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《さん》
ドラの手の平には小さい紙包みがにぎられていた。
『え?、何これ?』手に持っても殆ど重さが感じられない。
「聞いて驚け、これは、疲れないし眠くもならない薬だ!お前にやろう、大切に飲めよ!」
『えー?、いったい何なのこれ?』
「それはヒミツだ」
『副作用とかは?』
「多少習慣性があるが、一度や二度なら大丈夫だろう。」
『え"〜??、いったい何が入ってるのよ?、どこで手に入れたの?』そう言って私が包を開くと真っ白な微粒子が周囲に飛び散った。
「バカやろー、何するんだ、それ1つが3万円もするんだぞ!」
『さ、さんまんえん……』いったい何が入ってるんだ、ほんの僅かなのに、高すぎるだろう……
「入手もけっこうたいへんなんだ、大切に飲めよ!」そう言ってドラは後ろ手にドアを閉め、私の部屋から出ていった。
いつの間にか時刻は夜中の一時を回っている。勉強しなくちゃいけないのに眠くてクラクラする。手の中にはさっきドラがくれた怪しげな薬。
『怪しすぎて……飲めない……』
私は貰った薬を筆箱に入れ、机に突っ伏したままいつの間にか眠ってしまっていた。
そして朝。




