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その1 転生潰し(Reincarnation crush)


「転生」という言葉はご存知だろうか


なんでも、それは人が死んだ後にあの世には行かずに


別の世界または別の人間になって生まれ変わることを


指すようだ。


俺は、はっきり言って「転生」という言葉が大嫌いだ


たった一つの言葉が「死」という言葉の概念を壊して


いるようで腹が立つし、「死」というものは存外に


扱ってはいけないものなんだ。何故、死にゆくものに


それ以上のものを求めるのかが俺には分からない。


だから俺は「転生」が大嫌いだ。


――――――――――――――――――――――――


2085年6月17日

 普通は暑くなるのは7月からだと思っていたが


 どうやら違うらしい。暑すぎる猛暑と言ってもいい


 家の部屋でベッドに転がり、アイスを食べながら


 テレビを見ていた。テレビにはニュース番組が


 映っていて事件の詳細を話していた。


 全く興味が無かったのだが、「殺人事件」という


 単語を聞いた瞬間に西門寺翔はベッドから飛び起き

た。

「でたよ。人ってなんで殺すとかさ平気で

 出来るのかな。俺には理解できない。そもそも、

殺った人ってその後のこと考えてんのかな。考えて

ないだろうな。人を殺すという愚かな行為に気付いてない時点でもう程度が知れている。」


西門寺翔という人間は「殺す」という言葉が大嫌い


で、小学生のときには悪ふざけで「殺す」と言った


友達の顔に花瓶を投げつけて、救急車送りにしたり、


それが大人だろうと関係ない。彼は「殺す」という


言葉を聞くたびに自分より大きいものにも向かって


行く。だが、その度に彼はやりすぎてしまう。


そう、、いつも。


学校の日以外は基本外にはでないが新しい漫画の新刊


がでるらしいので、外に出る事にした。


赤屋根のオンボロアパートから出てすぐにある電柱


の後ろに人影がいた。隠れているつもりなんだろうが


全く隠せていない。


「おい、見えてんぞ。総馬。」


西門寺がそう言うと、素直にでてきた男は総馬と言う


185cmの長身でなぜか額にハチマキを締めて、今の


時代には似合わない「夜露死苦」という単語が書かれ


たズボンを履いている。めちゃくちゃダサい。


「翔!俺に気づくとはやはりお前天才だな!今度、たっちゃんの牛すじ奢ってやるよ。」


少しため息をつき、


「要らん。あと俺は漫画を買いに外に出るだけで別にお前と絡む気は全くないぞ」


そんなことゆうなよ〜とか気持ち悪い言葉を言いなが


ら近づいてくる総馬をよそに少し早めに走る西園寺。


走りすぎたせいか目的の本屋とは全く真逆の場所に


来てしまった。人通りが少ない、、少なすぎる。


異常なまでに。


「はあ、周りを見渡しても誰もいないとなるとこれは、、、」


唾を飲み込み、もう一度。


「転生、、フラグまたは転移フラグとか来てるんじゃねこれは。」


そう西園寺の1番嫌いな状況。まあ、実際にはそんな


フラグは存在しない。西園寺はオタク系陽キャの


鈴鹿幸男という友達がいたのでそいつからラノベ


(正式名称ライトノベル)と言われるものをしつこく


絶賛する物だから読んでみた。


「面白くない」


という言葉がまず第一に出た。貸してもらったのは


転生やら転移だのとそういう単語がタイトルに入って


いる物ばかり。


貸してもらう前からその言葉は知っているけど、


何故か無性に腹が立つ。


だからこの状況を転生フラグだと西園寺は思っていた


「まず、俺自体死んでないし転生する意味もないしな。」


すると、誰もいない虚無の空間から突如と何者かが


出てきた。その者は総馬にこう言った。


「お助けください!私達のゴライヤ王国が大変なのです。助けて」


沈黙が走った、、もはや人がいない道なんかよりも


もっと深い沈黙。


沈黙に耐えきれなくなったその者は何かを言おうとし


た。だが、その言葉は次の西園寺の言葉によって、


取り消される。


「黙れ。異常者が」


その言葉を聞き驚愕に明け暮れようとしたその者の


顔にはすでに西園寺の拳が到達しており、気持ち良い


ぐらいに飛んでコンクリートの壁8枚を割り、その者は


10枚になった時点で壁にめり込み意識を失った。




 

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