天空の花冠
とてもむかしのできごとです。
まだどこにもなにもなかったときのおはなしです。
くらいくらいやみのなかにいくつものひかりがありました。
ちいさなひかりはあつまったりはなれたりして、だんだんとよっつのおおきなひかりになりました。
かんがえることができるようになったひかりたちは、じぶんのいちぶをたねにかえてせかいにはなちました。
たねはせかいにおちてめをだし、よっつのたいりくになりました。
そのたいりくにひかりたちがまいおりると、それぞれのたいりくにたくさんのはながさきました。
ひかりたちはそのはなをあつめて、おおきくてとてもきれいなはなかんむりをつくりました。
けれどそのはなかんむりがとてもきれいだったのでひかりたちはみんな、じぶんがひとりじめしたくなりました。
ひかりたちがあらそうとたいりくがゆれてくずれて、いくつものしまができました。
そんなとき、どこからかあらわれたにんげんが、ひかりたちのめをぬすんではなかんむりをおそらにかくしてしまいました。
たいりくといっしょになってとべなくなったひかりたちは、てがとどかなくなったはなかんむりをあきらめてながいながいねむりにつきました。
こうしてせかいはしずかにへいわになりました。
むかしむかしのとてもふるいおはなしです。
私が書く物語の世界に共通のというか、基本のお話です。
寝物語というか普通に育てられてたら一度は耳にする話です。