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入学式前2

 闘技場に着くと生徒は先着順にならばされた。全員、落ち着かない様子でいる。俺も内心そわそわしている。とりあえず隣のやつに話しかけてみよう。

何事も最初が肝心だ。


「いやー、緊張するね。」


「...」


え、無視⁉︎まさかこの子も貴族か!


「...え?あ、ぼぼくですかか。いやあの、そそうですね。」


よかった。無視されたわけじゃないらしい。とりあえずいろいろ質問してみるか。


「俺はルシウス。カルシス村ってとこから来たんだ。君はどこから来たんだ?」


「えあ、ぼくはこの街出身だよ。エウレカ家って聞いたことない?。」


「聞いたことないが...ていうか君貴族⁉︎」


「いちおうそうだよ」


「こここれは大変な無礼をはたらいてしまい申し訳ござざいませんどどうかお許しを」


「いやいや、そんなに謙らなくて大丈夫ですよ。貴族って言うても下級、しかも落ちこぼれの三男ですから誰も気にしませんよ」


「そうなのか?てっきり切られると」


「はは、貴族にもいろんな人がいますから。けど貴族の名前と顔ぐらいは覚えて置いた方がいいですよ。トラブルに遭わないためにも」


たしかに、覚えておかないと面倒なことになりそうだな。今度覚えておくか。


「いろいろ教えてくれてありが」

「なんだとテメェ!」


突然、怒鳴り声があたりに響いた。


「なんだぁ、いきなり」


「どうやら、喧嘩みたいですね。」


怒鳴り声のする方に目を向けると、一人と三人で言い争いになっているのが見えた。


「あれは全員貴族ですね。おそらく特異能力について言い争っているんでしょう」


「特異能力?」


「え?知らないんですか?嘘でしょ」


なんなんだ?特異能力って、けどこの反応を見るに知っていて当然のものみたいだが...


「えっと、じゃあ説明しますね。

特異能力って言うのは人間が一人一つ持っている能力のことです。例としては、火を操ることができたり動物と話せたりですね。あなたにも何か一つ能力があるはずですよ。たしか、入学式のあとに調べられるはずです。それを見て今後の生き方を決める人が大半です」


「なるほど、しかしなんでそれが言い争いの元になるんだ?」


「性質や強さに差があるからですよ。非常に強力なものもあれば、特異能力ともよべないほど、貧弱なものやしょうもないものもあります。中には能力がない人も稀にいるとか。そういった特異能力を持った人は周囲から蔑まれて生きていくことになります。

しかも、性質はともかく特異能力の強さは親から受け継がれることが多いです。だから本来、強力な特異能力を持つはずの貴族から微力なものが出ると、最悪破門まであり得ます。」


そんなに大切なものなのか。しかし、俺の村ではそんなこと見たことも聞いたこともなかったが、俺が忘れているだけなのか?


カーン カーン


鐘の音がなった。どうやら入学式が始まるらしい。



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