実況!魔法少女バトル!! ギリギリ☆打撃系魔法少女☆こころん2 前編
--------《前回までのあらすじ》--------
『魔法少女こころん』の正体は『進藤こころ』
しかし、その事実は知られてはいけない。
(と、思っていた)
でも、実は周囲にバレバレだった。
(バレても、どうという事も無かった。)
以上
--------《↓ココカラ本編↓》--------
突然だが、『進藤こころ』は、天下無敵の魔法少女である!!
今日も地上転覆を図る『夜魅』と戦い、ご近所の平和を守っているのだ!!
と、言ったものの・・・
・・・『夜魅』と戦っていなかったりする。
隣の地区に新しく誕生した『魔法少女』がこころの担当域の『夜魅』まで倒して回っているからだ。
元々、何故か『夜魅』が大量に出現する大激戦区である『てうし市』。以前は、東地区と西地区それぞれに『魔法少女』が居た。
しかし、最近まで西地区に『魔法少女』が居ない上に東地区にも新しい『魔法少女』が誕生せず、こころ一人で補っていたのであった。
「あら、倒してくれるならどちらでもいいじゃない?」
と思うこころであったが、黒猫でマスコットキャラの『かのん』によると・・・
「それじゃあ、西地区の『魔法少女』の消耗が激しすぎるんだよ。」
「また、新しい『魔法少女』が誕生する前に・・・夢を叶える前に魔力が尽きてしまうよ。」
という事である。
『魔法少女』は消耗品。とでも言っている様な感じがしない事もないが、実際その通りなのかもしれない。
『魔法少女』になった少女は、一つ夢が叶う。
その夢を叶える為に、少女自身の魔力を使い『夜魅』を祓う。
祓われた『夜魅』の数が一定数に達すると夢が叶う・・・いや、叶えてくれる筈なのだ。
その数が実に絶妙で、魔力が本当に衰えてくる・・・そんな時に一定数に達する。
少なくとも、こころん以外の『魔法少女』はその様にして、夢を叶え、『魔法少女』を卒業していった。
だが、ずっと戦い続けて・・・魔力の回復が追い付かなかったら・・・
『魔法少女』の夢は?そして『魔法少女』は・・・
「まあ、こころちゃんには関係ない事だけどね。」
「君のスタイルは、実にエコだよ。」
こころのスタイルと言うのが、魔力を込めた武器による直接打撃。撲殺。
他の『魔法少女』の様に魔力を放出したビームの様な攻撃ではないのだ。
「褒めているのかしら?」
「勿論だよ。」
時々、『かのん』のいう事は実に胡散臭い。
「ほら、着いたよ!」
「ここに、『夜魅』が・・・」
--------《魔法少女バトル》--------
実況her(以下h)《いよいよ、バトルも大詰め、最近破竹の勢いで『夜魅』を倒している『魔法少女ルーミ』》
《解説のMAXさん、今日のフィニッシュはやはり、まじかるばりあー(画面端)でしょうか?》
解説MAX(以下M)《と言うより、それしか見た事がありませんけどね。》
《ただし、その攻撃力は半端じゃありません。ガードの上からでも、ガリガリとHPを削りますよ〜》
「まじかる〜〜〜ばりあ〜〜〜!!」
h《やはり、まじかるばりあーだ。》
《この技なら、もはや開幕に出しても勝てるんじゃないですか?》
M《いえいえ、端に追い込んでこそのばりあーです。》
ガリガリガリガリガリガリガリ・・・・
明らかにガード体勢を取っている『夜魅』に対して、容赦ないゴリ押し。
画面端(壁)とばりあーに挟まれた『夜魅』
やがてガードを弾かれ、そのまま直撃。
『夜魅』は消滅する。
h《決まったぁぁぁぁぁぁ!!》
《まじかるばりあーは正に攻防一体。》
《今日も『夜魅』のHPをゴッソリ削り取ったぁぁぁぁ!!》
M《さあ、お待ちかねの勝利のポーズですよ〜》
《個人的に、こころんよりも好きです。大好きです。》
h《それはMAXさんの特殊な趣味って訳ではないですよね?》
M《勿論です。》
さて、ここまでばりあーしか印象が無い『魔法少女ルーミ』だが、その姿は正に王道である。
純白のフリル多めのスタイルは、ミニのウェディングドレス風で清純さをアピール。
そして、可愛らしいステッキを持ち、マスコットキャラも白猫。
年齢的には、小学生位に見える。
そんな『魔法少女ルーミ』の勝利のポーズは・・・
ステッキ放り投げ、くるくると回りながら落下地点に移動。
これまたくるくると落ちてくるステッキをキャッチして・・・キメッ☆
可愛い☆のエフェクト付きである。
ちなみに、この☆も魔力で出しているのだ。
M《今日も可愛いですね。》
h《私個人的には、こころんの荒ぶる鷹のポーズの方が・・・》
M《それが特殊な趣味と言うやつです。》
h《 ・・・ 》
《そ、それでは、そろそろお時間の様です。》
《実況はherの人、解説はMAXさんでお送りしました。》
--------《魔法少女バトル 終了》--------
「はぁ、はぁ・・・間に合わなかった・・・」
「でも、まだルーミは、居るよ!」
「う、うん・・・」
こころ達が到着したのは、正に決めポーズをとり終わった直後である。
まだ『魔法少女ルーミ』はその場にいる。
「ちょっと、あなた・・・ルーミ!」
「そんな戦い方をしていては駄目。」
「直ぐに魔力が尽きるわ!!」
「そうだよ、それにここは、こころんの担当地域の筈だよ。」
「魔力の回復する時間もあるんだから、自分の担当地域だけに絞った方がいいと思うよ。」
「・・・」
『魔法少女ルーミ』は、こころ達の方を見ると、そのまま飛び去ってしまった。
勿論、飛ぶ事により大分魔力を消耗するのは言うまでもない。
「あの、白猫・・・」
「どうしたの?『かのん』??」
「いや、見た事が無いんだ。」
「僕達にも、マスコット協会っていうのがあって、マスコットは全員そこに加盟している筈なんだ。」
「ふ〜ん・・・」
「って言うか、寧ろマスコット協会ってのも初耳なんだけど?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
「まあ、そういうものがあるんだよ。」
「それで、それに加盟していないってどういう事なの?」
「つまり・・・もぐりのマスコットキャラって事になるね。」
「斬新な表現ね・・・ソレ・・・」
「んで、もぐりだと問題があるの?」
「おおありだよ!!」
「多分、ポイントの横流しが行われているに違いないよ!!」
「つまり、ルーミはあの白猫に騙されて、本当の使い捨ての消耗品にされているかもしれないって事さ。」
「ん〜良く分かんないけど、魔力が尽きるまで使われてポイ。」
「夢も叶わないって事?」
「うん・・・そういう事になるね。」
夢を叶える事は『魔法少女』に与えられる報酬。
日常を犠牲にして、『夜魅』と戦う者の当然の対価なのである。
「・・・めっちゃ大変な事じゃない!!」
「・・・僕、最初からそう言ってるよね?」
「本当にこころちゃんはおつむが弱いね。」
「ほぅ・・・何か言ったかな??か・の・ん〜〜〜」
ぼきぼきと指を鳴らすこころ。
「ぼ、暴力は反対だよ!!こころちゃん」
「問答・・・無用!!」
「突発必殺技・・・『お空にぽーーーん!』」
『かのん』をむんずと掴むと、全力で投げる。レーザービーム。某メジャーリーガーも真っ青である。
キラーン☆
『かのん』はお空の星になった。
「それにしても・・・ルーミ。」
「何とか、止めないといけないわね。」
中編に続くっ!!