碧衣 目覚め 7
隣のテーブルでは、イベントの打ち合わせだろうか。
スーツ姿の男性2人と、亜麻色のサマーニットに同系色のスカーフを首に巻いたモデルのようないで立ちの男性から、宝飾ケースの大きさと台数、首トルソー、リングスタンド・・・などの用語が放たれ碧衣の耳に届く。
ージュエリーのイベントっぽいな。スーツの男性は業者?営業?で、もう1人のお洒落な人はデザイナー?モデル?
男たちの職業を推察しながら横目で様子を伺って、コーヒーを啜りながらこのひと時を楽しんでいた。
モデルらしき男性が長袖のサマーニットの右袖を少したくし上げた時、日焼けした腕に白い包帯が巻かれているのが目に留まった。何となくその包帯から目が離せなくて見ていると、その男性の視線が碧衣に向けられていることに気付く。
ーうわっ!やっぱりモデルじゃない?・・・それとも芸能人?滅茶苦茶イケメン!
襟足を刈り上げた茶髪は、センターパートでゆるくパーマをかけて自然に流しているようだ。はっきりした二重瞼に切れ長の目。すっと通った鼻筋。薄い唇は何か言いたげに少し開いている。
男性と視線がばっちり合っているのに、なぜか碧衣は目を逸らすことができないでいる。
一方の男性は驚きを隠せない様子で、碧衣に目を見張っている。
左眼から一筋の涙を溢して。
次からは直紀が碧衣に会うまでの章になります。
明日からは休みなく毎日12時頃に投稿できる目途ができました。




