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Deleter事件  作者: ハヤともくん
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第四話 天才

第四話です。


トモさんの出番がかなり少なくなってしまいました(笑

北宮ナオ殺害事件。


それはDeleter(デリーター)事件の一部とされ、操作打ち切りとなった。



シンジたちはアパートにもどり、推理をしていたのだが、


「やっぱり、犯人の手がかりが少なすぎるな。」


そう言ったのはトモさんだった。


その通りである。ダイイングメッセージはなく、犯人からのヒントもない。


「そういえばツトム。E組のあやしい奴調べとけって言っただろ。どうだった?」


「ああ。僕とトモさんの聞き込みで手に入れた情報をまとめたら、けっこういましたよ。」


「それってブ・・赤沼とか、桜川のことっすか?」


シンジはツトムに自分があやしいと思っていた奴のことを話す。


「いや、赤沼はともかく、桜川はないだろう。江藤のことが好きだったのは確かだし。


 ぼくがあやしいと思っているのは高橋 コウキだ。」


高橋 コウキ。シンジとは高1の時にクラスが同じだ。高橋が疑われる理由は簡単だった。


「高橋が桜川のこと好きだからですよね?」


「うん。でも高橋の評判は上々。揉め事とかがなかったかしらべてるところだ。


 もう一人あやしい奴がいる。原谷 トシだ。」


シンジは原谷のことは知らず、首をかしげた。


それを見て、ツトムが説明をはじめた。


「原谷 トシ。いわゆる変態で、桜川が被害を受けたとき、江藤と揉め事をおこしているんだ。」


「・・・めちゃくちゃ怪しいじゃないですか。」


トモさんも同意見だった。


「まあ明日はその二人のことも見ていてくれ。」


気がつけばもう20時をまわっている。シンジは家にもどることにした。



20時30分。シンジは家への道の途中にある川をわたろうとしていた。


そこで、シンジは橋の上に人がいることに気づく。


「あれ・・・?」


どうやらほぼ同年代の女の子のようだ。


「え・・・?まさか・・・?」


今その女の子が橋の欄干にのぼったのだ。


「やめろ!なにやってるんだ!」


シンジは思わずさけんだ。すると女の子はシンジに気がついたが、そのまま靴を脱ぎはじめた。


シンジはいつの間にか走りはじめていた。そして自分も欄干にのぼる。


「死んでなにになるんだよ!馬鹿なことはやめろ!」


「シ・・シンジくん・・・?」


「え?」


その女の子は中井 ミカ。シンジのクラスメートだった。


「中井・・なんで・・?」


「シンジくん・・・止めないで。私はこの世にいていい人間じゃないの。」


中井は前かがみになり・・落ちなかった。


シンジが抱きしめていたのだ。


「命をそんな簡単にすてるなよ!」


中井の頬に涙が流れた。


シンジは我に帰り中井を欄干からおろした。



「さあ、事情を説明してくれ。なんで自殺なんてしようとしたんだ?」


中井は少しの間うつむいていたが、すぐに顔をあげて話しはじめた。


「Deleter事件で使われてる凶器は・・・私と私の父が作ったの。」


それは、意外すぎる返答だった。一呼吸おいて中井は続ける。


「私は怪物と呼ばれてきたわ。IQ200越えの頭脳を持って生まれたせいで。


 そして私の父はそれを利用した酷い科学者だったの。・・・」


そのまま中井過去の話を続けた。



「僕は神に選ばれたんだ!こんなに素晴らしい子供が生まれるなんて!」


中は薄暗く、妙な機械がゴウンゴウンと音をならしている研究室に


眼鏡をかけた男が一人と、幼稚園生ぐらいの小さな女の子が一人。


女の子は男に問いかけた。


「ねえパパ。これなーに?」


男は鼻息を荒くしてこたえた。


「これはねミカ。人間を一発で殺してしまう、素晴らしい武器、いや、兵器なんだ!


 僕はこれをやさしい人たちに売って、億万長者になるんだよ!!」


「ふ~ん・・・」


「わかったらミカ、キミの素晴らしい頭でこの仕組みを完成させてくれ!」



「・・・こうして私はなにがなんだかわからないまま設計図を作ってしまったの。」


「中井の父は今どうしてるんだ?」


「事故で死んだわ。その兵器を完成させた一ヶ月後ぐらいにね。」


シンジはようやく事情を理解した。


「それで設計図を作ってしまった自分が悪いとおもったのか。」


「だって・・私が生まれてこなければこんな事件はおきなかったのに・・」


「じゃあ決まりだ。お前は生きるしかない。」


シンジが当然のように言った一言の意味が中井にはわからなかった。


「・・・え?」


「作ってしまった以上、責任をとる必要があるし、なにより、


 その兵器を一番知ってるのはお前だ。お前なら・・犯人、Deleterを捕まえられる!」


シンジの答えは、中井の心に深く、しっかりと入りこんでいった。


「中井。俺は警察とチームを組んで捜査してる。お前も協力してくれ!


 俺には・・お前が必要だ。」


その瞬間、中井にはシンジが神の様に見えた。そして、決断した。


「・・・うん。私、協力するよ。」


シンジに協力することを。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。


状況を表す文を多くしてみました。


感想よろしくおねがいします。

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