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続·アリステニアの恋愛調香師。  作者: 小鳥遊ことり
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4.リリーと聞き耳屋

あぁ、よかった、今日はいらっしゃった。

今、良いでしょうか?・・・では、失礼して。

・・・そう、先日お会いしましたわ。覚えていらしたのね。結局、ケイトリン・・・ほら、あの強風の日に一緒にいたもう一人の。あの子よりも先に、ここへ来てしまいました。

確か、人には言い難い話も、聞いて下さるんでしたね。あれから、貴女に話を聞いて貰えたら、心の内が晴れるのではないかと思って、何度もこの広場に足を運んだのですよ。今日こそ会えて良かった。


さて、本題ですけれど。

私ね、実は年下の恋人が居るんです。きっと貴女が思っているよりも、もっとずっと、驚く程年下よ。

・・・でも、素直で、真っ直ぐで、とてもいい男。ふふ。

彼は今、私の元で下働きをしながら少しずつ占術のいろはを学んでいるのですが、この頃私は迷っているのです。ご家庭の事情で進学が叶わないのであれば、私が、彼をちゃんとした学校に通わせてあげた方が良いのではないかと。

だってあの子は本当に聡明で、教えた事は面白いほどに吸収するから・・・。しっかりした教育を受けた方が、今のままよりもきっと彼のためになるのではないかと思うの。

・・・とは言え、彼は彼なりに、忙しそうではあるんですけどね。

週の半分はケイトリンから恋愛のことや調香師の仕事を学び、他にも、何人かの町の大人が、彼に剣術や機械のことを教えてくれているらしいから・・・。

あら、答えはもう出てるのではないか、ですって?

・・・そうね、学校に通うだけが、教育ではないものね。

彼は彼らしく、可愛がってくれる大人達から沢山のことを吸収しているんだわ。

私がすべき事は、心配することではなく、信じて見守ることなのかも。


有難う、迷いが晴れました。こちらはお代です。

不思議な人ね、本当に話を聞いてもらっただけなのに、貴女が微笑んで頷いてくれるだけで、心で疼いている棘が消えていくよう。

またいつか、今度は愉快な話を聞かせに来たいものだわ。

では私はそろそろ。今日は、話を聞いてくれて有難うございました。


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