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妻は小説家、夫は主夫  作者: マリーミチコ
13/16

強敵のパソコンで年賀状作成①

今日、僕は調理師専門学校の願書を提出してきた。

郵便局へ行ったついでに、来年用の年賀状も買ってきてほしいと珠美に頼まれたから買っておいた。


「ねぇ、パパはコックさんになるんだよね?」

「うん、まず学校に通うんだよ」

「そっか。何を作るコックさんになるの?」

「うーん、まだそこまでは決めてないけど、パパはいつか自分のお店を出すことができたらいいな‥と思う」

「すごいね。メニューには真菜の好きなチョコレートパフェと卵焼きは入れといてね」

ハハ‥



「あなた、年賀状買ってきてくれた?」

「あぁ、100枚だったよね。そこに置いているよ」

「ありがとう。じゃ、早速お願いね」

「え?お願いって‥?」

「決まってるじゃない。あなたが年賀状作りをして印刷もするのよ。はい!宛名リストはこれよ。ほとんど私の仕事関係だけどね」

「パソコンでやるんだよね?僕はパソコン操作が苦手でちゃんとできるかどうか‥ネットぐらいしかできないんだけど」

「何言ってるの?やらなきゃ一生できないわよ。年賀状ソフトも買ってるんだから、説明通りにやれば誰だってできるわよ。私は年末に向けて原稿を早く仕上げなきゃいけないから忙しいのよ。だからあなたに任せる!」

「えー!」


僕はパソコン操作が大の苦手。それで商社での仕事がまともにできなかった。

でも珠美の言うように、やらないとずっとできないままだからやるしかないってことだ。


僕はまず、ソフトのパッケージに書いているやり方の説明文を読んだ。

頭では何となくわかるが、操作をするとなると難しそうだ。

ひとまずソフトについているCD-Rを入れてみた。

読み込みが始まったからしばらく放っておけばいいんだな。珠美はどのデザイン面にするのかいくつかしるしを付けている。


読み込みが完了したメッセージが出た。

おっ。ソフトが起動したようだ。

僕は裏面からやることにした。珠美がしるしを付けている番号を選んだらそのデザインが出た。これを保存するだけ?なんだ、意外と簡単だな。

身内用には子供達の写真を入れるデザインで作るんだがこれは難しいかも。

デザインを開き、パソコンに保存している写真を呼び出したが、どうやって枠にはめこむんだ?

説明文を読み返し、まず縮小しないといけないことがわかった。

僕は例のように縮小しながら枠に収まるぐらいまでやったが、変なやり方をしてしまったのか、馬に乗ってる未央の写真の、馬の足が異常に長くなってしまった。笑えるぐらい変な馬だな。もう一度やり直そう。

トリミングをしても良いと書いてるがトリミングって何だっけ?僕は携帯電話でトリミングの意味を調べた。

なるほど‥いらない箇所を切り取りできるってことか。

トリミングに挑戦し、縮小したり拡大したり、何度もやり直しをして子供達の写真がなんとか枠に収まることができた。

あとは珠美に最終チェックしてもらおう。


え?もう夕方じゃないか。午後から作業を始めて4時間も経っている。でも年賀状を出すまでの期限はまだまだあるから慌てなくても大丈夫そうだな。残りは明日にしよう。


夕食時、珠美に年賀状の裏面ができたことを報告した。

「できたのね?すごいじゃない。あとでチェックするわね」

「君に毎年任せてたけど、自分でもやればできるってことがわかった」

「でしょ?」



夕食後、パソコンを立ち上げ珠美は年賀状のチェックを、僕は夕食の後片付けをしていた。

「あなたー、上手くできてるわね。なかなかの出来よ」

「ありがとう。料理以外で君に褒めてもらえたのは初めてかも」

「さぁ、どうだったかしら?あとは宛名ね。それも難しくないから頼んだわよ」


こうして僕の初めての年賀状作成は裏面だけだが無事成功した。苦手なパソコンだが、パソコン自体はとても賢いからもっと扱ってやらないと上達しないんだなってことがわかった。


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