札幌の市街地に出たヒグマについて、感覚が麻痺した北海道民の反応。
突然ですが、
家から出たら、目の前にキツネが居たってこと、ありますか?
僕も最近、知ったことですが普通はないらしいです。意外だね。
木の上にはキツツキやリスがいて、道路を走ればシカを轢きそうになって、熊出没のニュースが珍しくない北海道。
札幌の市街地に出たヒグマが射殺されてしまった件について、幼いころから親に、ヒグマ知識を教えられる道民は、
「かわいそうだけど、現状では難しいんだよね~……」という反応が多かったです。
ここからは、僕が知っているヒグマ知識をドヤ顔で書いていきたいと思います!
①麻酔銃を使うと、ハンターさんもヒグマも命の危険が。
ヒグマを殺さずに森へ帰すためには、麻酔銃を使わなくてはいけないのですが、ハンターさんは命がけ。その理由の一つが、
麻酔銃の射程が数十メートルしかないこと。
母ちゃん曰く、
「麻酔銃の種類によって、射程は変わるよ~」
息子に何を教えているんだろうか……。
射程が短い理由は、麻酔薬が重いから、注射筒が重いから、などがあります。ぶっちゃけ、あまり詳しくないです……。
他にも、理由があります。
ヒグマ「人間が作った野菜、うめー」
「よし、奴は油断している……。今だッ!」
命中! ですが……
見た目は子ども、頭脳は大人の某アニメのように、命中しても一瞬で眠ってはくれません。十分以上もかかります。
そう――、
ヒグマ「痛てえな、ゴラァッ!」
「うわああああ!」
襲ってくる……!
撃たれたヒグマは、もちろん興奮状態。さらに、ヒグマの時速は四十キロ。
ヒグマ「知ってたか? ヒグマからは逃げられない!」
とまあ、このように、命がけです。そして、大魔王ヒグマ様にも命の危険があります。
麻酔薬の量は、体重によって変わるのですが、
「体重何キロ?」
ヒグマ「レディーになんてこと、聞くのよ!」
野生のヒグマの体重は分かりません。少なすぎると全く効かず、多すぎるとヒグマは死んでしまいます。
そして、やっとの思いでヒグマを寝かせても。
「重いな、コイツ……」
山へ運ぶのは重労働。ですが、住宅街にエサがあると学習したヒグマはまた戻ってきてしまいます。
ヒグマ「うっす、また来たよ」
恐怖。
②麻酔銃は選ばれし勇者だけが、持つことができる。
麻酔銃を扱える人は、かなーり限られるんですよね。
というのも、①で書いた通り、麻酔薬は量を間違えると危険なので、免許が必要(獣医師など)。
「お前、免許持ってる?」
「持ってる」
「よし、逝ってこい」
「動くヒグマなんて、撃ったことねえよ!」
そして、獣医師で、銃も扱える人。そんな人はどこにでもいるはずがありません。到着にも時間がかかってしまいます。
「やっと、着いたゾ☆ 被害は!」
ヒグマ「ハーッハッハッハ! 遅い、遅すぎるぞ勇者ァ!」
「そ、その残骸は……」
ヒグマ「これか? 夕張メロンだ……!」
「貴様ァアアッ!」
……手遅れになることもあります。ところで、
『コ◯ン君……。免許は……』
③ハンターさんの実態について。
そんな訳で、人の命を優先し、仕方なく射殺。ということが多いのですが、ハンターさんについても語らせてほしいです。
「熊肉を売って儲けたいだけだろ!」という意見がありますが、実はそんなことないんですよ。
熊肉は、クセがあって人気ではありません。
ヒグマ「失礼な!」
毛皮も、あまり売れません。昔は富裕層に買われていましたが、今はあまりないです。
何を言いたいかと言いますと……
「ボランティアかよ!」
利益は全くないです。少ないお金で、ハンターさんにお願いする形なんです。
なので、命がけで道民を守ってくださるハンターさんへの非難は、少し嫌な気持ちになります。
まとめ。
・殺さずに、森へ帰すのは大変。
・麻酔銃は限られた人だけが扱える。
・ハンターさんはすごい(小並感)。
「現状では難しい」のですが、殺すなという意見は当然だと思います。住処を奪ったのは人間ですから。でも、抗議の電話はやめてほしいです。
僕が伝えたいのは、感情に任せて抗議をしないでほしい、ということ。
ヒグマの怖さ、人間への被害、ハンターさんの苦労。
それらを全て知った上での、抗議でなくては抗議とはいいません。
おまけ。
熊が道路を走る映像を見た、父ちゃんの反応。
「……元気だなぁ」
現代社会の闇。