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06.人は見た目で判断してはいけない

大きなわんちゃん(狼)の名前は蒼藤あおふじです。普段は姿とか見せませんが会話は常に聞こえるので急にでてきて喋ります。

あれ?私どうしたんだっけ?


「やっと、起きましたか。起きたり気絶したり忙しい人ですね。」


ひぇぇぇ、目を開けたらすぐにイケメンの顔が!

そうだ。私、あの世にきちゃったんだ。そして周りの……あの景色をみて…。


『思い出したら気持ち悪くなってきた。』


「あれくらいで気絶するなんて本当に人間って弱いですね。まだ軽い罪の刑場なのに。」


『あ、あれで軽いの……。ところでここは……。』


閻魔(えんま)殿にある私の徹夜専用の部屋です。まあ、徹夜なんてしょっちゅうなのでもう住んでいるのに等しいですけどね。」


『徹夜専用………。あ、そういえばまだ名前……。』


「申し遅れました。私は………。」


急にイケメンは考え込んでしまった。あー、そうか。


『名前聞くなら自分から名乗れって事だよね。私は本田みのりです。』


「はい、知ってます。いえ、そういうことではなく。私は真名、まあわかりやすく言うと本当の名前を名乗れないので色々と名前のようなものがあるのですが……。どれを名乗ればいいのか……。」


『本当の名前を名乗れない?』


「もう無いとは思いますが真名をを教えるとその者に魂を握られ支配されます。そのせいで昔色々とありまして。」


なるほど、少しトラウマなのね。


『どんな名前があるの?』


「そうですねえ。たまに無間(むけん)と呼ばれる事もありますが。ほとんどは雷に人と書いて雷人(らいと)と呼ばれますね。ごく一部では幼名の(いかづち)と呼ぶ人もいらっしゃいます。あ、幼名は先ほどのことは起きないので大丈夫ですよ。」


『雷がつく名前が多いんだ。じゃあ、雷人さんと呼ぶね!』


「様をつけろ!主様は偉いんだぞ!あと敬語を使え!」


『わ!また大きな犬!まあ、確かに敬語にしないと失礼だよね。』


「犬じゃない!狼だ!」


「はいはい、それくらいにしてください。きりがありません。名前についてはそのうち話します。先ほどの話しの続きですが…。」


『あ、そうだ………じゃなかった。そうですね。あの世すらこれなくなるってどうゆうことですか?』


「貴女があった怪異は生気、魂を食べるもののようです。今現在、何人か犠牲が出ているようですがその方達の魂が何処にも無いんですよ。しかも、厄介なことにその怪異は生者だけで無く亡者すら襲うようですし。おかげでこちらは対応に追われて困っているんですよ。」


へー、魂が食べられて消えちゃうんだ……。え、でもちょっと待って。


『そしたら、何で私は魂が食べられずにいるんですか?』


「ああ、それは貴女の背後霊が代わりに喰われたんですよ。」


『え?背後霊?守護霊とかではなく?』


「貴女は色々なものを引き寄せる割に守護霊はとても弱いんですよね。なのでそれを補佐するような感じで背後霊もついてたみたいですよ。おかげで今回は貴女の背後霊が代わりに喰われたのでギリギリ助けられたんです。」


『じゃあ、もうその背後霊さんは転生も何も出来ないんですか?』


「まあ、そうですね。」


『そんな……。それで今元に戻ったら危険なのって……。』


「貴女って私達からしたらとても美味しそうな匂いがするんですよ。そんなご馳走を取り逃がしたらまた襲いに来るでしょう。だから、あの世で私の近くにいた方が安全というわけです。」


『で、でも。体は現世にあるんですよね?その方が危なくないんですか?』


いくら魂が無事でも体がなかったら元に戻れないじゃない!


「その点でしたら大丈夫ですよ。私の式神の2人が貴女を守ってますし。メインはこちらにあるので体は大丈夫でしょう。それより…。」


え?何で私の体見てるの?そういえばさっき私は美味しそうな匂いがするって…。さっき守るって自分で言っておきながら!


「食べませんよ。生者は食べない決まりがあるので。それに、私は人間食べませんし。貴女の服装ですよ。」


『え?あー。制服だからか。こっちにいるってことは服とか必要ですもんね。あの世って洋服より和服とか多そうですもんね。あ、でも買うにもお金無いから買えないし…。』


「一着くらい貸しますよ。丁度この前に頂いた新品があるので。もちろん、女物なので安心してください。」 


彼女の着物とかならともかく頂いたものって?もう奥さんがいて奥さんがもらった物?そうだよね。これだけイケメンなんだから。結婚くらいしてるよね。


『あ、でも。私自分で着物とか着られないですよ。』


「それなら、私が手伝いますよ。」


『い、いいです!』


いくらイケメンだからって男の人に下着姿を見せるとか無理!


「自分で着られないんでしょう。私が説明しながらやったほうが早い。」


『だからって、男の人になんて無理です!式神さんとか奥さんとか呼んでください!』


「は?私に妻なんていませんよ。何を勘違いしているんですか?それに……。」


え?奥さんいないの?じゃあ、彼女さんの物とか…?考えたくないけど自分用?女装趣味?え?なんなの?頭が混乱してきた…。


「ハハハ!主様!この人間、主様の事を雄だと思ってる!主様は雌なのに!アハハ!」


『え?雌?と言うことは雷人さんって女の人?え?こんなにかっこいいのに!?』


私がそう言うと雷人さんは溜息をついて私の手をつかんで自分の胸に……。


『え!?あ!ちょっと!……………………。男の人と間違えてごめんなさい。』


柔らかかった……。そこそこあった……。


「いいんですよ。いまだに女性から付き合ってくれだの結婚してくれだの多いので慣れてます。」


人(雷人さんは人かどうか知らないけど)は見た目で判断してはいけないですね。

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