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妻は小説家、夫は主夫  作者: マリーミチコ
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強敵のパソコンで年賀状作成②

翌日。

さぁ今日は年賀状の宛名を作成しよう。

僕は昨日のソフトから宛名書きを呼び出した。

珠美から渡された住所録を見ると、100人近くやらなきゃいけない。気が遠くなりそうだ。珠美が言うには、前のパソコンが壊れて今年買い替えたパソコンだから住所録はイチからやらなきゃいけないとか言ってたな。


郵便番号を入力すると住所まで自動で出た。

これは便利じゃないか。僕は初めて知った。

番地や宛名は入力しないといけないから間違えちゃダメだな。

よし、まず1枚目ができたから次。

しかし、時間がかかる。出す人が多いから仕方ないけど。

15人分進んだところで一旦家事。


休憩がてら、珠美とお昼ごはんを食べていた。

「あなた、雑誌の新連載は読んでくれた?」

「読んだよ。大学生の恋愛を描くなんて新鮮だね。まだ序盤だからこれから展開していくんだろうけど、君はいつもどうやってストーリーが思い浮かぶんだい?」

「そうねー直感的なものというか、パッとひらめいたり。あとはカフェなんかで話してる人達が恋愛話をしているのを聞こえてきたら参考にしたりね。聞き耳を立てているわけじゃないけどね」

「そっかぁ。今までの作品も君の体験談じゃなさそうだしね。君は意外と恋愛経験ないっぽいし、若い頃の恋愛願望や妄想で書いてたんじゃないかと思って‥あっ、いやその今のは‥」

「失礼ね!私は若い頃からモテてたわよ。でも私に見合う男がなかなかいなかっただけよ」

「そ、そうなんだね。き、君は高嶺の花だね」

「あなた!私と結婚できたこと感謝しなさいよ」

出た!高飛車。



僕は宛名作成の続きを始めた。


そして3日間かけてやっと仕上がった。

「珠美ー、年賀状の宛名が全部できたよ。一応チェックしてほしいんだけど」

「すごく時間がかかったわね。えーっと、どれどれ?あ、あなた!差出人の住所と名前が入力できてないじゃない」

「あ、ホントだ‥もしかして1枚ずつ入力していかないといけないのか。また3日はかかるかも」

「相変わらずパソコン音痴ね。こんなの差出人の欄に一度だけ入力すれば‥ほら!全部にできてるでしょ。あなたが思っているよりずっと便利で賢いのよ」

「すごいね」

「感心している暇はないわよ。これを印刷して初めて年賀状が出来上がるんだから」


そういえば、僕は今までプリンターでパソコンから何かを印刷したことがなかったような‥コピー機能しかプリンターを扱った記憶がないかも。

よし、説明書を読むとしよう。


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