12.甘味処での雑談
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私が桜さんの元で働き始めてもう1週間。地獄で働いている獄卒の方達はとても親切だった。皆、私の身に起きたことにとても心配してくれたし、慣れない地獄での生活でのアドバイスを沢山貰った。
『え!桜さんって結婚して子供いたんですか!凄く若いのに!』
「子供だけじゃなくてひ孫の顔まで見たの!こう見えて私はお婆ちゃんよ!」
話しによると生前に大きな功績を残した人はあの世では全盛期の姿になるらしい。そして、今の桜さんの姿は1番剣の腕が凄かった時の姿で20代くらいじゃないかと桜さん本人が言っていた。
桜さんの旦那さんもこの甘味処で働いている。一瞬鬼かと思うほど強面な人だけどとてもいい人だった。
なんと、甘味処を開きたいと言ったのは旦那さんのほうらしい。旦那さんは大の甘党で自分でもお菓子を作るのも好きで「だったら甘味処でも開けば?」と桜さんに言われこの甘味処を始めたらしい。
桜さんの旦那さんが作るあんみつは凄く美味しいと評判で毎日女の人中心にお客さんがいっぱいくる。
それと、とても大事なことが1つわかった。春ちゃんはまだあの世にきていないらしい。本当は教えてはいけないらしいが仲良くなった獄卒の方が春ちゃんらしき人はまだいないと教えてくれた。なんでも、人が死ぬとその人の裁判のために色々準備があって誰が死んだかわかるらしいんだけどまだ春ちゃんについての準備とかが無いためまだ生きていると言うことがわかった。魂が喰われた可能性も低いと桜さん経由で雷人さんから伝えられた。
その雷人さんだけど最近見かけないんだよね。初日から2日間くらいはここにも来てくれたけど…。あの徹夜専用部屋に行ってもいないし…。
『あの、桜さん。雷人さんってお仕事なにをしているんですか?』
お客さんがあまり来なくなったときに桜さんに雷人さんについて聞いてみた。桜さんは多分知っているだろうし。
「師匠の仕事?外交関係だって昔言ってたよ。」
「桜、安倍川餅出来たから届けてくれ。」
普段無口な桜さんの旦那さんが厨房からひょっこり出てきた。体の所々に安倍川餅のきな粉がついている。
「はーい!あ、みのりちゃんも手伝ってくれる?ちょっと量が多いの。」
『わかりました!配達場所はどこですか?』
「着いてくればわかるよ!」
この甘味処は仕事が忙しいせいで来られない人のために客があまり来ない時間に配達を行うサービスがあった。利用者は死んだ人間の記録をまとめる仕事の人達がほとんどだったので多分そこだろうと思った。
あれ?桜さんも寮にいるんだよね?家庭は?
と思った方も居ると思います。
私も書いていてあ!しまった!と思いました。
雷人さんが頼んで桜さんも一緒に寮に住んで貰っているということにしといてください。
そして、タイトルをあの世➡地獄に変更しました。最初は天国の事も書こうかと思っていたのですが地獄がメインになりそうなので変更しました。
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これからもどうぞ『拝啓おばあ様、私は地獄でバイトをしております。』をよろしくお願いします。