余命一言
中学生の頃に受けた苦い経験から、殻に閉じこもってしまった高校生、佐藤優希は登校中クラスメイトの女の子に落とし物を拾われる。その少女はここ最近、かつての明るさと社交性を失い、暗い人へと変わりつつあった。少女、中野色葉は佐藤を放送部に誘った。佐藤はいやいやながらも交換条件をつけて放送部に入った。それから佐藤は失敗を重ねながらも中野と親睦を深めていく。そんなある日、中野は血を吐いて倒れた。その時、佐藤は彼女が余命幾許もないことを知る。その病気は喋ると寿命が減るというものだった。佐藤は中野と会話することをやめるため、彼女から逃げた。しかし、中野がプールで自殺を図るところを目にし、たまらずもう逃げないことを決断する。そのまま二人は時を過ごし、中野は修学旅行先で命を落とす。中野の死を受け止めきれない佐藤であったが、留守電に隠された中野の遺言を見つけ、かつての苦い経験を克服し、前を向いた。
余命を皮切りに正反対の性格を投影し合う、高校生二人の青春小説
余命を皮切りに正反対の性格を投影し合う、高校生二人の青春小説
序章
2023/07/11 00:38