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続·アリステニアの恋愛調香師。  作者: 小鳥遊ことり
9/12

9.ナユユと聞き耳屋

あの、お姉さん、こんなところに座り込んでどうしたんですか?

・・・聞き耳屋?どんな話でも聞いてくれる・・・なるほど。

じゃあちょっとだけ、僕の話をしてもいいですか?


僕、初頭学校の時にずっと苦手だった同級生がいたんです。

小さなことで人をバカにしたり、乱暴で、正直に言うと、こんなやついなければいいのにって思ってました。


・・・なんですけど、つい最近再会して。昔とちっとも変わらない彼が、哀れに見えました。

方向性がちょっとズレてるだけで、よく見てみたら、ひたむきで真っ直ぐなやつなのに。

環境が変わって、僕の見方が変わったのかもしれません。


それでまぁ、いろいろあって、その彼が僕に謝りに来てくれたんです、昔のこと。

そりゃ、思うことはいっぱいありますよ。今までの文句のひとつやふたつやみっつやよっつ、並べてやろうとも思いました。

でんなんか、もういいかなって。

僕は昔のまま、立ち止まってるわけにはいかないんです。彼が前に進み出したように。


それからは、時々会ってますよ。

友達付き合いなんて気持ちのいいものじゃないけど・・・僕の修行の邪魔をしにくるから、相手してあげてるだけです。

僕に追いつこうとして悔しそうに必死で練習してる顔とか、なんかかわいいんですよ。ふふ。


あ、っと。僕、もう行かなくちゃ。

知り合いの結婚式の招待状をもらって!まだしばらく先なんですけど、僕こういうの初めてだからすごく楽しみで。

これからちゃんとした服を買いに行く約束をしてるんです。・・・いいえ、親とじゃないですよ。恋人とです。

なんですか?そんな目を丸くして。

それじゃあ、また来ますね。

さよなら、お姉さん!

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