匂いフェチな幼馴染
「ど、どうぞ入って…」
「おじゃまします」
ある日俺、謙人は幼馴染の美咲を家に誘った。
「適当にくつろいでくれていいから」
「うん、お構いなく」
なんか…女の子を家に誘うの初めてだから緊張するな…
「謙人の家に来るの初めてかも」
「だろうな、誘うの初めてだし」
「謙人の部屋、キレイに片付いてるね」
「ま、まぁいつもキレイにしてるからな」
本当はさっき片したばっかだけど
「私の部屋よりキレイかも」
「そんなことないだろ」
「そんなことあるよぉ…ね、今度掃除のしかた教えてよ」
「え?まぁいいけど」
「ありがとー、えへへ///」
とまぁ、こんな可愛らしい幼馴染なのだが
「じゃあ俺、お茶の用意するよ」
「うん、ありがとー」
コポポポポ…
「よし、準備完了っと……おーい、お茶を持って………」
「はぁ…謙人のベッド、いい匂い…///」
「!!?」
なんだ?今の声は…俺の聞き違いか?
キイィ…
「もう…なんで謙人のベッドはこんなにいい匂いがするの…私のベッドは変な匂いしかしないのに」
「もうたまらん、たまらな~い///」
クンカクンカクンカクンカ…
な、なんじゃこりゃああああああああああ!!!??
な、なんで美咲が俺のベッドの匂いを…
「部屋全体がいい匂い…もしかしてファブ●ーズ?」
クンカクンカ…
「違う!これは…謙人の体臭…そう!そうに決まってるわ!これはまさしく獣の匂い!それしかないわ!!」
アホか、この幼馴染は
「この獣の匂いは他にはどこから来てるのかな…そうだ!!クローゼット開ければいい匂いがするかも」
え?クローゼット開けんの?
ガバッ
「あぁ…これが謙人の匂いなのね…この制服とかいい匂い」
「スーハースーハー…///いい匂い…」
俺の制服を嗅いでいる…ていうか俺ってそんな匂うのか?
「このYシャツもいい匂い…このズボンもたまらない…///」
俺の制服全部嗅いでる…
しかし、清純で可愛い幼馴染がまさか匂いフェチだとは…幻滅というかむしろ驚きだ
「いつも一緒に帰ってるとき、こっそり後ろから嗅いでるけど、よくよく嗅ぐと過激な匂いよね」
なに!?だからいつも後ろを歩いてたのか!!ていうか過激な匂いってなんだ
「他にもどこから匂うんだろう…あ、このタンスからもいい匂いが」
犬みたいに嗅ぎつけるなコイツは
「タンスの上段にはたぶんシャツが入ってるに違いない」
まぁ、シャツくらいならいいか
「と見せかけて、下段を開く!!」
なに!?そこは…
「謙人のトランクス…///」
クンカクンカ…
お、遅かった…まさか下段を開かれるとは
………しかしまぁ、俺の匂いをこんなにも好きなんて…
もしかして俺に気があるってことなのか?
確かに美咲は校内一の美人だし、清純派で人気だしな…でも
クンカクンカクンカクンカクンカクンカクンカクンカクンカクンカ………ハフゥ………/////
わずか数十分でイメージ崩壊だな(汗)
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次の日
「あ、おはよう…謙人」
ビクッ
「お、おはよう美咲…(汗)」
「昨日はお邪魔してごめんね」
「いいよ、気にすんな」
「あのね…それで昨日のことなんだけど」
「え」
もっもしかして昨日覗いてたのバレたか?
「昨日、掃除のしかた教えてって言ったよね?」
「あ、あぁそうだな」
「でね明日、私の家に来てくれるかな?」
「え…いいの?」
「うん///昨日行ったお返しに……………ダメ?」
「う///」
上目遣いで言われたが
「わ、分かったよ」
「うん、ありがと。でもなんでそんな複雑な顔してるの?」
「別に…」
昨日のことが蘇るからです
~~~~~~~~~~~
「は?美咲ちゃんのことどう思うかって?」
「そう」
友達の下谷に美咲について聞いてみることにした
「そりゃあ天使だろ、あんな清純な娘そうそういないぜ」
「まぁな…」
「うちのクラスにはブスが多い。でも美咲ちゃんは絶世の美女だからな」
「そう見えるかね」
「お前らは幼馴染だからな、羨ましいよ本当に……………爆発しろ」ボソッ
「え」
「美咲ちゃんのことどう思うか?」
美咲と仲の良い菜摘ちゃんに聞いてみた
「美咲ちゃんは結構男子から人気あるからね、美咲ちゃんと一緒にいたいからって、今度のクラス替えで担任に直談判する男子がいるくらいにね」
「あー…なんかそれ聞いたことある(汗)」
「人気があるのは確かよね」
あれこれ聞いてみたが、やっぱ人気があるんだな
なのに…
「謙人~」
なのにだ…
「謙人?」
なのに…どうして匂いフェチなんだよおおおおお!!
「??」
~~~~~~~~~~~
次の日
「おじゃましま~す」
「どうぞ上がって」
美咲の部屋に上がって、俺はすぐブレザーを脱いだ
カチャ…
「はい、お茶」
「ありがとう。あ、ちょっとトイレ借りるね」
「うん、1階の玄関の向こうだよ」
「分かった」
ガチャ
「……………さて」
また美咲が俺の匂いを嗅ぐのかな
そのためにブレザーを置いておいたんだが
キイィ…
「謙人の…ブレザー///」
クンカクンカ…
や、やっぱり嗅いでた
「さっきまで謙人が着てたから、残り香がする」
クンカクンカクンカクンカクンカ…
匂いを嗅いでうっとりしている
それにしても本当に俺の匂いが好きなんだな。
………それってつまり、俺のことが好きってことなのか?
「でも、匂いフェチだからなぁ…」
なぜかそういうところが受け入れにくいんだが
ガチャ…
「え」
「あ」
するとドアが開いて、目の前に美咲が
「……………」
「…………………………も、もしかして見てた?」
「……………」
「それで俺のブレザーの匂いを嗅いでたのは認めるんだね?」
「あぅ………はい///」
その後、ブレザーについて問い詰めたら嗅いでいたいうことを認めた
「はぁ…でもなんでそんな事してたの?」
「い、言わなきゃダメ?///」
「出来れば」
「わ、私謙人の匂いが好きなんだもの…///」
「……………」
いや、理由はなんとなく分かってたんだがな
「それってさ、美咲は匂いフェチってことだよね?」
「ち、違うよ!私は謙人の匂いしか嗅がないよ!!」
「それはそれで返答に困るんだが…(汗)」
「私もダメだとは思ってるんだけど、一度嗅いだら止まらなくて」
「お前はアルコール中毒者か」
「でも、その…やっぱり謙人の匂いは…///」
クンカクンカクンカ…
「おいおい!!また嗅ぐな!」
「お願い!!これ限りだから、今日一日だけだから!」
「それずるずる引きずってまたやるパターンだろ」
「今日だけだから!」
「我慢できるとは到底思えないんだが」
「謙人……させて…?」
「そこはかとなくエロく言うな!!///」
今、ちょっと心揺らいじゃったじゃねぇか!
「お願い…謙人の匂いがないと生きていけない」
「言い過ぎだろ」
「でも最近じゃ、外でも嗅がないと落ち着かないの」
「それは重傷だな…(汗)」
「お願い…謙人の匂い嗅がないと私、おかしくなっちゃうよぉ…」
そんな目で頼まれても…
「じゃあ、その…け、謙人と一緒にいたい…/////」
「な………/////」
いきなり何を言い出すんだ!?
「謙人の匂いを常時嗅いでいたいから…///」
「……………え?」
「そうすれば、私も落ち着くし、生きていけるから」
「……………」
「だから私と…付き合ってください!!/////」
「…………………………」
夢にまで見た美少女な幼馴染からの告白
付き合う?
YES NO
付き合う?
YES →NO ピッ
「すいません、勘弁してください」