表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/35

解放 1

よし! 

取り敢えずあの鎖からは解放された!

それにしてもあの男共、言いたい放題言ってくれるわね!

結局私って生け贄の上に奴隷だったて事?

つまり、この辺の村々が魔獣だか何だか知らないけど、それのご機嫌をとるために奴隷の私を買って餌にしてたって事よね?

・・・・・・ふざけんじゃないわよ!!

日本で普通にOLして、可愛い後輩の女の子に頼られてピンク色の人生を謳歌するはずだった私が、訳の分からない世界で目覚めたら奴隷で生け贄?!

転落人生にも程があるわよ!!!

その上に私がまだ生きてるって判ったら物の返品みたいに言いやがって!

こんなに可愛い私のどこが不良品だって言うのよ!!


はあああああ・・・・・・


ダメ、考えるだけでカロリー消費して体が悲鳴をあげている。

幸い痛覚とかの感覚器官がマヒしてるせいか意識としては苦痛はそれぼと感じないのでこうして考えることができるけど。

だからと言ってこの先が好転するわけじゃないけどね。


「バシャッ!!」


な?! なに?!!

突然私の顔に何かが勢いよく当たってきた。

これ、お水?


「ちっ! もったいないが低級ポーションを薄めた水だ、今死んでもらっても困るからな」


馭者台に座る男が私の方を見ながら悪態をつく。

ポーション?

えっと何だっけ?

・・・・あ! そうそう! 回復薬、それも魔法で普通の薬より回復が数段早いあの?

異世界世界の定番中の定番のあれ?

そう言えば体に少し力が戻った様な・・・でも空腹はどうにもならないみたい。

けどそんなものが有る世界なのね。

やっぱりここは私が知らない異世界なんだ。


「おい! そのガキを見張っておけよ。死にそうだったらもう一度その安物ポーションを掛けてやれ。但し後一回だ。それ以上だと売っても損するだけだからな」

「・・・ああ・・・わ、わかった」


馭者台にいる男が私の目の前に座るもう一人の男に指示すると、その男はジーっと私から目を離さないまま返事をしていた。

そう言えばこの男、ずーっと震えてない?

それに私から全然目をそらさないのよね?

私が何かするとでも思ってるのかしら?


「お、お前・・・俺に何かしたか?」


はい?

急に何を言い出すのかしら?

私が何かした?

体に力が入らなく動けない上に声も出ないのよ?

何かが出来る訳ないじゃない?


私は今、荷馬車の床にうつ伏せで寝っ転がっている状態だ。

この目の前に居る男に荷馬車に投げ込まれたままの状態でほっておかれていた。

けど顔はこの震える男の方に向いていたから薄っすらとその男を視認する事はできていた。

だからこの男が私から視線を外さない事が直ぐに分かった。


この男、ちょっとやばい奴かも?

私に何かされたと思い違いで思い込んでいるし、男の目が何か恐ろしい者でも見るみたいに私を見つめている。

私何かしたかな? て思ってしまうほどその男の顔は青ざめていた。


ちょっと鬱陶しわね。

私はさっきのポーションで少し力が戻っていたので目を見開いて視線に力を込める様にしてその男を睨んでやった。


「ひっ!!」


するとその男は体を後ろへ仰け反らしてしまった。


「おい! どうした?」


怯える男が変な声をあげたのが聞こえたのか馭者をしている男がその男に尋ねてきた。


「こ、このガ、ガキが俺を睨んで来たんだ!」

「はあ? この死にかけのガキがか?」


私は咄嗟に瞼を閉じた。


「おい、目なんか開けてねえじねぇか。良く見ろよ!」

「そ、そんな・・・確かに今、俺を睨んだんだぜ!?」

「・・・・・・・・ピクリともしないぜ?」

「そ、そんな・・・でも確かに・・・・・」

「疲れてんじゃねぇか? 村までもう少しかかるからな、ちょっとそこで寝とけ」

「・・・・ああ、そうする」


馭者の男には私が目を見開いていた事は知られずに済んだみたいね。

もし知られたら元気になったと思ってもう一度ポーションを掛けてくれないかもしれないもの。

あと一回、低級のしかも薄めたポーションといえ掛けてもらえばかなり回復する気がする。

だから体が少し動く事も意識がはっきりしていることも分からない様にする必要があった。


馭者の男に促されて怯える男は、私から視線を外さない様にして荷馬車の床にそのまま横になったようだ。

私も薄目を開け男を確認する。


うっわー見てる見てる! こっち見てるよ!

異常に私に怯えてない?

ん? そう言えばあの魔獣? ケルベロスもこんな感じで怯えていた様な?

私は何か引っ掛かるものを感じながら、なんとかもう一度ポーションを掛けてもらう方法を考えだしていた。

作り直しました。

また読んでいただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ