第九話 録音
ツトム「今回は出番あるんすかねぇ・・」
がっつりあるよ!
ツトム「おお!早く読んでください!」
うわぁ・・
シンジ、トモさん、中井はブタをつれてアパートにもどった。
「お疲れ様っす。・・え?ブ・・赤沼!?」
シンジはツトムの一言でどれだけがんばってくれてるかがわかった。
「へぇ~・・・かなり調べてるじゃないですか。」
ツトムはほめられたのがうれしくて、頬をポリポリ書いている。
そこでトモさんが口を挟んだ。
「全くすごかねぇだろ。ってかなんでツトムには敬語なんだ?」
シンジはなやむ間もなく答えた。
「トモさんはなんか同年代なかんじがするっていうか・・ガキっぽい。」
「・・なんだと?」
トモさんがシンジにガンを飛ばすが、中井が割って入った。
「ふざけてないで、とりあえずツトムさんに説明しましょう。」
三人はツトムに手に入れた情報の一部始終を話した。
「なるほど。だから赤沼がここにいるのか。」
ふう、と全員が一息ついて、トモさんが話しだした。
「おい赤沼。お前はそのメールを送ってきた相手を知らないんだよな?心あたりは?」
「あ、あああったら、も、もう言ってるもん。
始めはシンジと中井だとおもってたぐらいだもん!」
「ああ、私たちが学校で言ってたこと聞いてたからね?」
シンジも「ああ、そういうことか。」とうなずいている。
トモさんはため息をついてブタに言った。
「心あたりがないんじゃあこれ以上ここにいても無駄か。
まあ書いた奴がわかっただけで十分だ。もう帰れ。」
ブタはなにか言いたげな顔をしている。
シンジはそれに気づいた。
「どうした?」
「きょ、共犯とかでつかまると思ってたんだもん。」
シンジとトモさんは見合ってちょっとふきだす。
「そりゃあ共犯になりかねないけどこれ知ってるのオレらだけだし。」
「ここはあの一発だけでゆるしてやるよ。」
そう言うとブタは気持ち悪い笑顔で帰っていった。
中井は、ブタを許した二人を見て、安心していた。
「じゃあ、情報をまとめるわよ。」
よし、と四人が円になったときに、パソコンの画面が明るくなった。
画面に〈LORDING〉の文字が現れた。あのサイトの・・更新の合図だ。
五分後。
ある男が北宮の殺された空き地にいた。どうやら誰かをまっているらしい。
ある男とは・・市間 タクミのことだった。
「君がDeleterだったのか。今日のことではっきりしたよ。」
「・・・・!」
現れたもう一人の『男』はそれを否定している。
そして、あの妙なものをとりだした。
「それが今まで使ってきた殺人道具だね?いや・・兵器とでもよぼうか。」
「・・・!・・・・・!」
兵器をもった男はかなりあわてながらその兵器をかまえた。
「・・やってみなよ。」
タクミは兵器をもった男にそう言いながら、録音機を取り出した。
「君の声は取っている。もう殺しても無駄だけどね。」
兵器を持った男は体を震わせながらタクミにつっこんだ。
タクミはそれを冷静にかわす。
「理由はDeleter。この言葉自体だよ!」
兵器をもった男はもう一度つっこむ。タクミはそれをかわすが、もう角に追い詰められていた。
「僕がここで死ぬってサイトに書き込んで置いたんだ。君はもう終わりだよ!」
そう言ってタクミは空き地の外の草の茂みに投げ捨てた。
(北宮・・君と付き合っていた時間は幸せだったよ。同じ場所で・・死ねるんだ。〉
タクミは突っ込んでくる男を前に、笑みを浮かべた。
「後は・・・頼むよ。・・・シンジ。」
鈍い音がした後、タクミは崩れ落ちた。
男は息を荒くし、逃げるように去っていった。。
〈僕、市間タクミは空き地で死ぬ。なお、録音機を投げておくから、あとは頼む。〉
その書き込みを見たあと、シンジとトモさんは空き地に向かった。
ついた時には、タクミが倒れていた。
「タクミ!タクミーーーー!!」
シンジがタクミにかけより、死体を抱きおこした。
「おい、シンジ!野次馬がくる前に録音機を見つけないと!」
トモさんがシンジに呼びかけると、シンジは立ちあがった。
「タクミ、絶対に捕まえてみせるから!」
トモさんが草の茂みで録音機を見つけたが、投げ捨てたせいでヒビが入っていた。
「まだあるってことはDeleterは急いでにげたみたいだな。
しかしこれじゃあなおせるかどうか・・・」
トモさんは録音機のヒビを見ていった。
しかし、シンジは携帯をだして、中井に連絡する。
「・・ああ、そうか。じゃあ今からもどる。」
トモさんはシンジの行動の意味がわからず、シンジに問いかけた。
「何してるんだ?」
「どうやらうちの天才は、20%復元できるらしい。」
トモさんはようやく納得して警察の部下に連絡した。
「オレはもどるから、あとは頼む。」
二人はアパートにもどった。
「録音機、どれ?」
シンジは録音機を中井にわたした。
「もう道具は用意してあるの。ちょっとまっててね。」
10分後。
「かなり内容が少ないわね。復元できたのは一文だけよ。」
全員が復元されたCDのまわりにあつまる。
「じゃあ、音量上げて再生するわよ。」
ザザーッというノイズと、足音がなっている。
足音が止まると、タクミの言葉が流れた。
「理由はDeleter。その言葉自体だよ!」
ここでCDが止まった。
全員が間に少し沈黙の時間があったが、シンジが気づいたように話しだした。
「理由がDeleter?それってまさか・・」
シンジは紙とペンを取り出した。
いやあ、次で決着です!
シンジ「感想よろしくお願いします!」
さすが主人公。こういうとこはしっかりとるね。