表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/43

01.日常

『帰りたい。』


 思わず声に出てしまうのも理由がある。私、本田みのりは漢字テスト、英単テストが大の苦手である。それはもう一度も再試験や課題提出回避なんて無いほどに。

 そして、その嫌いな漢字テストが今日ある。


「え、まだ朝練すら終わってないのに?」

 高校で初めて出来た友達の春ちゃんは大きな可愛い目がより一層大きくして驚いていた。


『だってさー、今日漢字テストだよ!またあの鬼畜なプリントやるんだよー。部活だけやって帰りたい。』


「みのりちゃん、漢字とか嫌いだもんね。あ、次の所のテンポ120でもいい?」


『いいよー。早く上達しないとまた怒られるし。』


ちなみに、今いるのは音楽室。私は吹奏楽部でホルン(よく言われるけどカタツムリみたいなやつ)を担当している。


「そういえばさ、みのりちゃん今朝のニュース見た?」


『あー、また変死体がでたんでしょ?確かカラッカラに干からびたやつだっけ?物騒だよね。』


 珍しいな春ちゃんからこういう話題が出るなんて。


「あれって、人間がやったのかな…。それとも…」


『人間以外の何かって?まさか~。この日本で干からびるなんて無理だと思うけどさー。』


「そうだけど…。なんか怖いな」


『あ、練習時間無くなっちゃうよ!ほら、やろう!』


 妖怪とか幽霊とか小さい頃はそんなの気にしなかった。というより信じていなかった。でも、小学校の修学旅行で暴走した車に引かれそうになったときに視えるようになった。そのときは誰かに前へ突き飛ばされてギリギリの所で助かった。後ろを振り返ると綺麗な女の人が立っていた。でもすぐにいなくなってしまった。

 それからはたまに視えるときがある。お婆ちゃんに相談すると私が7歳の時に貰った数珠をいつも持っていなさい、黒い影には近づくなって言われた。私的にも無視するのが1番だと思った。


放課後


『先生ー、今回は頑張ったんです。いけると思ったんです。』


今回は本当に頑張った前回のテストから毎日勉強したし、手応えもあった。けど…


「確かに今回の本田さんは今までよりいい点数だけどねぇ。でも合格点にいかなかったし。今回も課題提出頑張りなさい。」


 先生は苦笑いしながらプリントを2枚渡してきた。これが他にも勉強がある私にはキツい。


『はーい。先生さようなら。』


「はい。さようなら。帰り道気をつけてね。今物騒だから。」


『あ、干からびた死体の事件ですか?』


「そうね、この辺じゃないけどすぐ近くでも事件があったし。危険を感じたらすぐに逃げること!」


 先生も知ってるんだ。そりゃ、そうだよね 。もう5件も同じような事件があるんだから。


『はーい。気をつけまーす。』


私は知っているこの後に絶対事件に巻き込まれるって。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ