解放 3
よろしくお願いします。
「隊長! どれくらいのガキなんすか?」
「あ? お前興味があるのか?」
「そりゃあ、こんな国境近くの辺鄙な地方勤務で女っけが全然無いんですよ? このさい出来るなら問題無いっす!」
「おい、おい。お前だけじゃないぜ。俺達も居るんだからな!」
「お前達も物好きだな。まあ俺もそうなんだが」
「でも隊長の入れられたら、そのガキ壊れるんじゃないっすか?」
「まあ、その時はポーションで全回復すればまた、楽しめるから問題ないぞ」
「え? ハイポーションがあるんですか?」
「まあな、この間王都の知り合いに、近衛騎士団に納品されるハイポーションを横流ししてもらったからな」
「さすが! 隊長!! じゃあ今晩は寝れないっすね!」
・・・・・・・・・・・・・・下品の塊だわね、こいつら。
この世界の男共ってこんな理性の欠片もない、クソオヤジばっかりなの?
腹の底から怒りがこみ上げてくる。
「それでは、ロドンの村に行って残りの奴らにこいつらの危険魔獣ケルベロスを誘い出させて、この従属印の摩道具を取り付けるぞ」
「了解っす! と言いたいところっすけど、今ちょっとこのガキとさせてくれないっすか?」
「お前、少しは我慢出来んのか?」
「無理っす! 絶対に無理っす!!」
「はあ、一回だけだそ?」
「それなら俺らも!」
「お、俺も!!」
「分かった、分かった。じゃあ皆一回ずつだぞ?」
「「了解」」 「っす!」
おい。
駄菓子屋で親が子供達に一回ずつくじ付きガムをやらせるみたいに言うんじゃないわよ!!
私はくじ箱かっての!!
薄眼を開けて確認していたら、近くにいた隊長と呼ばれていた男が荷台から降りて行くと、それと入れ替わるように少し細身の男が入ってきた。
「おお、結構女じゃないっすか! これなら楽しめそうっす」
あ、さっきから、す、す、す、す、言っていたのはこいつか!
体が真面に動けば隙をみて逃げ出せるかもしれないのに。
ああ! 残りのポーションを掛けていれば!
私が悔やんでいると、その細男はガチャガチャと股間辺りの金属製の防具を外している。
そしていきなりズボンを脱ぎやがった。
「おい! さっさと終わらせろよ!」
「了解っす!」
ああ! 鼻に付くわねその、す、す、わ!!
そんな事を考えていたら細男が私の足元の方に移動して近づいてきた。
もう、どうにもならないの!?
なんなのよ!
私が何したっていうのよ!
努力もしないでっていうなら分かるけど、努力も何もいきなり鎖で縛られて何が出来るっていうのよ!!
あ、男の手が私の両足首を掴んで持ち上げ始めた。
「へ、へ、この斬られた男の血みたいっすね。血まみれの女を抱くのも案外良いかもしれないっすね」
この変態野郎!!
許さない!
この男も、私を生贄にした男の仲間も、王国に兵隊も、そしてこの世界に私を転生させた運命にも!!
『ドクン!!』
その時だった。
今まで小さく鼓動を刻んでいた心臓が力強く跳ね上がった。
「え?」
「ん、このガキ何か言ったすか?」
『ドクン! ドクン!! ドクン!!』
「まあ、いいっすか。さあて、血でヌルヌルしているから何もしないで入りそうっす・・・・え? な、何だ?! 血、血が・・・き、消えて行く・・このガキに掛かっていた血が肌に吸われるように消えて・・・」
「? な、なんすか・・」
「バァアン!!!」
「・・音? 破裂したような音・・・・・・・・・・・・・・・・あれ? 私どうしたの?」
さっき心臓が跳ね上がった感覚になったあと、少し記憶が飛んでいた?
何か大きな破裂するような音が聞こえた気がしたけど・・・・あ! こいつ私の両足首を掴んで高く上げて・・・・ん? 動かない?
私の足を掴んだまま細男は全く動かなくなっていた。
あれ? 手に力が・・・足も動く
何故か、私の体が思い通りに動けるようになっていた。
そして足を少し動かしたら、その私の足を掴んでいた男がバタンと荷台の床に倒れてしまった。
「え? な、何?」
私は体を起こし四つん這いになりながらその細男にゆっくりと近づいてみた。
「口から血が流れている・・・まさか死んでるの?」
また来てください。