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「キサマ! 何だそれは?! 人間ではないのか?!」


それはそうか。

こんな芸当、人間ではできないもの。

驚くのも無理ないわ・・・・という事は姫さんも・・・

あ~、驚いてる、驚いてる。

口を開けてぽか~んとしている。

ふふ、知られたからには・・・・どうってことはないわね。

知られたところで私としては問題ないし。


「さてどうする隊長さん。お仲間はケルベロスが粗方片付けたみたいだけど?」


隊長さんの後ろの方ではケルベロスの独壇場。

死体と重症者が折り重なりその上で勝ち誇ったケルベロスが鼻息を荒くしている。

何故、私をガン見する?


『・・・・・・・・・・・・・褒めて欲しいの?』

『ウォン!!』

『ああ、はい、はい。よく頑張りました』

『ありがたき幸せ! もう100人位殺しましょうか?!』

『しなくて良い』

『・・そうですか・・・・』


そんなに残念がらないで。


「ま、待ってくれ! 私は上から従属の印の試験だと言われ使っただけだ! 私みたいな一兵士が上の命令に逆らえないのは分かるだろ?」


自分の状況が悪くなると途端に掌返すのは小ずるい大人の常套手段だけど、実際に見ると醜いものね。


「そうだ! 私から王女殿下の乱心は間違いだったと上申しよう! それに見たところ良い生活をしてこなかったのだろう? 金をやる! それで良い生活が出来るぞ! どうだ? 良い話だろう?!」


私は隊長の話を聞いてから姫さんの方を向いた。

姫さんも私の意図を組んだみたいで首を横に振った。


「隊長さん、その申し出却下ね。なので死んでください」

「そ、そんな・・・・・くそおおおお!!」


隊長が大声を上げると剣を構え直し私に突っ込んで来た。


「このガキを人質にすれば貴様達は手も足もで・・・」

「ヒュン!」


おお!?

凄い。

剣ごと首を一閃で切っちゃった。


頭と胴体が離れた隊長から大量の血が吹きでる。

当然間近に居た私に降りかかる。

また血塗れになってしまった。


「エ・・リゼさん・・あなた一体何者なの?」


真っ赤に染まった私に恐る恐る近づき姫さんが聞いてきた。


「悪魔・・・」


ロッティさんがぽつりと言葉にした言葉に、ケルベロスが反応した。


「無礼な!! エリゼベリュト様が悪魔なわけなかろう!! この方は魔人族の正当なる王族の血を引かれるお方なのだ! 非道の悪魔と同じにするな!!」


あ、ケルちゃん言っちゃった。

魔人族っていったらまずくない?


「魔人族の王族? まさか・・60年前に人類連合を裏切り悪魔と契約したけど、人類連合の英雄にヨルンヘルム様によって滅んだと聞いているわ」

「それは逆だ!! 人類が魔人族を裏切ったのだ。悪魔と契約したのは人類側の方だ!」

「それこそ馬鹿な話だわ。嘘をつくならもっとましな話にしなさい!」


ケルちゃんとロッティさんが言い争う。


「とにかく王女殿下に近づくな!」


ロッティさんが姫さんを庇う様にして私達の前に立つ。

まあ仕方ないか。

どうせ、いつまでも一緒に姫さん達と居られるわけないのだし、それに慣れ合わない方が私としては好都合。

ロドンの村のやつらを姫さんは殺したくなかったようだけど、私はこいつらに復讐したいもの。

これで姫さんに気兼ねなくこいつらを一掃できる。


「姫さん、そこでジッとしててね。私達このロドンの村の人間に私の苦しみを味あわせてあげなきゃいけないから」


私は、従魔の印で操られていたロドンの村の者の前に立つ。

殆どの人間は従魔の印の影響か、目が虚ろで生気が無く感じられたけど、数人、この中でも結構歳のたつ者は視線をしっかりと私に向け警戒しているのがわかった。


「さて、意識はハッキリしているようね。私の事覚えている?」


一番年上だと思う人間に私は聞いてみた。


「・・・・ケルベロス・・・・あれをどうした? あれは我等ロドンの村の者が従えていた魔獣だぞ?」

「今は違うわ。ケルちゃんは私の従魔。強制ではなくケルちゃん自らの意思で従ってくれているわ」

「は! それはありえん! 災害級のケルベロスが自らの意思で従っているのは魔人族の王族のみ。それらはとうに滅んどるわ!!」

ありがとうございました!

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