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動き出す 3

よろしくお願いします。

「ケルベロス、村に入るわよ」

「姫様、危険ではありませんか?」

「・・・人は居ないのよね?」

「・・・・・・・・はい、今一度探知してみましたが人はいません」

「なら大丈夫でしょ? 先ずは確かめないと何も分からないし、どこに行ったのかくらい痕跡が残っているかもしれないもの」

「・・・分かりました。でも十分に注意して行きましょう」

「うん、」


私達は茂みからゆっくりと立ち上がるとまずケルベロスが先に出て私がその後に付いた。

そのまま木柵で出来た防護壁沿いに進み村の入り口の前にやってきた。


「通ってきた所にも人の気配は無かったわね」

「はい、ただ・・」

「ただ?」

「はい、血の臭いがします、これは人の血ですね」


やっぱり嫌な予感が当たりそうね。


「とにかく調べてみましょう。もし何かヤバイ物が居たら戦わずに逃げるわよ」

「・・姫様なら大丈夫とは思いますが了解いたしました」

「・・私、強くないわよ?」

「ご謙遜を。あの兵士達を葬った力、尊敬に値します」

「見てたの?!」

「はい!」

「ま、まあ良いわ。それより行くわよ!」

「はい!」


嬉しそうに返事をするわね。

そんなに私の事が好きなのかしら?


私達は村へ入り片っ端から家の中を覗いてみた。

その殆どはもぬけの殻だったけど、奥の家、この村の中でも大きな建物の中に入った時それはあった。


「酷いわね」

「そうですね。斬られる前に拷問の後もあるようですね」


ケルベロスが首を指す先の死体には手首に縛り上げられた痕が残り、致命傷にならない無数の切り傷痕が残っていた。


「ここの死体5体しかないけど、村の規模からするともっと居るわよね?」

「そうですね。逃げたかあるいは・・・・」

「連れ去られたと考える方が正解でしょうね」

「はい、それと村の中を探っているときに気付きましたが、馬の蹄鉄の痕が無数ありました。大きさや形から考えると騎士や兵隊が騎乗する軍馬だと思われます」


兵隊・・・・さっきの兵隊の仲間かしら?


「いったい何の理由で連れ去ったのかしら?」

「わかりません」


そう言えば、あの兵隊達はもう従摩士は必要無くなったとか言っていたような?

それで全員始末した? とか?

んんんでもそれならここにある死体みたいに殺して放置しておけば良いこと。

それなのに連れ去ったとなると、何かに利用するため?


「ん~よく分からないわね」

「姫様どうしますか?」

「そうね。あわよくばここで情報収拾も出きれば良かったけど、これじゃあ何も分からないわ」

「兵隊なら国境警備体隊が設置してある国境の町へ行ってみますか?」


それはどうだろう?

一応見た目は美幼女で、連れているのが三つ首頭のケルベロスが町に入って何も起こらない方が不思議だろうし・・・・


「姫様! 誰か来ました! 馬の鳴き声と蹄の音が聞こえます!」

「どっち?」

「正門の方からです」


ケルベロスが侵入者を探知したみたい。


「何人か分かる?」

「二人のようです」


二人? 兵士が戻って来たのだろうか?


「よし、様子を見に行こう」

「はい」

「それと、なるべく騒がないように。相手が敵だと認識できないうちは戦いは極力避けた方が良いと思う。それとケルベロスは後ろに控えて見ていて」

「え?? っどうしてですか!? 私用済みですか!?」


こら、でかい図体で泣くな。


「違うわよ。あなたが急に出ていったらすぐ戦いになるでしょ?」

「なるほど! さすが姫様です!」

「・・・・・・・まあ、良いわ。じゃあ行くわよ」

「はい!」

ありがとうございました。

次もよろしくお願いします。

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