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28.誰か雷人さんに休みをあげてください

ブクマ&評価ありがとうございます!

「おいおい、雷人大丈夫か?凄い隈だぞ。」


 お盆休みの2日目、私は休みでも働いている雷人さんの所に来た。拷問技術課の虎杖さんが雷人さんの顔をのぞき込んでいる。私が雷人さんの部屋に向かう途中でばったり会いそのまま虎杖さんは着いてきた。


『雷人さん、ちゃんと休めてますか?』


「いいえ、全く。また怪異が発生したらしくて今対応に追われているんですよ…。本当にポンポンと発生して困ってます。」


『前から思っていたんですけど、雷人さん以外に怪異の対応って出来る人いないんですか?』


 流石に雷人さん一人にやらせるとかそこまであの世はブラックじゃないだろうし、


「出来たら苦労しませんよ。この仕事は天照大神様から私だけにと与えられたものなんです。と言っても式神がいるので1人だけの仕事って訳ではないですが。」


 雷人さんは淡々と喋りながら書類を書いている。葵さんなどの式神がいたとしてもこういった書類は雷人さんがやっているわけで…。


『あの世って凄いブラックなんですね。』


「それにしても、前からこんなに怪異が発生しやすかったか?数年に1度あるかないかくらいだったろ?」


 え、意外と怪異って多いの!?起きたとしても雷人さんが世間に怪異の存在を隠しているのかな…。


「今は異常です。今回のを入れて5件も発生してます。おかげで休みなんて全て消えてますよ。」


『あれ?今回ので4件目じゃないんですか?葵さんの話ではそうだった気がするんですけど…。』


「お前、ついに足し算すら出来なくなったのか…。もう休んだ方がいいと思うぞ。」


 虎杖さん、雷人さんを心配しているのかしていないのかわからないですよ。


「ああ、それは私1人で解決したので葵達は知らなくて当然です。ところで、みのりさんはいいとして貴方は何をしにきたんですか?」


 雷人さんは手を止めてギロッと虎杖さんを見た。眠気のせいかはわからないけど目つきが凄い鋭い。思わず声が出そうになるほど怖かった。


「そう睨むなって、お前にこれを渡しに来たんだよ。お前、こういうの好きだろ?」


 虎杖さんが渡したのは「世界の拷問・処刑道具展」と書かれた恐ろしいチケット。え、何この凄く恐ろしい展示会。


「確かに好きですが、このイベント期間中に休みがないので無理ですよ。それに、何で2枚あるんですか?みのりさんや姉上にはこういうのは見せられませんよ。」


 あ、本当だ虎杖さん2枚チケット持っている。え、もしかして…


「はあ?もう1枚は俺用だよ。俺は拷問技術課だぞ。勉強だよ、勉強。間違えて2枚手配しちまったからお前に渡しただけだ。」


「でしたら拷問技術課の方に渡せばいいでしょう。私は専門外ですよ。」


「他の部署の奴と行ったほうが新しい発見があるだろ。だから外交課のお前と行けばいいって考えたんだよ。」


 デートのお誘いですよ!雷人さん、気づいて!虎杖さんも素直に一緒に行こうって言えばいいのに…。


「先ほども言った通り休みがないんですよ。私以外の者を誘ってください。」


 頑張れ虎杖さん!


「これ現世でやっているやつなんだよ。現世に行くためには色々な手続きが必要だろ?お前は好きな時に行けるようになっているからそんな面倒くさい事は無い。休みは俺が閻魔大王に言ってやるからさ!」


「はあ、わかりました。では今回の怪異が解決したら行きましょう。」


「本当か!絶対にすっぽかすなよ!」

 

 やった!虎杖さんは凄く嬉しそうに笑っていた。

 

『あ、そろそろ私行きますね。雷人さん、あまり無理しないでくださいね。』


「俺も行くか。じゃあな雷人、倒れるんじゃねーぞ!」



 虎杖さんと私は部屋を出た。


『虎杖さん!やりましたね!雷人さんとデートですよ!デート!』


「ば、バカ!デートじゃねーよ。ただ一緒に現世視察に行くだけだ。」


 顔を真っ赤にして虎杖さんが答えた。この人って雷人さんと違って顔に出やすいな…。


『はいはい、少しは素直になった方がいいですよ。それにしてもよくあんな恐ろしい展示会の事知っていましたね。』


 ちょっとピリピリした空気だったから突っ込めなかったけど拷問器具とかの展示会がまさか現世で行われるなんて思っていなかった。虎杖さんが現世でやるって言うまで地獄でやるのかなって思ってたから凄くびっくりした。


「この前食堂のテレビでこの展示会のCMをやっていてな。その時にちょうど雷斗が近くにいてボソッと「これ、良いですね。」って言ってたのを聞こえたんだよ。んで今後の勉強になると思ってチケットを入手しただけだ。」


 そう言い虎杖は物凄い速さで帰って行った。

 私は1度甘味処に帰って桜さんにこの事を伝えたてみたら翡翠さんに話しが行き、そしたら大雷様に話しが行ってしまい大変なことになってしまったのは言うまでもない。

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