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動き出す 5

読んで下さい! どうかお願いします。

姫さんを挟む様に私とケルベロスが立つと、その姫さんは相互を繰り返し見ながら驚きの表情をしていた。


「ケルベロス・・・災害指定の大魔獣じゃない。まさかあなたが使役しているの?」


思ったより落ちついた声で話しかけてきた。

もう少し驚くかと思ったけど・・・・・あ、そうでもないか。

良く見ると足が小刻みに震えているのが見えた。

精一杯相対しているといった感じかな?

私も最初はさすがにこの三つ首を見た時は終わったと思ったもの。


「あなた・・やっぱりこの村の従魔士じゃないの?」

「違うわ。それに質問をしているのは私よ? あなたは私の敵で良いのよね?」


姫さんの顔に困惑の色が見える。

ま、いきなり敵? とか言われればそうかもしれないけど、いちいち説明する気にもなれない。

だから聞くだけ。

敵なのかそうでないのか。


「答える気がないのなら死んで頂戴。あなたの国は滅んだ方が良いみたいだから」

「え? ちょ、ちょっと待って! 本当にあなたを私の国の兵隊が襲ったの?」

「・・・・私が嘘をついていると言うの?」

「そんなこと! でも、それが本当なら・・・」

「本当よ」


私がそう答えると目の前の姫さんは顔を俯き黙ってしまった。

ん~? 少しは罪悪感を感じている?


「フォルテ様ぁ!!!」


そこに突然の大声と共にケルベロスに斬りかかって来たのはこの姫さんと分かれ村の中を探索に行っていたもう一人の女性。

確か、ロッティとか言っていた人だ。


「くっ! やはり届かない! こんなバケモノ何処に隠れていたのよ! 私が惹きつけている間に王女殿下お逃げください!」


従者としての役割を全うしようと姫さんを庇いながらケルベロスに剣を向ける彼女。

でも後ろには私が居るのだけど・・・小さくて見えなかったとか・・・・それとも見た目子供だから気にもしなかったとか?

ちょっと傷つくなぁ。


「殿下! 何をしているのです! 早くこの場から離れて!!」

「それは無理よ」


ここで私が登場! って最初からいるけど。


「だ、誰れ!? こ、子供? いつからそこに居たの!!」


最初っから居ました。

本当に気付いてなかったのね・・・・くそ!


「お姉さん。騒いでも無駄。その子から逃げられるわけないでしょ?」

「なんだ貴様は! この方がルガニア王国の第一王女だとしっての狼藉ですか!」


ルガニア王国ね。覚えておこう。


「やっぱり姫さんだったのね。でも関係ないわ。ここで死んでもらうんだから」

「?! 何を言っている。子供の戯言では済まないわよ!?」

「別に、謝りもしないあなたの主人が悪いのよ。どれだけ私が嫌な思いをして来たか。その償いはしてもらうわよ。ケルベロス!」

「待って!!」


姫さんの大声が響いて、今にも襲い掛かろうとしていたケルベロスも躊躇しその場に踏み止まった。


「う、う、ぐす、ぐす」


もしかして泣いている?


「ご、ごめんなさい・・・まさかそこまで落ちぶれているとは思わなかったの・・・本当にごめんなさい」


姫さんは泣きながらその場に膝を付いて頭を降ろした。


「ひ、殿下?!」


驚く従者の彼女。


「どう償っていいか分からないけど、もし私の命一つでおさまるなら差し出してもいいわ」


んん? ちょっと展開が思ってもいない方に行きだしてない?

私はてっきりあの兵隊と同類なのかと思っていたのにあの姿、本気で泣いているみたい。


「でも、もう少し待ってちょうだい! その兵隊を含めた数十名を見つけ出し、罪を償わすまで待ってほしいの!」


真剣な眼差しで私に懇願して来る姫さん。

嘘の目じゃないみたい。


「姫様この女達、殺しても良いです?」


おい、今の見てなんで殺して良いか聞くのよ!


「待ちなさいケルベロス」

「え、待つのですか?」


なんだその勿体ないお化けでも出そうな顔は!


「とにかく話を聞かせてくれる? 姫さん。それとその従者の彼女さん、剣をしまいなさい。そんなの突き付けられているとケルベロスが条件反射で襲うわよ?」


私の言葉に最初は抵抗していた従者の彼女だったけど、姫さんが促してその剣を鞘に収めてくれました。


「さて、聞かせてちょうだい。姫さんの目的を」

ありがとう! また来てね!!

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