「フッ、この攻撃……そよ風かと思いましたわ」
いやどう見ても大ケガ!
まさかアレで薄皮一枚程度なの!?
「痩せ我慢もそこまでだ! 死ねぃ!」
「ワテクシも侮られたものですわね! はぁっ!」
そしてトドメを刺されそうになった時、なんと彼女は服が汚れるのも気にせず、超高速で回転しそのまま地面を掘り進み潜った!?
「小癪な! 貴様の位置は御使いの我には丸わかり! 貴様が掘った穴から我の僕たる紙飛行機共を突入させ……ッ!? なぜ我の周囲で旋回し――」
次の瞬間。
驚くべき事に紙飛行機共が一列となり穴の中に!?
まさか地中にも行けるのあの紙飛行機!?
しかも敵はジュリアさんの位置を察してた!
だけど次の瞬間、なんと敵の周囲の地面が陥没しその足が嵌まった!?
「どうやらあなたは、戦いが泥臭く汚いモノである事実を忘れてるようですわね」
すると、ジュリアさんの声がどこからか聞こえてきて。
次の瞬間、彼女は地面に足が嵌まった敵の斜め下から勢いよく飛び出しそのまま敵にアッパーカット!
「がふっ!?」
するとすぐ彼女はその場を離れ。
直後、彼女が出てきた穴から敵の放った大量の紙飛行機が飛び出した!
「ギィヤアアアアアアッッッッ!!!!」
そして今回の敵は。
ジュリアさんの奇策により。
己が放った技が返り呆気なく倒せた。
「自分の手を汚そうとしない、黒幕気取りの輩にはお似合いの最期ですわ」