小浜逸郎「人はなぜ働かなくてはならないのか」まとめ(テスト対策)
「人はなぜ働かなくてはならないのか」=「労働の意義」
問い…「人はなぜ働かなくてはならないのか」
↑ 拭いがたくまといつく
あるネガティブな動機=働くこと自体への懐疑感情
理由…働くことにはさまざまなつらさがつきものだから
労働の苦痛に対する不条理感覚が複合的に織り込められているから
不条理感覚の鬱積により
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答え…「あくせく働いたってばからしいだけだ。金さえあったらとっくに仕事なんか辞めてやる」
問い…「なぜ人は働くのか」(に問いの形を変えると)
答え…「好きな仕事に就くことで、人生の充実を味わえるから」
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(しかし)実際は「いやいやながら」働く方が圧倒的に多い
問い…労働の意義
答え…モラル・道徳観念から 例「働かざるものは食うべからず」
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この答えは不十分
…道徳観念は、それだけで絶対的に(独立して)自己原因的に(自分を基本・根拠として)は成立せず、むしろ人間どうしの欲求や行動の交錯(入り交じること)が生み出してしまう秩序の混乱を避けようという必要から二次的に(副次的に、ついでに)考案された知恵に他ならず、それを純粋(絶対視し)かつ教条的に(権威的に・権威のあるものとして)通そう(貫こう・行おう)とすると、必ず、人間の活動実態(実際の活動・行動)との間に無理な齟齬(食い違い)を生み出してしまうから。
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過度な勤労道徳の重視によって人間の労働の意義を根拠づけよう(捉えよう・見出そう)とすると、そこにはかえって強制感と抑圧感・押さえつける感じが付きまとうことになり、再び、「なぜこんなにあくせく(せかせか・落ち着かず)働かなくてはならないのか」という疑問を強く導き出してしまう。(から)
(このように)道徳観念を重視すべきだという考えがことさら強く意識されるのは、かえって、それまで自明なもの(言うまでも無く明らかなこと)とされていた無意識的な(意識されなかった)規範感覚・道徳を守ろうという感覚が崩れて、あちこちでほころび(乱れ)を見せ始めていることを示しているから。
(仕事の)つらさや不条理感覚が広がるほど、道徳観念がヒステリックな形で(人間との)対立物として立ち現れる(姿を見せる・目前に表れる)(ことになる)。
問い…「労働の意義」を根拠づけている(根拠となる)もの
答え…私たち人間が、本質的に社会的な存在であるという事実そのもの
私たちの社会的な存在そのものによって(労働が)根源的に(もともと・
初めから)規定されてある(定められている)
彼が属する社会のなかでの一定の役割を担う
人間の社会存在的本質に宿っている
社会的な共同性全体の連鎖的関係を通してその意味と本質を受け取る
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これには三つの意味が含まれている
①労働による生産物やサービス行動は、必ず
・「だれか他の人のためのもの」
・その他の成員・構成員一般・全体・全員のため
という規定を帯びる
②ある労働が可能となるために、人は、他人の生産物やサービスを必要とする
③労働は、社会的な人間関係それ自体を形成する基礎的な媒介になっている
◇まとめ
労働は、一人の人間が社会的人格としてのアイデンティティを承認されるための、必須条件。(社会の一員として認められるために必要な行為)




